2023年7月の読書記録

2023年08月04日(金) 16:12

本&映画の紹介

7月は旅と出張の移動中にけっこう読めました。『オーガ(ニ)ズム』の上下巻をいっきに読了できたのは達成感あります。でも小説のオススメは『ブンナよ、木からおりてこい』です。子育て奮闘中の若いお母さん達にぜひ。

あとは、仕事に備えた予習読書ばかりなのだけど、難病と寄り添いながら前向きに生きるためのヒントが満載の『パーキンソン病と暮らす』は、直接この病気と関係がなくても読んでみると良いです。きっと元気をもらえます。



読んだ本の数:11
読んだページ数:2887
ナイス数:63

パーキンソン病と暮らすパーキンソン病と暮らす
仕事がらみの予習。パーキンソン病を患っている当事者の言葉で、思うように動かなかったり、勝手に動いてしまったりする身体と折り合いをつけながら送る生活の様子を教えてもらう読書でした。即効診断を下して「一緒に頑張りましょう」と言ってくれた医師が、まさか先に旅立つとは思っていなかっただろうな…。悲しかっただろうな…。そんな別れも経ながら明るく前向きに生きる、「寝たきりになるのも怖くはない」と言い切れる強さを持ったステキな女性の手記でした。
読了日:07月01日 著者:野﨑 美穂子

わたしの外国語漂流記: 未知なる言葉と格闘した25人の物語 (14歳の世渡り術)わたしの外国語漂流記: 未知なる言葉と格闘した25人の物語 (14歳の世渡り術)
目指す世界へ到達するために必須の教養として、あるいは生活していくための必需品として、あるいはその言葉を操る人たちの生活を知りたくて、みなさん入り口はいろいろですが、貪欲に母国語以外の言語の習得に挑み、成し遂げた人たちの物語。英語も中途半端だし、ロシア語もスウェーデン語も喋るレベルには到達しなかったし、わたしに足りなかったのはがむしゃら感だったんだな……と、ぼんやり反省笑。
読了日:07月07日 著者:松村圭一郎,佐久間裕美子,丸山ゴンザレス

パーキンソン病患者さんのためのガイドライン:病気を理解し上手く付き合っていくためにパーキンソン病患者さんのためのガイドライン:病気を理解し上手く付き合っていくために
予習読書その2。パーキンソン病の専門医が、病気のこと、診断のこと、治療のこと、薬のことを網羅的にやさしく解説してくれる良書。ドパミンが減った状態を補うためのレボドパという薬を中心に治療をしていくのだが治る病気ではなく、対症療法しか打つ手がない。進行すれば薬を増やしてレボドパの効きをよくすることをねらうけど、副作用もあるし、いつかレボドパが効かなくなったり、使えなくなったりする日も来るってことか…。難病です。予防をできる病気でもないっぽい。研究者のみなさん、応援しかできないので応援してます。
読了日:07月09日 著者:北川尚之

ブンナよ、木からおりてこいブンナよ、木からおりてこい
カエル祭りふたたび。素晴らしい物語だった。「この作品を書くことで、母親や子供とともに、この世の平和や戦争のことを考えてみたかった」からつづく「母たちへの一文」の中のくだりに、著者が物語に込めた想いが簡潔にまとまっている。必読。人並み以上を目指し、驕り高ぶることの浅はかさをもっとも弱いものの象徴である蛙のブンナが自らの恐怖体験を通じて教えてくれました。凡庸だって良いじゃないか。自分らしく生きていけば良いんだよ。
読了日:07月13日 著者:水上 勉

世界と私のAtоZ世界と私のAtоZ
『先生、どうか皆の前でほめないで下さい: いい子症候群の若者たち』からの続きで読むとなおさら興味深い。大人たちが放置してきた差別や環境の問題を無視し続けることはできないという想い、しかし「すべてが自己責任」という重苦しさに対峙できるほど全員が成熟しているわけでもなく、多様性を受け入れ、悪目立ちしないように慎重に、自己肯定感を上げるためにはカウンセリング必須。このカウンセリング必須のあたりは日米でちがってるな。LGBTQ+を受け入れる器としての社会の成熟も日本はかなり遅れてる感。とても勉強になりましたー。
読了日:07月13日 著者:竹田 ダニエル

オーガ(ニ)ズム 上オーガ(ニ)ズム 上
『ピストルズ』読了からまだ半年くらいなので、「愛の力」とか辛うじて思い出せるレベル。『シンセミア』は記憶の彼方だが、そうだ「阿部和重」が登場してたよ思い出した。神町三部作のラストらしいので色々伏線回収していくんだよな。伏線覚えてない場合はどうすれば良いんだっけ?とか思いつつ、「阿部和重」がふつうに面白おかしくアメリカ人と3歳児に翻弄される日々を語ってくれるので意外にもスイスイと読めてしまっている。だれが悪者なのか、ぜんぜん読めないままに下巻へ。
読了日:07月18日 著者:阿部 和重

風景の見え方風景の見え方
松山の居酒屋さんで出会った一冊。「市井の人々の暮らしの中から、写真とタイトルで自分の見え方を表現し、日々を楽しんでいる」という著者。わざわざ旅に出なくても、日々あるき回る日常空間の中にも「気づき」の種がたくさん潜んでいることを教えてくれる良書でした。「化粧を落とす」と「消えたローソク」とか、絶妙すぎて感心したし、「輝くポスター」とか「おじさんトリオ」とか笑っちゃうものもたくさん。写真の練習も兼ねて、わたしも路上観察したくなりました。暑さが落ち着いたら始めます(先延ばし~)。
読了日:07月19日 著者:乗松 毅

パーキンソン病のことがよくわかる本 (健康ライブラリーイラスト版)パーキンソン病のことがよくわかる本 (健康ライブラリーイラスト版)
仕事絡みの予習3冊目。レボドパが効きにくくなったり、効きすぎたりするようになるのは、長期的な服用によりドパミンの血中濃度の上昇や減少が急激に起きやすくなってしまうから。超納得いった。八升豆にはドパミンが多く含まれていて薬の代わりにもなったりするとか目からウロコ。運動と前向きな気持ちが改善の鍵!ということで、そのために推奨される住環境づくりやリハビリの方法なども丁寧に紹介されていて理解が深まりました。最近、杖をついて歩いている人がみんなパーキンソン病に見えちゃってよくない笑。
読了日:07月22日 著者:

聞く習慣 〜自分と人生が変わるいちばん大切な会話力聞く習慣 〜自分と人生が変わるいちばん大切な会話力
「書く」ことが本職だけあって、とてもわかりやすく要点がまとまっていました。わたしも、ユーザーインタビューで培ってきた話術や対応力を、より一般的な文脈に広げた本を(次に)書きたいなーと思っていたのですが、先を越された感が満載笑。初対面の人との雑談や人の集まる場所に苦手意識のある人は、かなりサクッと読める容量なので目を通してみると良いでしょう。まんまユーザーインタビューに活用するのはダメなこともあるけれど、リサーチ界隈の人にも参考になると思います。
読了日:07月25日 著者:いしかわゆき

日本語擬態語辞典日本語擬態語辞典
『名前のないことば辞典』を読んだときに、オノマトペを英語で表現してみるチャレンジしてすぐ断念したヤツ、それを2004年に実現して刊行してくれていた五味太郎さんスゴイ。「くるくる」と「ぐるぐる」、「とんとん」と「どんどん」とか、濁点ひとつの違いを英語で言い分けるとか神業だなーしかし。「よぼよぼ」と「よろよろ」の並びが好き。添えられているイラストが最高でした。諦めず、たまにパラパラ(ぱらぱらは不掲載)とめくって英語の勉強しよう!
読了日:07月27日 著者:五味 太郎

オーガ(ニ)ズム 下オーガ(ニ)ズム 下
終わってみれば、「阿部和重」のイクメンアピール? 冒険活劇? オッサンふたりの友情物語? みたいなお話でした(違っ笑)。アレックスはいつまでも「地下室の幽霊」なのにラリーにかけられてた呪縛はかんたんに解けちゃったんだっけ?とか細かいところで気になる部分はありつつも、記憶の彼方に飛んでいっていた『シンセミア』の回顧もさり気なく入れておいてくれる著者の気配りによって再読しなくても、というかおそらく『オーガ(ニ)ズム』だけでもけっこう楽しめるようになってます。オススメか?と問われるとちょい微妙。
読了日:07月29日 著者:阿部 和重