2022年5月の読書記録
2022年06月02日(木) 12:18
本&映画の紹介「なんてことだ! 宇宙空間がジブリだらけになっちゃった……」とつぶやいたわたしに「デブリね」と冷静にツッコんでくる旦那。そういうわけで、5月のひと月で『三体』『三体Ⅱ 黒暗森林 上』『三体II 黒暗森林 下』まで一気読み。Ⅰがいちばんシンドイという話は本当だった。このままノンストップでⅢへいきます。
4月に読んだ『自然って何だろうか』を契機に地球の環境問題に絡む難しい読書シリーズがはじまったり、仕事の予習でアクセシビリティまわりの勉強読書をしていたり、総じてボリュームのある本が中心になったため、久々のぎりぎり2桁でした。でもページ数はまあまあよ。
『LISTEN』は、社会人必読の書と言って良い内容です。500ページもあるけど大丈夫。文字デカイから。
読んだ本の数:11
読んだページ数:3497
ナイス数:160
地球の論点 ―― 現実的な環境主義者のマニフェスト
『自然って何だろうか』からの抜粋1冊目。日本語訳出版はタイミングが悪すぎたとしか言いようがないが、10年以上経って“原子力発電に絡む4つの問題は「デザイン」が握っている”なる記述があることに驚きを隠せない。都市も原子力も遺伝子工学も「グリーン」で「クリーン」で人類が地球温暖化に対峙するための強力な武器になり得る。と、本書にかんたんに影響を受けてしまうのもアレですが、「主張は変えて良いし、手に入る情報やデータにより変わって然るべき」と考えるのが妥当で、著者のメッセージも実はここにある気がした。
読了日:05月01日 著者:スチュアート ブランド
間取りのお手本
家を建てる予定はまったくないのだけど、夢はある。玄関脇の土間収納、そことキッチンとの間にパントリー、そして寝室とつながるWICは必須。書庫もつくりたい。リビング上部を吹き抜けにするか、それとも中庭をつくるか、これはどちらか選ばなければならなそう。縁側つきの平屋がお好みだけど、それには土地がいるからやはり2階建てか。と妄想をかき立ててくれる本でした。そろそろ老後の住み処をどこにするか考え始めないとなー。結局マンション暮らしをやめられないような気もしてるけど笑。
読了日:05月05日 著者:コラボハウス一級建築士事務所
三体
2022年のノルマ本10/26冊目。各所からのおすすめにもかかわらず長らく積読していた『三体』祭りのスタート。『星を継ぐもの』へのオマージュが…と聞いていたのに宇宙なかなか出てこなくて折れそうになった。物理の話もわからんし、中国人の名前は覚えられないし、智子はつい「ともこ」って読んじゃうし笑、それでもどこかワクワクしながらページを捲ってこられたのは「Ⅰがいちばんしんどい」という旦那の言葉を信じてのこと。ということで、(たぶん)虫けらたちが奮闘する次巻へ。
読了日:05月08日 著者:劉 慈欣
日本列島の「でこぼこ」風景を読む
スウェーデンから日本に戻ってきて「山が見える景色」に癒やされることが多く、ちいさな山に登るようになったこともあっての衝動買い。“山とは侵食を受けて失われつつある地形”という考え方をしたことがなかったので目から鱗おちました。風雪氷河に毎日すこしずつ削られて形を変える山。富士山だって、いつかわたし達の知っている富士山ではなくなるんだなー。“人が美しいと感じる「自然」の風景がつくられるときには、人間にとって不快な現象が伴うこともある”ことを忘れちゃならない。なにげに『自然って何だろうか』からの流れチョイスだった。
読了日:05月12日 著者:鈴木 毅彦
「自然」という幻想: 多自然ガーデニングによる新しい自然保護
『自然って何だろうか』からの抜粋2冊目。「手つかずの自然」なんてものはほぼないと考えるべきだとする根拠を丁寧にさらっていきながら、結局は日々の暮らしの背景にあるちょっとした自然にこそ目を向けるべきだと人類に迫る、読む人によっては“挑戦的な内容”に映るであろう新しい自然保護論。『地球の論点』と同様、「主張は変えて良い」というメッセージも込められている。生態学者や生物学者という生業の人たちが拠り所とする「主張」を変えるのは難しいというか不可能な気もするが、それを乗り越えてがんばっている人たちも紹介されてます。
読了日:05月18日 著者:エマ・マリス
三体Ⅱ 黒暗森林 上
2022年のノルマ本11/26冊目。蟻塚の前での会話を覚えておかないと!と思ったけど、回想のくだりで一言一句くり返されるから覚えておく必要なかった(もちろん忘れてたけど笑)。4人目の面壁者として発表されたルオ・ジーが動き出すまでが長い。そしてダーシーは、相変わらず硬派に良い仕事をしてくれた。ルオ・ジーを殺すために開発されたウイルスの話とか、4世紀後という遠い未来の闘いに備えるための気持ちづくりの難しさとか、今の世相に通じるものがあって震えた。主要人物ほとんど冬眠しちゃったな、それにしても。
読了日:05月22日 著者:劉 慈欣
都市美 創刊第1号
無用之選書7/7冊目。名古屋造形大学の新学長が責任編集する都市と芸術、コミュニティに建築、大学や文化と、つまりわたし達が暮らす空間のあり方に対する多面的な再考を促す書。名古屋には、頼もしい学長が率いる素敵キャンパスの大学があるんですねー。うらやましい。評価の物差しが「便利さ追求」ひとつしかないのは本当に問題だと思うし、ユーザビリティ屋としてはそういう展開の一端を担ってしまったという反省もある。でもとりあえず、横須賀くんを見に行きたい。ということで。
読了日:05月24日 著者:山本 理顕,大澤 真幸,木村 草太,小熊 英二,武田 徹,島薗 進,廣村 正彰,西倉 潔,蜂屋 景二,玉田 誠,布野 修司,谷尾(布野) 晶子,髙橋 伸行,田井 幹夫,陣内 秀信,北山 恒,ジョン・ムーア,広井 良典
2022年得する新法則 最強のクレジットカード&ポイ活
仕事の予習を兼ねて読んでみたらふつうに勉強になりました。とりあえずJREカードは作ろう笑。ウェル活なる言葉があるとは知らなかった。フィンテックのトレンドは「ペイロール」「法改正」「BaaS」の3つ。なるほどー。大手の小売企業やネット企業がキャッシュレスに本腰を入れてる背景がざっくりわかりました。BNPL(後払い決済)なんて個人的にはまったく興味ないけど若い子たちにはクレカより安心なんですね。お金まわりの勉強をもうすこしがんばらないと、ついていけてないってこともわかりましたとさ。
読了日:05月26日 著者:
LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる
質的にも量的にも厚みのある本です。でも、文字数は少ないので興味のある人ならサクッと1日で(たぶん)読めます。社会生活を営む以上は「聞く」ことを避けられず、であれば受動的に「聞く」ことに終始するよりも能動的に「聴く」ことができるようになるのが生活の質を上げるには有用だと。どんな職業であれ、良い仕事をしている人は共通して聴く力を持っているという事例をたくさん示してくれます。伝説のモデレーター、ナオミ・ヘンダーソンも出てくるよ(知らんかったけど笑)。うわさ話にも効果があるとか、新たな発見もチラホラ。
読了日:05月28日 著者:ケイト・マーフィ
三体II 黒暗森林 下
2022年のノルマ本12/26冊目。上巻からどれだけ時間が飛ぶのだろうか?とワクワクして読み始めたらたった8年でのけ反った笑。面壁者が次々と破滅。丁先生は一瞬で溶けちゃうし、人類の宇宙艦も「水滴」でほぼ全滅。その前にジャン・ベイハイ率いる自然選択号を反逆逃亡させて次巻へ繋げるのかと思いきやほどなく彼も宇宙の塵に。そのあたりからの物語の加速がすごかった。人類がルオ・ジーに寄せた期待と落胆は、わかるけど、切ない。人って図々しいな…。それでも最後まで闘い続けたルオ・ジーがもたらすまさかのハッピーエンドでした。
読了日:05月30日 著者:劉 慈欣
デザイニングWebアクセシビリティ – アクセシブルな設計やコンテンツ制作のアプローチ
きっちりユーザビリティを考えて作れば、たいがいはアクセシブルになる。けど、アクセシビリティも念頭に置いておかないと、どうしても多数派ユーザー寄りの見方になってしまうという危険性を再確認しました。アクセシビリティやインクルーシブデザインに絡む調査案件の問い合わせが増えてきているので勉強です。まずはスクリーンリーダーでWebを読む人たちの存在と目線と苦労を頭の片隅に常駐させることが必要だぞと。
読了日:05月31日 著者:太田良典,伊原力也