全国旅行支援いろいろ体験談

2023年04月27日(木) 13:04

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NATIONAL TRAVEL ASSISTANCE PROGRAM
Japanese government has been offering a national travel assistance program to prompt citizens to go on a domestic trip. It aims at supporting and revitalizing tourisum industry which had suffered from the coronavirus pandemic. It's been interesting to experience various systems in various prefectures, and most of them are not user-friendly. The worst experience was the one in Aichi Prefecture so far. It could be a high time to conduct a study how citizens have behaved and reacted through this program, I think.

観光需要喚起策「全国旅行支援」を使って全国各地へ旅行しまくっているのはおそらくバレていると思いますが、行く先々でいただくクーポンの受け取り方や使い方が都道府県ごとにいろいろで結構たいへんなうえに、庶民らしく全額キレイに使い切らなければならない!と毎回あくせくしているという話。

直近でお伺いした愛媛県の場合。

上の写真のような「電子クーポン配布用チケット」というのをチェックイン時に受け取りまして、券面の青色シールを剥がすと現れる二次元コードをスマホで読み取ります(写真[1])。

[1] 1枚分のコード読み取り済 [2] 合算するにはURLコピペ [3] 合算ボタン押し忘れたり

4枚(4,000円分)もらったので、全部のコードを読み取ってから、使うときの利便性を考えて全部を合算するというところがめっちゃ手間。写真[1]の “+別の「えひめぐりデジタルクーポン」残高を合算する” をタップすると写真[2]のように合算したいクーポンのURLを入力するように言われるので、そんなん手入力できるわけないからコピペするのですが、「コレできない人いるだろうな?」とか思いつつ、「できてもめんどくさいわっ!」とかブツブツ言いながら、写真[3]の[合算する]ボタンを一度押し忘れたらしく、しかし、どのウィンドウで押し忘れたのかとかよくわからんくなったり、どれが合算済みで、どれがまだなのかとかもわからんくなったりして、途中で投げ出したくなるとか普通の展開。でも愛媛の場合はアプリのダウンロードを強要されない。何度も使うならアプリのほうが楽だけど、一度きりだと思うとブラウザで良いか……とも思う。

アプリダウンロードを強要されるのは、「大阪いらっしゃいキャンペーン」「千葉とく旅キャンペーン」「しが周遊クーポン」の1府2県で体験した「regionPAY」というヤツです(上の写真)。現在26都府県が採用しているらしいので最大手。初回のアプリダウンロードはたしかに手間だったけれど、何度も使うとわかっていれば許せる範囲。とは言え、regionPAYを採用している都府県をねらって旅先を選ぶとかレアな使い方する人が果たしているだろうか……。それに滋賀では、クーポン残高と他の支払手段を併用することができない!と言われたことが一度あって、それだと「全額分を使い切れない」問題が生じてしまうのだけど、ふり返ってよくよく考えてみると、単にそのときの窓口のおばさんが「併用」のレジさばきをできないだけだったのではないかと疑っています。

それから、これはregionPAYに限りませんが、クーポンを使えるお店を見つけるのが大変なのでなんとかしてほしい。その土地に詳しくない観光客に向かって、住所で検索させるとかってあり得ない。ホテルの名前や最寄り駅は覚えていても、その地が大阪府何区なのかとかって分かるわけないじゃないかー。一応regionPAYは、「近くで使えるお店」を検索できるようにはなってました。

あと、有効期限。旅行客が旅行中に使うことを想定しているのだからチェックアウトの日までが有効期限になるのはわかります。でも「連泊」をした場合、「1泊目のクーポンは明日の23:59:59まで、2泊目のクーポンは明後日の23:59:59までが有効期限なので気をつけてください」と広島のお宿で念を押されたのが印象的。

「やっぱ広島じゃ割クーポン」は紙オンリー(上の写真)で、券面の有効期限をしっかり確認して、期限が近いものからきっちり使っていくべし!とか考えるのがユーザーの仕事。

その点、愛媛県のクーポンは「チェックイン日から8日間」も有効で太っ腹! 旅行者としては、旅行中に使い切る目標は変わらないのだけど笑、時間に追われる感じが薄れて心に余裕ができる。そして「使いきれなかったから来週末も来ちゃおうか?」みたいな展開、おおいに考えられると思うんですよね。近隣県からの観光客だったら。クーポンのそもそものねらいを考えるなら、愛媛県の仕組みに歩があるような気がします。

これまでのところ最悪のエクスペリエンスだったのは、「クーポンは毎日配布」が原則の愛知県でした(上写真)。連泊をする場合も、チェックイン時に2泊分のクーポンを受け取ることができず、「2泊目の分は明日の午前7時以降に配布可能となりますのでフロントまでお越しください」って言われてのけ反ったよね笑。「QRコードを有効化する」という手続きをスタッフが行ってから渡さなければならないという段取りで、スタッフはまったく悪くないし、手間が増えるばかりでかわいそうだと思いつつ、申し訳ないけどイラッとしてヒドイ態度になってしまったかもしれません。ごめんなさい。

そんなわけで、政府主導の支援は国民を国内旅行へガンガンと送り出していて成功しているようにも見えるけれど、いろんなところで軋轢や疲弊も生んでいるので、この機会を教訓にすべく、実際国民はなにをどう考えてどんな行動を取ったのかとか、現在のリテラシーレベルがどのくらいで、どんなことが障壁になったのかなど、いろいろふり返るための調査をしておくと良いと思うんですよねー。アンケートじゃなくて笑。

とりあえず6月30日まで支援がつづくようなので、あと2県くらいは行こうと企んでおります。