2022年8月の読書記録

2022年09月14日(水) 15:11

本&映画の紹介

夏休みが終わり、仕事が忙しくなってきてしまった……。それでもなんとか2桁達成。

お勉強本が多めになってしまったので小説1冊しか読めなかったのはすこし痛い。でも塩田武士さんの一冊『氷の仮面』は「性同一性障害」に苦しむ主人公の心理描写がとても勉強になりました。インクルーシブデザインも勉強中なのでね。『目の見えない人は世界をどう見ているのか』もかなりおすすめ。

それにしても、毎月こんなに読んでるのに積読本が増える一方なのはなんでなんだぜ?



読んだ本の数:11
読んだページ数:3082
ナイス数:105

UXライティングの教科書 ユーザーの心をひきつけるマイクロコピーの書き方UXライティングの教科書 ユーザーの心をひきつけるマイクロコピーの書き方
「UXなんちゃら」というのの新しいヤツ笑とか言っちゃうと怒られるかもしれないけれど、ユーザビリティとアクセシビリティに配慮してテクニカルライティングしましょう!とずーっと言われていたことを「UXライティング」という新語で括り、事例とともに紹介することで「おぉ~、新しい領域になっている!」という感じ。著者がイスラエルの人というのがいちばん新しいかも。紹介される事例もアメリカに偏っていなくて興味深いです。DXが進めばUXライターを求む会社も増えそうで、「言葉」にフォーカスした仕事をしたい人には狙い目かも。
読了日:08月02日 著者:

ものの見方が変わる 座右の寓話ものの見方が変わる 座右の寓話
思いのほか時間のかかる本でした。ひとつひとつは短いし、解釈もいく通りか紹介されていて分かりやすいし「ふむふむ」言いながら楽しく読めるのだけれど、77個も蘊蓄と含蓄が連なると「こんなん考えながら生きてたら苦しいわっ」てなった笑。全部取りを目指さず、特に心に響いた数編を座右に据えることにして、時おり読み返してみたりするのが良いかもしれない。わたしの場合は「京の蛙と大阪の蛙」や「馬と蟻の知恵」あたりからかな。
読了日:08月05日 著者:戸田 智弘

トリノトリビア 鳥類学者がこっそり教える 野鳥のひみつトリノトリビア 鳥類学者がこっそり教える 野鳥のひみつ
沖縄に行ったら、ハイビスカスの花の横にメジロが開けた穴があるかどうか見てみようっと。ブラックバードに似た嘴が黄色いあの鳥はムクドリだったのかー。しかもウルサイっつって嫌われているようだ。カワイイけどな。鳥の観察ってむずかしいですよね。チョロチョロ動いてぜんぜんじっとしていてくれないし、口の中とか水の中とか見えないし。おまけに渡りもするとなるとぜんぜん追いかけられない。そんな鳥たちの生態を熱心に観察研究してくれている人たちがまとめてくれた愉快な本でした。4コマ漫画もカワイイから、紙で書い直そうかな……。
読了日:08月07日 著者:川上 和人,マツダ ユカ,三上 かつら,川嶋 隆義

世界のなかで自分の役割を見つけること――最高のアートを描くための仕事の流儀世界のなかで自分の役割を見つけること――最高のアートを描くための仕事の流儀
岡本太郎美術館で開催中の企画展「小松美羽展 岡本太郎に挑む―霊性とマンダラ」の売店で購入。岡本太郎に挑むほどにまでなった彼女のこれまでの生い立ちや想い、通過点としての今とそれを支える仲間たちとの出会いなどが綴られていました。あたり前だけど苦労がなかったはずはなく、「美しすぎる銅版画家」としてメディアの注目を浴びた後、自分の原点とも言える「四十九日」の原版を切断してお別れをするとかいう勇気がスゴイ。3年毎になにか「達成」すると決めて取り組む3年周期は見事なセルフコントロール。すべての達成を追いかけたい。
読了日:08月08日 著者:小松 美羽

世界2.0 メタバースの歩き方と創り方世界2.0 メタバースの歩き方と創り方
「メタバースとは“神”の民主化だ」のあたりではまだ他人事だと思ってましたが、それは「仮想空間にもうひとつの生態系をつくること」という説明あたりから前のめりに。メタバースを知らないままだと老後の生活水準がもしやかなり底くなってしまうのかもしれない。メタバースも生活圏とするかどうかで老後の住まいのあり方や必要となるお金も違ってきそう。メタバースで仕事したり、お金を設けたりするつもりは微塵もないけれど、生きていくために必要になる……のか? とりあえず、読後の勢いでMeta Quest2を買いました笑。
読了日:08月13日 著者:佐藤 航陽

菜の辞典菜の辞典
とあるホテルでの借り読み。著者が日本人なので、日本で馴染みの深い野菜が登場するから助かる。聞き覚えのないものはひとつだけだった。すべての野菜について、その名の由来や特徴、使い方、栄養を効率よく取るための調理法、買い物の時の見極め方などを簡潔に書いてくれていて、へぇ〜とか、ほぉ〜とか言いながら読んでしまって連れに嫌な顔をされるなど笑。もう少し野菜の多い食事を心がけようと思いました。とりあえず「和え物」の導入からかな。野菜モリモリ食べることにします。
読了日:08月14日 著者:長井 史枝

目の見えない人は世界をどう見ているのか目の見えない人は世界をどう見ているのか
「障がい者」は読み上げソフトによっては「さわるがいしゃ」と誤読されてしまうことがあるとか!マジかっ。「他人の目で物を見る」ことの難しさを突きつけられたし、見えない人の頭の中を垣間見させてもらったし、ソーシャル・ビューという新しい美術鑑賞の持つ可能性の大きさに愕然としたし、「鮭弁」の演習なんてそっくりそのまま拝借したい!とか思ってます。「大岡山はやっぱり山」って目から鱗が落ちました。見えているから、見ているつもりになっていて、実は見えてないことがたくさんあることを自覚しないとなりません。勉強になりました。
読了日:08月17日 著者:伊藤 亜紗

思い込みで誤った情報を選択しないための必須教養 認知バイアス見るだけノート思い込みで誤った情報を選択しないための必須教養 認知バイアス見るだけノート
認知バイアスの本、次々と出てきますね。そしてつい買ってしまう。さすがにほとんど知ってるけれど、ウェイソンの「4枚カード課題」が示す認知バイアスの名前を教えてもらえたのは収穫だった。あと「自己中心性バイアス」の別名も。ほとんどイラストなのでサクッと読めます。「見るだけノート」とはうまい命名。デカイし、紙もかたいし、持び運びには向きません。デスクに常備してわかった気になってしまいそうな本でしたが、導入としては悪くないかな。もうすこしきちんと学びたいなら『認知バイアス事典』のほうがおすすめ。
読了日:08月22日 著者:

メタバース未来戦略 現実と仮想世界が融け合うビジネスの羅針盤メタバース未来戦略 現実と仮想世界が融け合うビジネスの羅針盤
メタバース勉強本2冊目。現状はフェーズ1に過ぎないとは言え、そこを牽引している企業の中に日本企業が一社もいないのはまぁ分かっていたけど、しかし先行するメタバースのビジネス事例の中ではサンリオ、日産、JR東日本などの取り組みが紹介されていて、そしてそれらを知らなかったことを知り焦るなど。仕事には直接関係しないと思い込んでいたが、「アバターを介したコミュニケーションが自己開示のハードルを下げる」って納得感しかない。ユーザー調査の現場はそう遠くない将来メタバースに移行しそう。
読了日:08月24日 著者:久保田 瞬,石村尚也

百花帖 ―もっと知りたい 近づきたい 100の花たち。百花帖 ―もっと知りたい 近づきたい 100の花たち。
ポピーって春の花だったのか…。山でよく見かけるあれは天南星という名前だったんだ。パクチーの和名は「胡菜」と書いて「コエンドロ」と読むらしい。茗荷は野菜としか思っていなかったけれど、わたし達が食べているのはその蕾で、育つと白いお花が咲くんですって。「水引」という名の花があるとか知らなかったし……ってな感じでへぇ~の連続。花を愛で、季節を感じながら、こうして優雅に活けられるようになりたいけど、花器って場所を食うんだよなー。代わりにこの本をパラパラと眺めることにしよう。
読了日:08月27日 著者:雨宮ゆか

氷の仮面氷の仮面
2022年のノルマ本17/26冊目。『罪の声』の印象のまま、それ以外の情報ゼロで読み始めたらまったく毛色が違いました。「性同一性障害」なんて言葉が認知されるずっと以前にそれを抱えて生まれ、生きにくさに耐え、父親に絶縁宣言されても生き抜いて、最後には初恋の人にギュッとしてもらい、彼にとっても初恋の人で、ファーストキスの相手だったと告白されて最高のハッピーエンドだった。誰もが素直に自由に、そんなに頑張らずに生きていける世の中になると良いですね。Gの方々の気持ちがとても勉強になりました。
読了日:08月29日 著者:塩田 武士