真鶴 町歩きツアー

2022年07月14日(木) 14:04

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GUIDED TOUR OF MANAZURU
The small inn in Manazuru, organized and served by a publisher, forces guests to join a walking tour to learn about the town. It started with a lecture with some textbooks, and it was a full of learning about the history, and how the town and its dwellers have been trying to keep the taste of the town. It was a good learning and an exercise to walk around a hilly town. It could be nice to live in such a hilly town to enjoy the view, but I have to live together with cats, that is a problem.

真鶴駅から徒歩で約5分。「背戸道」と呼ばれるこの細い路地を入ったところに「泊まれる出版社」こと「真鶴出版」はあります。

真鶴出版へ続く背戸道
真鶴出版に到着

お茶と嬉野を楽しむ小冊子『うれしいお茶』の刊行記念イベント開催中とあって、土曜午後の店内は溢れんばかりの人で面食らいました。いきなりめちゃくちゃ場違いな空間に飛び込んでしまったような恐怖感笑。入り口で立ち尽くしているわたしに気づいたお店の方が奥へと案内してくれまして、ちょっとだけ休憩してから「町歩きツアー」に参加しました。

「普通に来ただけではわからない真鶴の魅力や町民の紹介をする」ことを目的に、宿泊客にこの「町歩きツアー」への参加をほぼ強制するのが真鶴出版の特徴のひとつです。これが嫌な人は来ちゃダメな宿。

真鶴町を知るためのガイドブックたち

いきなり外へ出ることを想像していましたが、レクチャーから始まりました笑。写真は教本の数々。

国がリゾートマンションやリゾートホテルの建設を各地に推奨していた頃、町の景観を守るために奮闘していた町長が一時期行方不明になる事件があったとか、今だから笑って話せる怖い話なども挟んでくれる楽しいレクチャーでした。その後、条例としてまとめられた「美の基準」について勉強した後に町歩きをすると「たしかにこの家の色は浮いてる」とか「小松石(地元で取れる石材)がこんなところにも使われてる!」とか、なるほど感が高い。

小松石でつくられた石塀の一部
町のコミュニティスペースにも小松石がふんだんに使われていました

「背戸道」と呼ばれる路地と真鶴港へと続く斜面を行き来するための階段が複雑に入り混じった町は、重機や消防車などの大型車の出入りをむずかしくするというか、ほぼ不可能な場所も多く、消防法的に新築を建てられないため、結果として古民家が数多く残っています。しかし、親から子へ家屋が引き継がれるときに「美の基準」へあまり配慮してもらえない……みたいな悩みもあるようです。強制力がないというか、役場にも強制してまでという強い気持ちがないというか、「ある程度、守っていけたら良いよね~」くらいのゆるさが、逆にコミュニティを持続可能なものにしているのかもしれません……などと、部外者は思ったりしました。

町に唯一残る井戸の冷たいお水で手を洗った後、階段や坂道をモリモリ登ったり降りたり、また登ったりして、真鶴湾を見下ろす高台に到着。

高台から真鶴港を見下ろす景色。残念な曇天

坂の多い港町。古民家を買ってリノベーションして……という展開を考えなくもないのだけれど、とりあえず猫が多いので真鶴は選択肢から外れました。でもなー、美味しいお魚が穫れる港が近ければ猫いるよなー。真鶴じゃなくてもいるよなー。