2023年5月の読書記録

2023年06月08日(木) 10:47

本&映画の紹介, カエルあれこれ

久しぶりに余裕の2桁。ゆるい本が多めではありますが…。

小説は『義経 (下)』がぶっちぎり。久しぶりの司馬遼太郎もするすると読めました。これまた少し古い小説ですが『家族ゲーム』もおもしろかった。昭和の病んでる家族像をむかしの我が家とぼんやり比べながら、どこの家もいろいろなんだろうな~とか思ったり。

子どもがいない分、若い世代のことが分からなすぎるのはなんとなくよくないだろう……と思い、たまに本で勉強するのですが、『先生、どうか皆の前でほめないで下さい: いい子症候群の若者たち』は大学の先生による日々の観察と密かな実験データの蓄積に基づいて論じられていてすごく勉強になりました。若者ターゲットの仕事が来たら再読する本。

そして、密かにカエル本祭り開催中。



読んだ本の数:15
読んだページ数:4282
ナイス数:121

新装版 義経 (下)新装版 義経 (下)
無自覚なままに近代戦術思想の世界史的な先駆をなした義経。自らが躊躇なく先陣を切って勝利を呼び込み、そして周囲に嫌われる。政治的無知ゆえに突拍子もない発想をできるわけで、同時に院に利用されもする。院は徹底的に悪であった…。静との出会いだけが救いだな。それにしても、いつ出るともわからない『ギケイキ』第3巻を2倍楽しむためにとコレを読んだのに、そこで語られるであろう追われる身になってからの様相は最後の半ページほどだった笑。予習にはまったくならなかったけれど、ギケイキの続編が一層楽しみにはなりました。
読了日:05月02日 著者:司馬 遼太郎

山の眼玉山の眼玉
愛媛で出会った「畦地梅太郎記念美術館」の売店にて衝動買い。ステキな版画をつくる作家さんの日常…というか、山行を垣間見てみたくなったので。自然の驚異をゆるゆると受け入れ、同様に山を愛する人たちとの邂逅を楽しみ、決して裕福ではないからと最低限の食料で挑むも「アルコール分だけはなんとしても間に合わせたい」とか言っちゃってその気持ち分かるわー笑。「老人の立小便を想像しながら食べる兎汁」の話がおもしろかったな。そんなん食べたくないけども。
読了日:05月04日 著者:畦地梅太郎

情報を正しく選択するための認知バイアス事典 行動経済学・統計学・情報学 編情報を正しく選択するための認知バイアス事典 行動経済学・統計学・情報学 編
最近「確率加重関数」との出会いが多め。「行動経済学」が流行っているんだきっと。「統計学的アプローチ」の章はまんま統計学の話でデータを読むとき、分析するときの注意点として良い感じ。「情報学的アプローチ」の章はユーザー調査の現場にも参考になるものが多いが、「ピークエンドの法則」を踏まえて、ラストの項目はもうすこしわかりやすく納得しやすいものにしてほしかったかなー。「素朴実在論」で締められると難解な本のイメージになっちゃいそう。それとも分かった気にさせない作戦か?
読了日:05月09日 著者:情報文化研究所,米田 紘康,竹村 祐亮,石井 慶子

ときめく図鑑Pokke! ときめくカエル図鑑ときめく図鑑Pokke! ときめくカエル図鑑
卵から子ガエルが直接生まれる種(ハナトガリガエル)や子育てをするカエル(アイフィンガーガエル)がいるとか知らなかった…。鹿児島県と沖縄県で天然記念物に指定されているイシカワガエルの背中の模様はたしかにビューティフル!見たい!絶滅の危機に瀕しているらしいので自然界で対面するのはむずかしそうだな。どこかの水族館にいないのかな?喜多方の「100年カエル館」が再オープンしたら行かないと。あと『ブンナよ木からおりてこい』は速攻買う。いやぁ、カエルについてなにも知らないことを教えてくれる読書でした。楽しかった。
読了日:05月10日 著者:高山 ビッキ

日本習合論日本習合論
声は乗り物。声が良いとコンテンツが伝わりやすくなる。なるほど。「理解と共感ごっこ」はつらい。そのとおり。無住の寺とニートのマッチングとはスゴイ発想だ!など、細かいところにもうなずき過ぎて首もげるかと思った笑。明治政府が神仏分離令を発したのは純粋に日本的なものを単離して確固たる拠り所をつくりたかったから。すごい合点がいったぞ。それに論理的な反論を唯一したのが浄土真宗。相容れないモノコトの仲立ちをするのが習合論者。闘おうとするのではなく上手いこと間を取る策を練るべし。支離滅裂ですがとにかく勉強になりました。
読了日:05月11日 著者:内田樹

プライベートバンカー 完結版 節税攻防都市プライベートバンカー 完結版 節税攻防都市
超富裕層とか新富裕層とか呼ばれるリッチな人たちは、税制有利なシンガポールへ移り住み、ペーパーカンパニーをつくって資産運用し、納税を回避しながら、しかしやることなくて無為に人生の後半を過ごしているらしい。そんな彼らの財産を守り、増やす手伝いをするのがプライベートバンカー。他人のお金を元手に右往左往する仕事か…。四六時中胃がキリキリしそう。そんな職業はもちろん、お金に執着する人たちと闘うマルサの仕事もわたしには無理だなー。あと、投資も手を出すもんじゃない。庶民なりで生きていこう。
読了日:05月14日 著者:清武 英利

怖いけど面白い予防医学 人生100年、「死ぬまで健康」を目指すには?怖いけど面白い予防医学 人生100年、「死ぬまで健康」を目指すには?
人工透析いやだー。尿管結石も勘弁。通風も避けなければ。自分の場合、飲酒量を減らすべきなのだろうけど、しかし肝機能の数値は正常なので大丈夫(と信じている)。週3回のジョギングを継続できればメタボの心配もない(と願っている)。50歳になり、更年期障害バリバリなので、甲状腺と血圧あたりは気にかけたほうが良いのだろうな。ということで、何年か前に「血圧計を買おう!」と思い立ってそのまま放置していることを思い出したので今度こそ買おう。あと、カルシウムとヨウ素がたぶん足りてない。摂ろうがんばって。
読了日:05月15日 著者:森 勇磨

しかもフタが無いしかもフタが無い
ポプラ文庫の「あるかしら文庫フェア」での衝動買い。「月刊キリンファン特製グラビア」と「うぶ毛S」と「サルと木から落ちる」そして「神サマに言われたくない言葉」が好き。そんな笑えるラインナップの中にこっそり「人に見せない部分も大きくしなくてはいけない」とか「なかよくなるために何十年もかけられるなんて家族ってゼイタクね」とか、まあまあグサッとくる格言が潜んでいて、うっかり出くわしてドキッとするような仕掛けの落書き集です。毎日周囲を観察し、思考し、妄想しながら書き溜めたと思われるスケッチの数々。なにげに深イイ。
読了日:05月16日 著者:ヨシタケシンスケ

カエルの小指 a murder of crowsカエルの小指 a murder of crows
前作それほどでもなかったのだが、なんとなくカエル祭り開幕中なので笑。全員で騙し合ってました。そうだろうな…と思いながら読みつつ、しっかり誘導されて騙されまくる楽しい読書。詐欺師と組んでる探偵が最悪で、活躍しちゃってるタレントが最悪と見せかけての巻き返し。若い世代(キョウとテツ)が賢く描かれているところが良い感じ。その賢さを真っ当な方向で活かして、ステキな大人になって欲しいな~と、おばちゃんは思いながら読んでしまったよ。完全に親目線(子どもいないけども笑)。
読了日:05月19日 著者:道尾 秀介

美しきウクライナ 愛しき人々・うるわしの文化・大いなる自然美しきウクライナ 愛しき人々・うるわしの文化・大いなる自然
伝統文化や土着の農業を守り、後世に残すつもりで奮闘してきたウクライナの人びとが暮らす国の美しさと尊さを伝える一冊。紹介されている男性陣の中には、戦争の渦中にいる人もいるのかもしれない。すでに命を落としてしまった人もいるのかもしれない。女性たちは残るか避難するかで葛藤しているのかもしれない。そんな現状に想いを馳せながら読み、共感するところまでいけず、平和な日本で呑気に暮らしていることに後ろめたい気持ちになってしまったりもする。せっかくの美しい本を純粋に楽しめない現状を残念に思う。早く、終わりますように。
読了日:05月21日 著者:ウクライナー

邪悪な虫―ナポレオンの部隊壊滅!虫たちの悪魔的犯行邪悪な虫―ナポレオンの部隊壊滅!虫たちの悪魔的犯行
なぜコレが本棚にあったのか思い出せないが積読されていたので読んでみました。挿絵がリアルすぎて怖いよぉー笑。ヤスデのように電車を停めてしまうほどの大繁殖とか勘弁してほしい。ゴキブリが耳に侵入したとかいう症例がドイツであるとかマジあり得ない泣。蚊はやはり「ビールを飲む人にひきつけられる傾向がある」なんて悲報以外のなにものでもない。虫がいてくれるおかげ様というのもわかっているつもりだけど、どんな虫も手づかみとか無理だな…。子どものころそういう遊びしてないから耐性がない。なるべく少ない関わりで済ませたいです。
読了日:05月22日 著者:エイミー スチュワート

先生、どうか皆の前でほめないで下さい: いい子症候群の若者たち先生、どうか皆の前でほめないで下さい: いい子症候群の若者たち
若者たちと絡む機会がほぼないので、最近の彼らのことぜんぜんわからず、いつかの絡みに備えて興味本位で手にしてみたらかなりの良書でした。信じられない…と思うところもたくさんありましたが、毎日学生たちと接する暮らしと、密かな観察とデータ取りを長年続けている研究者だからこそ、若者たちの「いい子」っぷりの裏に見え隠れする実態にここまで迫られるのだと思います。大人は「究極のしてもらい上手」たる若者たちにうまいこと使われる側に回されていることに気づかなければならない。締めが若者たちへの助言なのも良かった。
読了日:05月24日 著者:金間 大介

家族ゲーム家族ゲーム
黒澤文庫で仮読みと思ったが読了できなかったので譲ってもらいました。「男の方が制限づけられ、禁止されることが多い」と、そうなのか…、昭和の日本男児はそう思って生きていたのか。「今まで、みなさんの自慢話の種として、長い間頑張ってまいりましたが」と、兄が選手交代宣言をするところが切ない。家族全員が病んでいて、家庭教師という第三者の登場で家庭内の空気が変わる。ただ次男坊の成績アップを意図しただけなのに、やっぱり病んでる家庭教師が見事に次男坊の高校入試を成功させるも、家族は全員病んだままゲームは続く。残念。
読了日:05月25日 著者:本間 洋平

そろそろ、ジュエリーが欲しいと思ったらそろそろ、ジュエリーが欲しいと思ったら
ハイジュエリーまわりの仕事が決まったので予習。表紙に使われているブシュロンのリングはとっても素敵。7つの縦レイヤード。総額は120万円くらいか。意外と安い(とか書いたら旦那がビビりそう笑)。見てるとすこし欲しくなるが、プチネックレスは「遠目に見ると、シワが1本増えたようにしか見えない」みたいな指摘を読んで、50歳という年齢に見合うまあまあのボリュームのものを選ばないとヤバいし、そうなると高いということがしっかりわかった。ジュエリー好きな女子への指南書としては良書。買うなら色石リングかな…。32万5千円也。
読了日:05月29日 著者:伊藤 美佐季

Lean UX 第3版 ―アジャイルなチームによるプロダクト開発 (THE LEAN SERIES)Lean UX 第3版 ―アジャイルなチームによるプロダクト開発 (THE LEAN SERIES)
リーン・スタートアップ+デザイン思考+アジャイル開発=Lean UXで、アウトプット(成果物)ではなくアウトカム(成果)を見ながらMVP(実用最小限のプロダクトやサービス)をつくっては直し、途中で調査も忘れずに、つまり実験と検証に基づく学習をチーム全体で回していく終わりのないプロセスのこと。これを実際にどうやって進めていくのかという実例と解説に加えて、新しいことを提案するときに常に立ちはだかる導入の壁をいかに乗り越えるかという話が綴られていました。まぁ、読んですぐできるようになる代物ではないですな。
読了日:05月31日 著者:Jeff Gothelf,Josh Seiden