2023年2月の読書記録

2023年03月13日(月) 14:03

本&映画の紹介

2月は短い。という言い訳。

ギリギリ10冊なうえに、小説が3冊も入っていて生ぬるいですが、実はとある翻訳案件を抱えていて、自分が訳した原稿を毎日読んでチェックしなければならず、おかげでふつうの読書が進まない。という言い訳その2。

小説のおすすめは『東京四次元紀行』です。小田嶋さんの小説、もっと読みたかったですね。あと、義経ファンは『ギケイキ: 千年の流転』読んじゃダメです。たぶんイメージ崩れます。楽しく義経の時代をふり返りたい人にはおすすめ。

興味の赴くままにいろいろな本を読んでいますが、『安楽死を遂げた日本人』はとても勉強になりました。スイスへ行けば、すんなり死なせてくれるわけではないんですね(まぁ、あたり前か)。日本で死ぬなら、緩和ケアが妥当か。まだ数十年後の話だとは思いますが。



読んだ本の数:10
読んだページ数:2984
ナイス数:73

安楽死を遂げた日本人安楽死を遂げた日本人
月初が重たい1冊となってしまった。しかしとても勉強になった。安楽死と尊厳死や緩和ケアの違いをまずしっかり把握する必要がある。そして、緩和ケアの中にある「セデーション(鎮静)」という医療措置も知っておくべきだな。死に苦しみがまったく伴わないというのはきっと無理なことなんだ。自分の苦しみ、見送る家族の苦しみ、関わる医療従事者の苦しみ、そうしたことをしっかりと考え抜いた先にやっと安楽死への入り口がある。スイスへ行けば安らかに死ねるわけではない。どこでどんな死に方をするにしろ、そこへたどり着くまでの道のりが大事。
読了日:02月04日 著者:宮下 洋一

東京四次元紀行東京四次元紀行
親友の後を追うように逝ってしまった小田嶋さん。「こういうのならオレにも書けるぞ」と思って実際に書けてしまっているところがスゴイ。東京23区のあちこちで必死に生きる人々の境遇と心模様が散り散りに、しかしなんとなく繋がっている雰囲気で綴られていく短編集でした。ふつうに面白かった。各自の人生におけるハイライトだったり、底辺だったり(底辺多め)が短くギュッと圧縮して語られるのをポンポン読んでいくリズミカルな読書でした。東京のあの辺りか~とかなんとなくイメージしながら読める楽しみもありました。
読了日:02月08日 著者:小田嶋 隆

動機のデザイン 現場の人とデザイナーがいっしょに歩む共創のプロセス動機のデザイン 現場の人とデザイナーがいっしょに歩む共創のプロセス
外部のデザイナーやリサーチャーが一時的あるいは部分的に手伝った結果を受け取って終わらせず、次へつなげ、その先はイテラティブに自分たちで動かしていけるようにするところまでを見据えて当事者たちの「動機」を醸成しながらデザイン活動を進めていくと良いよ!というどっぷり現場からのアドバイスが満載の一冊。著者自身も慎重にくり返し言っているが「動機のデザイン」という表現がやはり最後までモヤモヤするが代案はなし。「デザイン」という文言は外したくないのだろうしな…。
読了日:02月11日 著者:由井真波

土偶を読む図鑑土偶を読む図鑑
「土偶は植物や貝類をかたどっている」という新説を提唱して学術界で少々冷ややかに見られているらしき著者による、手軽なほうのビジュアル版をとあるミュージアムショップで発見して勢い買い。ハート型土偶はオニグルミ、函館で見た中空土偶はクリ、椎塚貝塚で出土した山形土偶はハマグリ…なるほどなるほど~からの、結髪土偶は稲!というところで、は?ってなった笑。確証バイアスと後知恵バイアスにやられていると思われますが、ちょい土偶ブームの我が家的には楽しく読めて満足。最後の所蔵先マップは活用させてもらいますぜ。
読了日:02月13日 著者:竹倉 史人

日本の色のルーツを探して日本の色のルーツを探して
いつかしっかり勉強したいと思いつつ、手頃な本を読むくらいで毎度先送りになる「色」の本。こちらは色の語源や系譜、時代背景、人びとや社会の受け止め方などを色ごとに解説してくれるもので大変勉強になりました(が、頭には入りませんでした笑)。幸福の象徴としての黄色、エコロジーカラーとしての緑、浮世絵の藍からのジャパンブルーなどなど現代の様相だけでなく、庶民は手を出せない色というのがあった時代の様子も教えてくれて興味深いです。ただし、頭には入りませんでした(2回目笑)。
読了日:02月15日 著者:

子どもに学ぶ言葉の認知科学子どもに学ぶ言葉の認知科学
認知科学者が子どもを持つと、四六時中やすみなく話題提供をしてくれる実験体との生活が手に入って飽きないんだろうな…。いやむしろ疲れるか?「語用論」なんて言葉の意味どころか存在も知らない子どもが、まるでそれを踏まえているかのような話術で親に物申すようになるわけですね、自分の主張を押し通すために。面白そうだな~子育て(それ以上に大変なことのほうが多いのだろうけど)。いちばん笑ったのは漢字穴埋めテストのコレ「タオルにしめり(毛)がのこっている」。正解だね笑。
読了日:02月17日 著者:広瀬 友紀

湿地湿地
暗くて寒くて物価も高くて日々の生活を送るだけで大変な国アイスランド。まだ暗いうちからベビーカーを押して散歩をしている若いお母さんたちの姿が印象的だった。日本と比べるとずっと女子の存在感がある国だと思っていたけれど、レイプされて訴えてもゲスな野郎どもになかったことにされることが普通の時代があったとか、そういう社会の暗部を徹底的に教えてくれる物語でした。数世代も遡ればみんな親戚みたいな小さな共同体。家系データベースと疾病記録で全アイスランド人の遺伝子を系統立てて把握できてしまうとか怖いけどスゴイな。
読了日:02月19日 著者:アーナルデュル・インドリダソン

元FBI捜査官が教える「情報を引き出す」方法元FBI捜査官が教える「情報を引き出す」方法
リサーチャーの参考書たり得るか?と思いながら読んだが、ラポールの重要性と作り方のあたりくらいしか参考にならないことが判明。なぜなら著者は、犯罪者やスパイなど真実を語ることを拒む人たちに口を開かせることを狙っていて、そもそも相手を疑ってかかるというスタート地点が大きく違う。リサーチで参考にしたら、むしろ失敗しますことよ。とりあえずMBTIの性格タイプ診断をやってみたら、内向、五感、思考、決断の組み合わせで「努力家」ってことになりました。自分で言うのもなんですが、めっちゃ当たってる。そうです私は努力家です!
読了日:02月20日 著者:ジャック・シェーファー,マーヴィン・カーリンズ

ギケイキ: 千年の流転ギケイキ: 千年の流転
2巻の前に再読。弁慶がお坊ちゃんだということを思い出した。義経と一緒で良い家にタイミング悪く生まれたもんだからいろいろと大変だったと。あと、頼朝は顔がデカイ!のか笑。歴史に名を残した人たちは、イケメン俳優さんたちが演じる姿で上書きされるので勝手に「みんなイケメン」という思い込みになってるがそんなわけないよね。むしろ見目麗しく生まれ上に、幼少時の鞍馬寺でのお勤めや密かな修行で賢く強く育った義経がラッキーケースの例外なのだろう。という話は頼朝と再会してからのことなので2巻序盤の感想でした笑。
読了日:02月24日 著者:町田 康

外食を救うのは誰か外食を救うのは誰か
コロナ禍中は政府からの支援金でむしろうるおっていた飲食店が、いよいよ危うくなっているらしい。中長期的に考えて手を打っておかなかったお店はシンドイだろうね。それにしても外食店1号店は、明暦の大火からの復興を担った作業員さんたちのために現れた「奈良茶飯」のお店なんですってよー。奈良の郷土料理を江戸で売るお店が発祥なのだ。ふーん。奈良スゴイ。参入障壁が低いから価格競争になりがちな業界で、知恵を絞って頑張っているお店も紹介されてます。勉強になりました。美味しい飲食店には、ぜひとも頑張ってほしいです!
読了日:02月26日 著者:鷲尾 龍一