モミの木農家が営む宿

2019年06月25日(火) 18:47

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A BOUTIQUE HOTEL ORGANIZED BY A FIR TREE FARM
I happened to find an attractive boutique hotel in a brochure collected at the asparagus festival, which proved to be my cup of tea. It offers only 10 rooms, and we were the only guest at that night. We loved the spacious room and delicious food served, and got surprised to find that it's organized by a fir tree farm. Now, no wonder why there were so many fir trees growing in the area. I would love to come back to pick up our own Christmas tree this year, but they don't sell a tree to consumers, but they seem to sell over 60,000 trees in a week for commercial uses. I want to come back anyway, even just to enjoy a relaxing weekend.

アスパラガス祭りで拾ってきたSkåne(スコーネ)地方情報誌みたいなもので見つけた Cocoon というお宿がわたしのアンテナにビビッと引っかかったので、とある週末に一泊してきました。

[1] Cocoonという小さなお宿 [2] 4番のお部屋の目印 [3] 中は広々、窓いっぱい

2棟の建物に全部でわずか10部屋しかない小さなお宿で、森と草原に囲まれてぽつねんと建っていました。嵐に見舞われた週末だったためもあってか、宿泊客はわたし達だけで、貸し切り状態。おかげでアップグレードにありつきました。わたし達の4番のお部屋は広々していて、窓もたくさんです。窓べに腰かけられるスペースがあるのがとても良かった。部屋のすぐ外に備えられた共用の冷蔵庫もひとり占めできたし、窓の外を出歩く人もいないので気にせず着替えもできちゃった。嵐のおかげでテラスでまったりとかはできなかったけれど、その分、部屋で過ごす静かな時間を楽しみました。

[4] 別棟のレストランで食事 [5] 夕飯のお魚料理 [6] 朝食もオシャレさんでした

そしてなによりもの大発見は、宿主が実はモミの木農家さんであったということ。どうりで、宿へと続く道沿いに小さなモミの木たちが並んでいたわけです(写真[7])。食事もぜんぶがとても美味しかったのだけど、モミの木の芽を使った変わり種のビール(写真[8])とか、パンに塗って食べるペースト(写真[9])とか、間引かれる新芽たちにそんな活用のされ方があったのか……と感心させられるものが続々と出てきて勉強になりました。

[7] 周囲にはモミの木がいっぱい [8] モミの木の芽のビール [9] モミの木の芽のペースト

そもそも、モミの木農家なるものが存在することにも驚いた。去年の12月、クリスマスツリーを調達しに行ったところも、モミの木農家さんなのかな? モミの木だけで家族の生計が成り立つくらいってことだよね。あらためて巨大なニーズがあるということを思い知らされました。今年のクリスマスツリーは Cocoon で調達することにしようか……と企みつつ、そんなことができるかどうかを聞いてみたら、商業用の巨大なモミの木を1週間で6万本も出荷しなくちゃならない超繁忙期だから、一般家庭向けの出荷やイベントをしてる暇ないわい!ってことでした。ざんねーん。でも、宿を休みにしたりはしないみたいだから、うまいタイミングで再訪すれば、モミの木の出荷の様子を観察できるかもしれん。どうするか……。