2023年10月の読書記録

2023年11月06日(月) 13:17

本&映画の紹介

湯河原ひとり旅のときに漫画の積読消化をしたのが敗因です。後半、仕事3本掛け持ちという鬼スケと並行して怒涛の追い上げでなんとかギリギリ10冊達成……。久しぶりに焦りました笑。

小説が3冊すべて楽しかった。『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』と『季節の記憶』はともに子育て中の方々に響くと思います。子育て経験がなくてもいろいろと考えさせられるステキなお話でした。『円 劉慈欣短篇集』はSFに抵抗を感じている方にぜひ。未来が不安になる物語ばかりだけど。



読んだ本の数:10
読んだページ数:2989
ナイス数:105

ヤモリ、カエル、シジミチョウヤモリ、カエル、シジミチョウ
解説にあるように「たくと」のパートに漢字が混ざり始めたところでハッとなった。「たくと」が「拓人」になっちゃう。五感で環境や状況を読み取り、色で気持ちを察し、昆虫と対話をしていた「たくと」がいなくなってしまう。成長してしまう……と。わたしはもろ育実タイプの子どもだったけれど、自由奔放で無邪気だった弟はもしかしたら「たくと」のように昆虫とお話したりしていたのかな?大小さまざま悩み苦しむ大人の様子を、子どもはこうやって観察し、解釈しているのかな?かつて子どもだった頃を思い出せない大人が読むといろいろ切ない物語。
読了日:10月01日 著者:江國香織

「社会を変える」お金の使い方――投票としての寄付 投資としての寄付「社会を変える」お金の使い方――投票としての寄付 投資としての寄付
『マイノリティ・マーケティング』からの流れ。寄付は「”見返りを求めない”というセンスを鍛える機会」をくれる……のか。大阪の川に橋をかけた豪商たちには「商売をしやすくなる」という見返りがあったと思うけどな……。「寄付とかもっとすべきなのか?」とたまにぼんやり思うのだけど、「寄付金控除の対象か?」と条件反射的に考えてしまったりして見返り求めまくり笑。寄付向いてないかも。「寄付をより深く知るための用語集」が勉強になるな~と思っていたら援助依存の最たる人(野口英世)が出てきてちとガツカリ。個人の感想です笑。
読了日:10月02日 著者:駒崎弘樹

人間はだまされる―フェイクニュースを見分けるには (世界をカエル―10代からの羅針盤)人間はだまされる―フェイクニュースを見分けるには (世界をカエル―10代からの羅針盤)
カエルが表紙にいる本は買うことに決めているのです笑。子ども本の森で見かけたのでその場でポチっと。子ども達に「ジャーナリスト」という職業のあり方と意義(についての著者の見解)やメディアの功罪を教える内容でした。人間がだまされる理由やフェイクニュースの見分け方は…あまりなかったような。とはいえ、情報あふれる現代社会にあって、発信も受信も手軽にできるようになったからこそ身に着けておくべきと思われるリテラシーの数々が過去の事例とともに紹介されていて勉強になりました。大人だってかんたんにだまされます。気をつけよう。
読了日:10月11日 著者:三浦 準司

The Elements of User Experience ~5段階モデルで考えるUXデザインThe Elements of User Experience ~5段階モデルで考えるUXデザイン
原著初版が2002年。日本語訳が2005年。原著第2版が2010年で、その日本語訳がやっと2022年に出ましたという、業界的にはすでに「古典」の域の一冊です。2色刷りからフルカラー5色刷りになって紙面の構成もとても読みやすくなってました。機能性プラットフォームとしての側面と情報メディアとしての側面とでウェブを捉えているところがやっぱりわかりやすい。IAのみなさんのこれまでの葛藤もわかるように追加記事があったりして20年の歴史の重みと読み継がれる本書の価値を再確認。監訳者あとがきのタイポが残念でしたー笑。
読了日:10月12日 著者:Jesse James Garrett,ジェシー・ジェームズ・ギャレット

「空気」の研究「空気」の研究
かなり長い積読を経てやっと読了。むずかしかった。というか、科学の本だと思って読み始めたら社会学系の本でしたとさ。“日本には「抗空気罪」という罪があり、これに反すると最も軽くて「村八分」の刑に処せられる”ということで、今で言う「KY」のKの研究ってことね。外国人に伝えようとするならば「アニマに相当するものといえば、ほぼ理解されるのではないか」とかなるほどですわ。内村鑑三の事件なども出てきて、『後世への最大遺物』を読んだ直後なので流れは悪くなかったらしい。いやしかし、水の研究以降はちんぷんかんぷん笑。
読了日:10月16日 著者:山本 七平

実践 シナリオ・プランニング 〜不確実性を「機会」に変える未来創造の技術〜実践 シナリオ・プランニング 〜不確実性を「機会」に変える未来創造の技術〜
何を隠そう2年くらい読みかけで放置してました。プロジェクトで実践しながら読み進めようと思っていたらプロジェクトがとん挫したという……まぁよくある話です笑。最初から再読が必要かと思いましたが、実践しながら読んだ分だけ頭に残っていて、第7章の活用例で流れをキレイにおさらいしてくれるので、そうだそうだ、2軸4象限で物事を考える力強さと心強さを教えてくれる技だった!とかなり腑に落ちての読了です。わたしは組織に属していないので活用の場は少ないけれど、2軸4象限はいろんなところで応用してみようとか密かに思いましたー。
読了日:10月23日 著者:新井 宏征

円 劉慈欣短篇集円 劉慈欣短篇集
どの短編にも、人間や社会に潜む闇の部分が描かれていてけっこう切なくなるけれど、『円円のシャボン玉』だけはすがすがしい読後感でした。宇宙人になめられないためには物理や数学が最低限の知識になるって話を先月『宇宙人と出会う前に読む本』で学んだばかりで、『郷村教師』でまさにそれが描かれていてシビレタわ。アインシュタインが自らの偉業を悔やみ続けていることを描く『メッセンジャー』や環境問題をテーマにした歴史改変SF『月の光』など未来とのやり取りもドキドキしながら読みました。ただの1編もハズレのないスゴイ読み応え。
読了日:10月25日 著者:劉 慈欣

高血圧はほっとくのが一番高血圧はほっとくのが一番
健診で「血圧高め」と言われるようになり、毎朝測るようにすると良い!とオススメされるままに手首式の血圧計を買って測るようにしてみたら、高血圧の連発で病院に行くべきかどうかと逡巡する日々。で、自分が言われたいことを言ってくれていそうな笑こちらを読んで、この20年で最高血圧の基準値を50も上げて、降圧剤を押し売りし、医薬品会社が潤っていることを知るなど。年齢が上がるにつれて血圧が上がるのは健康な証拠ですってよ!気にして測れば測るたびに血圧は上がっていくと。なるほど。つまり、そんなに気にしなくて良いんだ。わーい。
読了日:10月27日 著者:松本 光正

デザイナーのとなりで仕事を見ている気分 「そのデザイン、どうやって作るの?」が分かる、デザインの参考書デザイナーのとなりで仕事を見ている気分 「そのデザイン、どうやって作るの?」が分かる、デザインの参考書
イラレを少しでも使えてグラフィックデザインをかじった経験がある人にはおそらく物足りない。しかしわたしのように、「手書きのラフスケッチからどうやってデジタル化するんだろう?」という超初歩的な疑問を持っている人には面白いし、ありそうでなかった一冊だと思う。イラレを買ってまでグラフィックデザインに挑戦してみよう!って気になれば良き参考書になることでしょう。そんな日は……来るかな?(たぶん来ない笑)
読了日:10月29日 著者:森田 啓一

季節の記憶季節の記憶
とあるイベントで見かけた「リアルボイス・ブックカバー」の「見事に何も起こらない小説です」という書評が刺さって購入した本書。たしかに「見事に何も起こらない小説」でした笑。父と子と隣の変な兄妹とが織りなす日常生活は、はた目には何も起こっていないように見えるけれど、本人たちにとっては一日一日がキラキラしていて、思索と学びの連続で、子どもの成長にあやかって大人たちが議論しながらすこしずつ思考を深めていく様子が絶妙なトーンで語られていて、鎌倉の風景を思い浮かべながら読み終わったらふつうに続編を欲している自分がいた。
読了日:10月31日 著者:保坂 和志