2022年6月の読書記録

2022年07月04日(月) 12:13

本&映画の紹介

2022年も半年が過ぎました。今年のノルマ26冊のうちの14冊目にあたる『三体III 死神永生 下』を読了し、半年でしっかり半分以上をクリアしました。順調です。そうして、三体祭りが終わりました。2ヶ月で一気読み。楽しかったぁー。でも、Ⅲになって小説にあるまじきタイポが多くてすこしガツカリしました。校閲さんも急かされて仕事が雑になったのだろうか?

「インクルーシブデザイン」や「ウェブアクセシビリティ」についての勉強読書が多めなのはちょいと事情がありまして。他にオススメあったら教えてほしいです。わたしのオススメは『デザインと障害が出会うとき』かな。



読んだ本の数:13
読んだページ数:3824
ナイス数:106

Google流 ダイバーシティ&インクルージョン インクルーシブな製品開発のための方法と実践Google流 ダイバーシティ&インクルージョン インクルーシブな製品開発のための方法と実践
「すべての人のためにつくるのは難しい」というのがこれまでの考え方だったと思う。だからまずペルソナをつくり、そのペルソナを頭に置いてものづくりを進めてきた。それが今、「誰一人取り残さない社会」の実現を目指し、あらゆるものづくりの現場で「すべての人のためにつくる」を前提としたマインドセットとプロセスづくりにシフトしようとしている。その旗振り役を担っているのがGoogleなんだなーってことを教えてくれる良書でした。まずは職場のダイバーシティ実現からのようです。日本の会社が苦手とするところ笑。
読了日:06月02日 著者:アニー・ジャン=バティスト

Inclusive Design for a Digital World: Designing with Accessibility in Mind (Design Thinking)Inclusive Design for a Digital World: Designing with Accessibility in Mind (Design Thinking)
「インクルーシブ・デザイン」の波はこれからどんどん高くなると思う。で、勝手な思い込みでLGBTQ+あたりの話題も登場すると想像してたけど、Webアクセシビリティがっつりの本でした。タイトルの日本語訳はなかなか悩ましいかもね…と思ったりなんかして。本文ではケーススタディも交えてわかりやすく解説されていることに加えて、附録の情報量がスゴイ。どういう課題にどう対処すればアクセシビリティOKになるかを具体的に示してくれている良い参考書です。あと、調査や評価の大切さにも触れているところに親近感。
読了日:06月03日 著者:Regine M.Gilbert

図解でわかる 14歳からのLGBTQ+図解でわかる 14歳からのLGBTQ+
用語の定義をいつでもサクッと確認できるようにしておきたくて、あえて「14歳からの」を選択。多様性を受け入れて……とよく言うけれど、「受け入れる」という表現自体が上からというか、多数派の歪んだ目線であって、あーでも、ちょっとした言葉づかい一つ一つに目を光らせたり、神経を尖らせたりしなければならない社会って結局みんなにとって窮屈になりそうだよな……とか思う自分もいて。みんなが楽に生きていける社会を実現するために、やはりまずは知識を増やすことだと、そういう観点でこういう内容を子どもたちに教えてあげてほしい。
読了日:06月06日 著者:社会応援ネットワーク

三体III 死神永生 上三体III 死神永生 上
2022年のノルマ本13/26冊目。とてつもないスケールとスピード感でここまできた気分だったけど、Ⅲになってのさらなる広がりと加速に面食らいました。脳だけ三体世界へ飛ばされた彼の再登場をワクワクしながら待っていたら、上巻のラストでやっと。まさか笑顔で再会できる日が来ようとは(来るに決まってるとわかってたけど笑)。ルオ・ジーがまたしても良い仕事をしちゃって最後まで死ねない人だなきっと。それにしても、直面した地球の危機に生死をかけて抗った人たちに対する庶民の掌返しの連続が切ない。
読了日:06月08日 著者:劉 慈欣

佐藤可士和の打ち合わせ 佐藤可士和の打ち合わせ
「打ち合わせの回数は少ないほうがいい」と、まったくもってそのとおり。「アイデア」ではなくたくさんの「イメージ」を持ち寄り、ブレインストーミングをする場こそが打ち合わせ。共有や伝達が目的の打ち合わせは不要。事前の準備も大事だけどやりすぎず、その場で感じることも大事にする。相手を気遣い、ビジネスマナーを守る。そんな小さなことも意外と大事。いつぞやどこかのセミナーで喋ったことが、すっきりわかりやすくまとまってました。知名度のある人が語ると説得力が増しますね笑。
読了日:06月09日 著者:佐藤 可士和

北の200万都市 生らサッポロ 豪雪メガシティの挑戦北の200万都市 生らサッポロ 豪雪メガシティの挑戦
ガンバってる雰囲気を醸し出すタイトルにひかれて読んでみたけど、総じて「これから頑張ろう!」な内容だった笑。このまま札幌にいたらダメだ!と思って上京したのが二十数年前(はるか昔だ笑)。それから変わった面はたくさんあるようだけど、東京の10年遅れくらいでぎりぎり時代についていってる感じは変わってない。なんか、常に遅いし、中途半端な成功体験に酔いがちだと思うぞ>札幌。そういう意味では、新幹線の次は2030年のオリパラみたいに、ちょっと先のデカイ目標を用意したほうが動かしやすいのかもしれん。お尻を叩く感じで。
読了日:06月12日 著者:

デザインと障害が出会うとき デザインと障害が出会うとき
インクルーシブデザインについての勉強読書。インダストリアルデザイン中心だったので狙いとは違ったけれど、とても参考になった。デザインの文化と医用工学の文化が協業しようとするときに生まれる緊張関係を逆手に取り、それをきっかけとする思考と試行を促そうとする著者の挑戦が丁寧な翻訳で綴られていました。「誰のためにデザインする」のかを理解するところから始まるUCDやUXデザインがインクルーシブを考えるときにまずぶつかるであろう壁が見えてきた気がする。むずかしいな……。でも避けられない路線。前半だけでも近々要再読。
読了日:06月15日 著者:Graham Pullin

三体III 死神永生 下三体III 死神永生 下
2022年のノルマ本14/26冊目。出だしはファンタジーですこし緩んだ。でもティエンミンが命がけで紡いだ物語には地球と人類が生き延びるためのヒントが山盛りなので油断禁物。すったもんだの末に地球を三体世界から守ってくれた<万有引力>と<藍色空間>のその後はどうなったっけ?と薄らぼんやり思いはじめていたところにグァン・イーファン登場!そしてチェン・シンと2人、1980万年後にまでぶっ飛ぶ運命を背負わされるとは、イーファンそんな重要キャラだったか?とかどうでも良いところを気にしながらも三体祭り終焉。楽しかった。
読了日:06月19日 著者:劉 慈欣

グリーン・ジャイアント 脱炭素ビジネスが世界経済を動かすグリーン・ジャイアント 脱炭素ビジネスが世界経済を動かす
『自然って何だろうか』からの抜粋3冊目。野田政権が生み出した「太陽光バブル」は大手電力会社に再生エネルギーへのシフトを足踏みさせるだけの失策だった。本書で期待の星として紹介されていた再エネベンチャー「レノバ」は結局三菱商事の圧倒的安価に太刀打ちできなかった(最近のニュースより)。日本政府は老朽化した原発を再稼働することを暗に促し続けている。おかげでゲイツ率いる次世代原発のような議論は俎上にすら乗らない。ということで、政府がこのままなら日本がカーボンニュートラルを実現するのはほぼ無理のようです。
読了日:06月20日 著者:森川 潤

失敗から学ぶマーケティング ~売れないモノには理由がある失敗から学ぶマーケティング ~売れないモノには理由がある
AIDMAの現代版 DAGMAR理論(U&E)、イノベーター理論、クープマンの目標値、プロダクトコーン理論、Lて山スラッシュ理論にDCCM理論と、マーケターなら頭に入っているであろう(Lてなんちゃらは別格かもしれない)蘊蓄を門外漢の読者にもわかるように丁寧に解説しつつ、事例でさらに補強してくれていてわかりやすい。事例も失敗例と成功例が両方あるので納得しやすい。確実なのは、自分がマーケティングの勉強ぜんぜんしてこなかったという事実笑。広告も日頃あまり意識できてなかったなー。思い出せるものが少なすぎた。
読了日:06月23日 著者:森 行生

ten to senの模様づくりten to senの模様づくり
渋谷の古書店で見つけてなんとなく購入。小樽在住テキスタイルデザイナーさんの本。北海道の気候と植生はスウェーデンとそっくりなので、こうしてデザインも似てくるんだな。やっぱり素敵だな。moriでカーテンつくりたいなー。ミシンないけど笑。moriの刺繍布でつくったトートバッグとかほしいなー。買っちゃおうかなー。端切れを買ってきてコースターとかつくれるようになりたいなー。ミシンないけど(2回め)。スウェーデンにいる間に端切れ集めとかすれば良かったという後悔いっぱいの読後感。
読了日:06月26日 著者:岡理恵子

ライト,ついてますか: 問題発見の人間学ライト,ついてますか: 問題発見の人間学
「ちょっと思い出させてやる方がごちゃごちゃいうより有効なのだ」という教訓へ繋がる「ライト、ついてますか」の話は含蓄ありすぎてタイトルになるだけあるわ。「人々は、くれといったものを出してやるまでは何がほしかったか知らぬものである」はフォードの言葉にも通じる問題定義に関する教訓第1番。「キミ自身が外国人や盲人や子供になってみよう」はインクルーシブデザインの先駆けと言っても良いくらいじゃないかー。しかも「漁師の妻の物語」はちょうど別の本にも登場したところ。20年ぶりくらいの再読はなにかとタイムリーだった。
読了日:06月28日 著者:ドナルド・C・ゴース,G.M.ワインバーグ

メタ認知-あなたの頭はもっとよくなるメタ認知-あなたの頭はもっとよくなる
『メタ認知』と直球タイトルの本が新書として出ることが画期的。背景には、新学習指導要領に「メタ認知」という言葉が記されるようになったことがある。新書だけあって「メタ認知」知らずで生きてきた人にもわかりやすく書かれているし、特に後半、メタ認知を育むための方略に関する研究や演習の枠組みなんかも紹介されていて大変参考になる。とりあえずざっくり読んだので、次はメタ認知を働かせながら再読して、自分のフィールドへの活用方法を探ることにしよう。
読了日:06月30日 著者:三宮 真智子