2023年3月の読書記録

2023年04月03日(月) 14:46

本&映画の紹介

2月はリアルに短いですが、3月も体感短いですよね。という言い訳。

エネルギー関連調査の予習を兼ねて月初から『DRAWDOWNドローダウン』を読んでいたのだが、読み終わるまで1ヶ月近くかかりまして大変疲れました(でも勉強になる一冊)。ギリギリ2桁になってしまったのはコイツのおかげです。

ギケイキ2: 奈落への飛翔』は1巻に引き続き腹のよじれる面白さで次巻が待ち遠しすぎるが、今月のおすすめは断トツで『少年タイムカプセル』です! 高校生の頃、ニッキの深夜ラジオにどれほど救われたことか。ラジオで喋っていた雰囲気をぼんやり思い出させてくれる対談の書き起こし的な仕上がり。ジャニーさんへのリスペクトや愛がいっぱいで、ヒガシやカッちゃんとの思い出も満載で、とにかく楽しかった。速攻再読してしまいそうになるくらいに楽しかった(けど、我慢してドローダウンを読んだんだ笑)。



読んだ本の数:10
読んだページ数:2619
ナイス数:58

EDNE (エドネ) (MOE BOOKS)EDNE (エドネ) (MOE BOOKS)
姪っ子4号からのクリスマスプレゼント。junaidaのイラストをパラパラと楽しんでいましたが、しっかり腰を据えて読んでみました。なるほど。ぜんぜんわからない笑。ミヒャエル・エンデの『鏡のなかの鏡』へ捧げるオマージュらしいのでそっちを読まないと解読できないんだきっと。junaidaの挿絵に惹かれて買った『ロドリゴ・ラウバインと従者クニルプス』もまだ積読だし、年度末案件が終わったら読むぞー。
読了日:03月01日 著者:junaida

うれしい体験のデザイン UXで笑顔を生み出す38のヒント: Designing Smile Experienceうれしい体験のデザイン UXで笑顔を生み出す38のヒント: Designing Smile Experience
退官記念の展覧会で拝見したときも思いましたが、1989年にIBMから提案した「フューチャーパソコン」の先見の明と当時にしてすでに美しすぎるデザインが最高だと思う。「トランスノート」とか「未来の電子新聞」とか、テクノロジーの進化と生活者の将来のニーズを見越した斬新なデザインが多く、IBMという会社とそこを引っ張ってきた著者のすごさを再確認する読書でした。なにごとも「やってみるんだよ」を合言葉に挑戦し続ける、かつそれを大変そうに見せない飄々とした雰囲気も先生の武器ですね。ちなみに後半、ちょっとタイポ多め笑。
読了日:03月03日 著者:山﨑 和彦

ギケイキ2: 奈落への飛翔ギケイキ2: 奈落への飛翔
「どう考えてもこれが当たり前でしょう、と一点の曇りもなく思うときほど立ち止まって自分の正気を疑うべきなのである」とメタ認知を炸裂させつつ、時おりしくじって飲んだくれたり、女に現を抜かしたりして判断を間違える人間味あふれる義経。梶原景時にはめられて、兄頼朝から恐れられ、疎まれた結果、キャラ変多めの土佐坊正尊と闘ったり、荒れ狂う瀬戸内海を行ったり来たりした挙句に女たちを諦めて、終いには静御前まで手放して、この先どうなっちゃうの?というところで終わり。とりあえず、全国の梶原さんはギケイキ読まないほうが良い笑。
読了日:03月06日 著者:町田 康

やかまし村の子どもたちやかまし村の子どもたち
スウェーデンが誇る作家アストリッド・リンドグレーンのコレクションが装丁を新たに再刊行されていて、イングリッド・ヴァン・ニイマンの表紙や挿絵があまりにもかわいくて勢い買いしてしまった一冊。スウェーデンの貧しいけど豊かな自然の中で子どもたちがやかましくかしましく日々の生活を送る様子が描かれていました。野イチゴの場所は誰にも教えない大切な場所なんだよねー。子どもたちのイタズラは世界共通。そしてクリスマスや誕生日が子どもたちにとって特別な日なのも一緒。あー、スウェーデンのド田舎へいつかまた行きたいよぉ。
読了日:03月07日 著者:アストリッド リンドグレーン

少年タイムカプセル少年タイムカプセル
ニッキの夢は「止まって歌うこと」。ニッキの初舞台は狩人の小学生時代を伝える”実にくだらない”寸劇笑。ヒガシと『ロッキー3』を観に行ったつもりが『ブレードランナー』だったとか、面白すぎる昔話が目白押し。「実家が裕福だと、ハングリーじゃないのは踊りに出るよね」なーんて、ちょいちょいカッちゃんイジりが入るのも楽しい。昔のまんま笑。でも「植草のこと」が締めだったりして、カッちゃんのこと大好きなんやなー。二人でYouTube始めてるとか知らんかった。見よ。ってか、コレもう1回読もう笑。
読了日:03月10日 著者:錦織 一清

がいなもん 松浦武四郎一代がいなもん 松浦武四郎一代
北海道の名付け親…を札幌出身のわたしはなんで知らないの?という恥ずかしい話はさておき、アイヌの人たちを敬い、助け助けられしながら蝦夷地を探査していた若き日の武四郎。伊能忠敬や間宮林蔵は「蝦夷地の海岸線を踏破しただけ」で、武四郎は内陸部まで道なき道を踏み込んで開拓の礎を築いたり、松前藩の悪政とアイヌの苦労を報告したり(しかし無視されるとか最悪)、「北加伊道」などを提案してアイヌ言葉を残そうと尽力したり、スゴイお人でした。改めて、わたしはなぜ知らないの笑。涅槃図を見に、三重県の記念館へ行かなければ!
読了日:03月15日 著者:河治 和香

マーケティングインタビュー100の法則 定性調査のテクニックを掴み、消費者理解の解像度を上げるマーケティングインタビュー100の法則 定性調査のテクニックを掴み、消費者理解の解像度を上げる
マーケティングリサーチの会社がUXブームに乗り、「UXリサーチできます!」と言って仕事を取りに行き、取れちゃってから「行動観察ってなに?」みたいになって困るケースがよくあって、急遽代打で呼ばれるみたいなことがあるのです。なのでマーケティングリサーチ界隈へはまあまあの不信感なのですが、この本は大丈夫。定量調査と定性調査の得意不得意をしっかり踏まえた調査設計と実査をしてきた方が書かれたようです。そして定性調査のクオリティをあげるためのコツがいろいろ紹介されてました。入門書としてなにげに良いかも。
読了日:03月21日 著者:石井 栄造

【Amazon.co.jp 限定】配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉 心に響く和のデザインがつくれる本[完全保存版]【Amazon.co.jp 限定】配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉 心に響く和のデザインがつくれる本[完全保存版]
懲りずに地道に色のお勉強。せめて二十四節気(季節の変化を捉えるための区切り)と七十二候(農作業のための暦)くらいは頭に入れて、色味を合わせてイメージできるようになりたいと思い、本書を参考に水引と組み合わせて手も動かしているのだが、なぜだろう?まったく頭に入らない笑。とは言え、リファレンスとしてはとても頼りになる一冊を手に入れたので、焦らず気長にパラパラしていこう(パラパラしてるだけだから頭に入らないわけだが…)。
読了日:03月24日 著者:桜井 輝子

私たちはどう学んでいるのか: 創発から見る認知の変化私たちはどう学んでいるのか: 創発から見る認知の変化
文科省や学習指導要領に対する物言い。与えられた問題に対峙し、ただひとつの(教師が認める)正解に向かってただ解き続けるだけの学びの無意味さや弊害を突きつけてくる良書です。木村泉先生の実験を引用した「冗長性」と「揺らぎ」の大切さとかなるほど感が強すぎて首もげるかと思った。「ボンクラな意識、働き者の無意識」など言葉選びも痛快だし、ちょいちょい笑えるツッコミも放り込まれていて、むずかしい話なのにスイスイと読める。スイスイと読んだ分、定着はしなかったので再読必須。
読了日:03月27日 著者:鈴木 宏昭

DRAWDOWNドローダウン― 地球温暖化を逆転させる100の方法DRAWDOWNドローダウン― 地球温暖化を逆転させる100の方法
図鑑のような辞典のようなヘビーなコレを3月に読むってアホでした笑。いやしかし勉強になる。ちなみに「ドローダウン」は、地球温暖化との闘いにおいて人類が「勝ち」に転じる時点のことを指していて、そこを目指して為すべきことがデータや試算とともに丁寧に紹介されています。効果第1位は冷媒。冷蔵庫やエアコンに関わっているみなさん、よろしくお願いします。食料廃棄の削減と食生活の見直しは庶民にもできることなのでがんばろう。そしてなにより、女子ががんばれる土壌をつくることは貧富の差を減らすことと合わせて盲点だけど超重要。
読了日:03月29日 著者:ポール・ホーケン