正直な話、アートをこよなく愛する……というタイプではありません。アーティストが自分の感性のままに生み出した芸術作品を眺めてウットリするよりも、生活者のニーズに応えるべくデザインされたモノを眺めるほうが好き。だから、なんちゃらアートホテルという名の宿を選ぶことは少ないのだけど、Kosta（コスタ）の町へ行くなら Kosta Boda Art Hotel しか考えられない的にあちこちで紹介されていたのでそこにしてみたら、アートに満ちた部屋が意外と良かった。

このホテルの部屋は、1924年に創業して以来その名を世界に轟かせ続けるガラス工房 Kosta Boda（コスタ・ボダ）のデザイナーが手がけています。エリアによって担当デザイナーがちがって、ポンチ絵風?!アートでお馴染みの（どこで？）Ulrica Hydman Vallien さんがデザインしたお部屋に通されました。

[1] 部屋の壁に描かれた絵	[2] 窓べに約30万円の花瓶	[3] 約16万円のランプシェード

壁にはイラストがドドーンと描かれていて、窓辺には26,000SEK（約30万円）の花瓶が飾られていて、ベッドサイドには14,000SEK（約16万円）のランプシェードをまとったランプが佇んでいました（写真[2][3]）。いずれも「欲しい方にはお売りしますのでフロントまでお気軽にお問い合わせください」ってさ笑。うっかり落っことしたり、倒したりして割れちゃった……となったらどうなるのだろうか？ 心配で酔っ払えない笑。

[4] 限定240本のうちの一つ	[5] B級品を激安で購入	[6] これは破格のアート花瓶

ほしかった花瓶はアウトレットでさんざん迷った挙句に、結局ホテルの売店で見つけた彼女デザインのチューリップをあしらったものを買うことにして、チューリップ柄の花瓶に我が家でただいま満開中の真っ赤な薔薇をこれでもか！というくらい大量に活けて、愛でています（写真[4]）。しかし花瓶ひとつじゃわざわざ買い出しに行った甲斐がないので、アウトレットにてさらに物色した結果、正規品なら 1590SEK（約18,250円）の花瓶の失敗作らしきものを 299SEK（約3,430円）で買って、こちらには庭のハーブなんかをどっさり挿してみています（写真[5]）。近くのアートギャラリーに飾ってあった花瓶（写真[6]）もステキだったけど、 35,000SEK（約401,000円）だったので却下になりました。このくらいのものをポンっと買える大人になる日ははたして来るのだろうか？

破格のアートばかりが展示されているアートギャラリーですが、いかついアートでありつつも、微笑ましいものが多くて楽しい感じなので立ち寄ることをオススメします。ギャラリーを先に見ると、アウトレットに並んでいるものが駄作に見えてしまうかもしれないので笑、買い物を済ませてから行くが良いです。以下、キュートなアートたち。