スウェーデンっぽい教会

2020年07月10日(金) 17:42

ヨーロッパ所々方々, Småland, スウェーデン
SWEDISHNESS OF CHURCHES
Östmark kyrka didn't look Swedish to me, but why? Here is an example of "very Swedish" church to me, Habo kyrka near Jönköping. The paintings on all walls and ceilings stole my breath when I got in. It seemed to be rebuilt in early 18th, but if they retain their original shape of drawings, they convey the trend from 12th century. Wow, it equals to the arts in Heian or Kamakura period in Japan! And, all the arts in the church were smile-inducing, like the facial expression of an angel. Swedishness to me is something like that.

昨日紹介したÖstmark kyrka(エストマーク教会)がなんとなくスウェーデンっぽくないと感じたのはなぜだろう?と実は気になっていました。外観がノルウェーの木造教会に似ていたことと、フィンランドからの移民がつくった町にあるという知識などが「スウェーデンっぽくない」と感じさせたのはひとつの理由として間違いないのだけど、ならばスウェーデンっぽい教会とは、自分の中でどんなイメージなのだろうかと考えていたら、ひとつ思い当たりました。

内装に笑える要素がなかったからスウェーデンっぽく見えなかったんだ!と。

Östmark kyrkaの内部は↓こんな感じで、シンプルで上品で落ち着いた印象。細部もざっと見ましたが笑える要素はありませんでした。

エストマーク教会の内部

ここで比較対象としてHabo kyrka(ハボ教会)に登場してもらいます。春の旅行中に寄ったところで、マッチ博物館のあるJönköping(ヨンショーピング)から北西へ車で20分ほど行ったところにあります。

Habo kyrkaの外観。1723年にこの姿になったとか

外観は似ていなくもないですが、内部の装飾はまったくちがいます。Habo kyrkaは、壁も天井も柱も、あらゆるところに絵が描かれていて圧巻でした↓。

中は壁も天井も柱も、とにかくいたるところが絵で埋め尽くされています

木目や節や継ぎ目を物ともせず、平面すべてを大きなキャンバスに見立てて隙間なく絵を描き並べています。教会が建てられたのは12世紀で、いつ、なにがあったかはよくわかりませんが現在の姿になったのは1723年だそうです。それにしても約300年もの間、これら一面の絵をきれいな状態に保っているのはお見事としか言えません。それに、絵のテイストや内容はオリジナルの12世紀から変わっていない(と思われる。というかそう信じたい)のだろうから、日本でいうと鎌倉時代かそれ以前に相当するので、それこそ『鳥獣戯画』くらいなものなのではないか?(ちょっと持ち上げすぎか…笑)

[1] 天井にもびっしり絵が [2] 天使がカーテンおさえてる [3] この天使の表情が良い

窓の両脇でカーテンを支え、教会内に光が入るようにしてくれている感じに描かれている天使[2]がお気に入りですが、説教台の上にいる天使[3]の表情もステキです。描かれている絵や像がどうもポンチ絵風なんですよねー。もちろん職人さんや画家さんは大真面目に創作しているのでしょうが、わたしの目には「笑わせようとしている」ように見えるところがちょいちょいあります。教会内部の絵や彫刻にそんな雰囲気のある教会がわたしにとってはとてもスウェーデンっぽい。おふざけ要素のない(いや、ふざけてないんだけども笑)Östmark kyrkaがスウェーデンっぽくないと感じたのは、きっとこういう理由です。自分的に超納得。