世界唯一のマッチ博物館

2020年05月12日(火) 17:07

ヨーロッパ所々方々, Småland, スウェーデン
THE ONLY MATCH MUSEUM
Visited the only match museum in the world, and learned how the essential item has been produced and why the museum is located there. It was a good fun to browse the old match box designs for various countries, and look at the one for Japan! They should have been exported to Japan around the time of Japanese-Russo War. I wonder who ordered it.

Växjö(ベクシェー)から約2時間ほど北上したところにあるJönköping(ヨンショーピング)の自慢は、世界唯一のマッチ博物館です。

マッチの発明自体が人類の生活を飛躍的に変えたのは想像に難くないですが、当初は、薬頭(マッチ棒の先端部分をこう呼ぶようです)のほうに黄リンが含まれていて、それをなにかにこすって摩擦を起こせばかんたんに火がつく仕組みでした。つまり危ない。

19世紀半ば、スウェーデンの化学者Gustaf Erik Paschという人が、黄リンを摩擦面のほうに含ませ、 そこに薬頭をこすらないと発火しない「安全マッチ」を発明。これをLundström兄弟が後押しして、Jönköping Tändsticksfabrikという会社を起ち上げ、機械化による大量生産を成功させたというのがざっくりマッチの歴史です。ちなみに出典はこちらのサイトと博物館からもらってきた資料。安全マッチの考案はドイツ……としているサイトもあるので、「諸説あり」という但し書きが必要かもしれませんが笑、いずれにしてもJönköpingがマッチ自慢の町であることに変わりはありません。

[1] 手工業時代の再現 [2] マッチ棒の裁断機 [3] 各国向けマッチ箱デザイン

博物館の見どころは、手工業時代の再現[1]、大量生産を実現した機械たちの展示[2]、そして各国向けに趣向を凝らしたマッチ箱デザインの数々[3]です。日本向けのはどんなかな~と探してみたらありました↓。面子から言って日露戦争のころですね。なんか重苦しい…… 笑。どんな経緯で誰が発注したんでしょうね?

現在、スウェーデン国内で販売されているマッチの実に98%は、同社が製造するSOLSTICKANブランドだそうです。お泊りした宿にもあちこちにたくさんありました↓。

マッチ箱には、Einar Nermanさんというアーティストが我が子をモデルにしたとされる男の子が描かれています。ナショナルアイコンと言っても過言ではないくらいに親しまれているデザイン。以前、スウェーデン版飛び出し坊やのひとつとして紹介したものも、この男の子の切り抜きでした。同ブランドの売上の一部は子どもたちや高齢者を支援するための活動に寄付されています。