上勝町のゴミステーション

2022年03月22日(火) 13:59

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ZERO WASTE ACTION IN KAMIKATSU
Visited the Zero Waste Action Center located on the hillside of a mountain in Tokushima Prefecture. The town with a population of 1,400 doesn't have budget to run a garbage truck, and decided to aim at achieving "Zero Waste = 100% Recycle" in 2003. The recycle center was neat and tidy, and had no bad smell because all food waste were to be composted at every home. Visualization of how much it costs or earns to recycle each waste did help for dwellers to learn how our own attitude affects the town finances. Their action has reached to 80% so far, and it reminded me of that Swedish 99% of recycling was just an amazing number.

ゼロ・ウェイストアクションホテル「HOTEL WHY」に泊まってみたい!ってことで、徳島県勝浦郡上勝町まで行ってきました。

宿泊初日の夕方に、ゼロ・ウェイストを目指す町の取り組みを学ぶための「講習会」が開かれます。宿泊者は出席必須。ゼロ・ウェイストアクションに興味のある人しか泊まりに来ないという前提になっています笑。

上勝町のゴミステーション

上勝町は、これまで一度も「ゴミ収集車」を走らせたことのない町。1997年まで、出たゴミは「野焼き」で処分していて、それも危ないってことで小型の焼却炉を作ったものの、ダイオキシン問題に対応しなければならなくなりわずか2年で稼働を停止。以来、民間業者にごみ処理を委託するようにしたけれど、人口と税収が減り続けて財政難に。2003年の町議会で「ゼロ・ウェイスト宣言」が可決され、町をあげてゴミ問題に真っ向から挑む覚悟を決めました。現在、住民は自宅で出たゴミをゴミステーション↓まで持参し、45種類に分別しています。

住民がゴミを持ち込む場所。45分類

ゴミ処理にかかる費用(あるいは収入)やリサイクルが行われる場所なども書かれています↓。

右上の「出」という文字は、リサイクルするために町が「お金を出す」ことを意味しています

たとえば「乾電池」は↑、北海道にある業者に引き取ってもらい鉄鋼製品へとリサイクルされますが、1キロあたり119.8円の費用がかかります。ほとんど輸送コストだそうです。乾電池に含まれる水銀を処理してリサイクルできる業者が北海道にしかないため、リサイクルしようとすると他に取れる手段がないらしい。

緑色で「入」と書かれているのは、町に「収入」をもたらすゴミを表します

「金属製キャップ」は徳島市内で各種金属製品にリサイクルされますが、なんとこちらは1キロあたりアルミ製なら3円、スチール製なら10円で買い取ってもらえるため、町の収入になる!ことがわかります。プラスチック製キャップはキロあたり0.51円の支出なのでずいぶん差がありますね。

住民が置いていったゴミは、その日のうちに所定の大きなコンテナーや袋に移され、整理整頓されます。いつ業者さんが来てもすんなり美しくお渡しできるようになっていてスゴイ。あちこちがとてもキレイだったのが印象的でした。生ゴミを各家庭で堆肥化する約束にしたのも、ゴミステーションをキレイに保つために一役買っています。キレイなだけじゃなく、ニオイもなし。素晴らしい。

2020年までにゼロ・ウェイスト(リサイクル率100%)を達成するのを目標にがんばってきたそうですが、今のところ80%くらいだそうです。スウェーデンのリサイクル率99%という数字が果てしなくスゴイってことが改めてわかりました。