2022年9月の読書記録

2022年10月05日(水) 17:13

本&映画の紹介

9月になって仕事が増えて、読書時間が明らかに減りましたがなんとか2桁達成です。スイデンテラスでの借り読みが効きました。

お勉強本と小説とゆるい本を良い感じのバランスで読めました。『実践 医療現場の行動経済学: すれ違いの解消法』は、医師をはじめとする医療従事者が認知バイアスを知り、現場に取り入れている様子が垣間見えてうれしくなるし、勉強になります。小説のおすすめは『盤上のアルファ』ですね。将棋わからなくても楽しめます。

夏場遊んでばっかりいた分のしわ寄せで、10月と11月の仕事量がマジでハンパないから、とりあえず、つい本屋に寄るのはやめようと思う笑。



読んだ本の数:12
読んだページ数:2930
ナイス数:82

月山月山
スイデンテラスでの借り読み。別名「臥牛山」。臥した牛の北に向けて垂れた山を羽黒山、その背にあたる頂を月山、尻に至って太ももと腹の間の隠所とみられるあたりを湯殿山」と言うらしい。勉強になりました。山間の部落に生きるじさまと、居候する他所者との探り合い。居場所を求めているようでそうでもない、居場所を提供しているようで暗に拒否っている、そんな2人の人間のやり取りを通じて、俗な人間の暗部が随所で仄めかされる。信仰に対する疑問も呈されていてかなり深い。そうか、こういう物語が芥川賞を取るのだな……。
読了日:09月04日 著者:森 敦

きれいなシワの作り方~淑女の思春期病きれいなシワの作り方~淑女の思春期病
スイデンテラスでの借り読み。30代半ば(だった頃の)著者が30代半ばだからこそ感じる重かったりくだらなかったりするアレコレをかなり面白く綴ってくれてます。今日50歳になった正真正銘のオバさんなわたしは「30半ばでそんなこと言ってたら、50になる頃はもう死ぬしかなくなるぞ!」とかなり何度もつっこんだ。「鎌倉山は…丘ですね」みたいな手厳しいツッコミをサラッと言ってくれる店員さんやお友達に恵まれる人のようで、きっと突っ込まれやすい体質というか、見た目?の子なんだろうなぁ。幸せでいて欲しいなぁって思いました。
読了日:09月05日 著者:村田 沙耶香

キツネ潰し 誰も覚えていない、奇妙で残酷で間抜けなスポーツキツネ潰し 誰も覚えていない、奇妙で残酷で間抜けなスポーツ
”これらのスポーツが廃れていった理由は(中略)おおむね「残酷」「危険」「ばかばかしい」の3つに分類できる”と出だしで軽くひと笑いしてから読み始めたが、人間の残酷さ加減が想像を絶していて途中なんども顔を気持ち悪くなってしまった。唯一「競技トランペット」というのはちょっと文化的で復活を検討する余地があってもなくても良い(どっちよ笑)。動物たちにさんざんヒドイことをしたり、させたりしてきた人間が、絶滅危惧種を復活させるべきかどうか云々という書を並行して読んでいて、なんだかなぁ~と思ったとさ。
読了日:09月08日 著者:エドワード・ブルック=ヒッチング

盤上のアルファ盤上のアルファ
2022年のノルマ本18/26冊目。塩田武士さんの書く物語はいろいろだなぁー。これまで読んだ4冊すべて毛色がちがう。こちらは文化部の将棋担当へと左遷された記者とアマチュア棋士が悪女の掌の上で転がされる物語(ちがう笑)。超真面目にてっぺんを目指す男のロマンの話なのに、“丸坊主無精髭と角刈りサングラスの抱擁は(中略)その場にいる全ての人たちに「気持ち悪い」という感情を生み出した”みたいなシーンとセリフが散りばめられていて、不思議と笑えるのだった。将棋わからなくてもかなり楽しめる。塩田武士祭りやっても良いな…。
読了日:09月10日 著者:塩田 武士

絶滅動物は甦らせるべきか?絶滅動物は甦らせるべきか?
『自然って何だろうか』からの抜粋5冊目。「絶滅を覆す=ディ・エクスティンクション」の取り組みの是非と可能性を探る書。実際には絶滅動物を甦らせることは不可能で「絶滅種によく似た新種」を生み出すことにならざるを得ず、そうしてまた絶滅させることになったらどうなの?とか、甦った新種は「絶滅危惧種」として保護の対象になるの?とかが侃々諤々議論されているらしい。が、ディ・エクスティンクションに向けている「能力とエネルギーのすべてを別の種類の生態系回復に向けてほしい」というハラウェイさんの主張に力いっぱい同意して読了。
読了日:09月13日 著者:ブリット・レイ

グレタの真実――3週間で世界を変えた少女の素顔グレタの真実――3週間で世界を変えた少女の素顔
この写真の迫力に負けて、つい買ってしまった笑。撮ったのはフリーのジャーナリストでこの本の著者のアンダシュ・ヘルベリ。2018年の夏の終わり、グレタがスウェーデン国会議事堂の前で「気候のための学校ストライキ」を始めてからの3週間を追いかけた記録。ちょっと今さら感はあるし、むしろ最近の彼女の活動を知りたいとも思ったけれど、当時15歳だった彼女の「険しくない表情」もたくさん収録されていてちょっと安心した。活動家としての時間も大事だけど、ひとりの少女としての時間も大事にしてほしいとオバさんは思うのだった。
読了日:09月15日 著者:アンダシュ・ヘルベリ

授乳授乳
2022年のノルマ本19/26冊目。著者のゆるいエッセイ集からの流れでデビュー作のコレ。テーマは「女性性」ですかね…。家庭教師を弄ぶ娘とゴミ箱から拾ったレタスを旦那に食わせる母。ぬいぐるみに依存して生きる少女たち。正男お姉ちゃんとの秘密の日々を回想しながら要二との妄想時間にのめり込んでいく女子大生。登場人物たちは全員狂っていた笑。「自分はここまで狂っていないから大丈夫」と信じたい自分と「程度問題なだけで自分もどこか狂ってるんだろうな…」と開き直る自分がいました。と、自覚したところでなにも変わらんわけだが。
読了日:09月18日 著者:村田 沙耶香

ノンデザイナーでもわかる UX+理論で作るWebデザインノンデザイナーでもわかる UX+理論で作るWebデザイン
Webサイトをつくる人たちがしっかり理論を踏まえていて、人間を理解するためのに調査を経てからつくり、世に出す前に評価をして検証してくれていれば「え○ねっと」みたいな罠だらけのサイトやサービスが現れるわけがないんだ。でも、世の中そうなっていないからこういう本が必要なんだ。それにしても日本人が書くと事例も日本語のサイトになるから遥かにわかりやすくなるな…なんて思いながら読みつつ、仮説が仮設とタイポされているのを発見して悲しくなるなど笑。自分にもWebデザインできそうな気分になりました(=気のせい)。
読了日:09月22日 著者:川合 俊輔,大本 あかね

実践 医療現場の行動経済学: すれ違いの解消法実践 医療現場の行動経済学: すれ違いの解消法
医療現場で、人間の認知特性を知り、診療に役立てていこうという動きが活発化していることの証左となる一冊。医療従事者に手指衛生を遵守させるには認知的不協和を理解する必要があると、そこの説明がわかりやすくてシビレた。選択的注意の進化版「非注意性盲目」の研究事例とか直近のセミナーでそのまま紹介できそうで嬉しい。医療現場に限らず、行政の取り組みもたくさん紹介されているのでぜひ多くの人に読んでもらって、みんなで認知科学を勉強して、社会全体で許し合い助け合いながら幸せを目指す枠組みを作りたいですね!
読了日:09月25日 著者:大竹 文雄,平井 啓

スマホの中身も「遺品」です-デジタル相続入門スマホの中身も「遺品」です-デジタル相続入門
遺族としてデジタル遺品に頭を悩ますというよりも、自分たちがなんの準備もなく不慮の事故とかで夫婦いっぺんに死んだら大変なことになるぞ!ということがよくわかりました。見られて困るようなものはないし、どうしても残したいというものもないのだけど(なら良いじゃねーか笑)。サービス提供側や行政がこれから急いで法を整備し、対応する枠組みを作ってくれるのだろうけど、その前にうまいことビジネス化したらおもしろくて役立つサービスになりそうな予感(はするけど自分ではやらない)。とりあえず急死しないようにがんばる。
読了日:09月28日 著者:古田 雄介

100 Tricks to Appear Smart In Meetings100 Tricks to Appear Smart In Meetings
再読。前回は日本語版のほうに感想を書いてしまったらしい。二度目でもかなり笑える。100個にするために似たような話がけっこうある気がしなくもないけど、それでも笑えたから良しとしよう。そろそろオンラインミーティングバージョンが出ているのではないかと思い探してみたら、「男性優位社会で女子が男子を傷つけないように配慮しながらのし上がる方法」みたいなのが出てますね。おじさん達が幅を利かしていて女子が苦労しているのは日本社会だけではないということか。買ってみるとしよう笑。
読了日:09月28日 著者:Sarah Cooper

ライオンのプライド 探偵になるクマ: 集まると楽しくなる英語の集合名詞えほんライオンのプライド 探偵になるクマ: 集まると楽しくなる英語の集合名詞えほん
日本語でも「ウサギは一羽、二羽と数える」みたいな、最近では「匹」になりつつあるらしいけど、生き物の数え方はむずかしいし、語源が曖昧だったりして覚えるの大変ですよね。英語の集合名詞も正直知らないものだらけでした。ネイティブにはほど遠いことを実感。しかも、もうオバさんなのでぜんぜん頭に入らない。英語勉強中の姪っ子にプレゼントすることにします。
読了日:09月30日 著者:前田 まゆみ