2022年3月の読書記録

2022年04月05日(火) 12:34

本&映画の紹介

年度末だというのに、バッチリ2桁達成です。「年度末の予算消化案件をわたしのところに持ってくるんじゃない!」という心の声を文字にして周知したおかげで、程よい仕事量の年度末となりましてイイ感じ。このくらい「仕事を選べる」状態をキープするのが今年の目標です。

さて読書。『星を継ぐもの三部作』の残り『ガニメデの優しい巨人』と『巨人たちの星』を読み終えまして、その勢いで続編へ行きたい気持ちを抑えつつ、流れで『三体』に行くべきか、もうすこし緩い物語で休憩するべきか悩み中。

お仕事関係では『観察力の鍛え方 一流のクリエイターは世界をどう見ているのか』がさらっと読めるし、認知の話の復習にもなるしオススメです。『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』は、これまでどおりのペースであくせく仕事を続ける必要はないのではないか?と立ち止まって考えるためのきっかけをくれました。うん。仕事は続けるけど、無理しない。やりたくない仕事は断る!ってことに決まりました。よろしくどうぞ。



読んだ本の数:15
読んだページ数:3858
ナイス数:82

面白すぎる!日本史の授業: 超現代語訳×最新歴史研究で学びなおす面白すぎる!日本史の授業: 超現代語訳×最新歴史研究で学びなおす
仕事で忙しくしているときにふと本屋に立ち寄るとついこの手の本を買ってしまう癖あり笑。歴史嫌いさんには「鼓膜が怯えるほど初耳な両統迭立」とか言われてマジで鼓膜がブルった。ふりがななかったら読めもしない笑。馬鹿笑いの合間に「北条早雲って知ってる?」とか脈絡もなく聞かれる旦那も大変である。楽しく読了して、改めて「北条早雲って誰だっけ?」とか思うくらいに頭に入っていない。歴史ダメなの、苦手なの。とりあえず、鎌倉幕府成立がイイクニでもなければイイハコでもないというくらいは覚えよう。
読了日:03月01日 著者:河合敦,房野史典

ラッピングペーパーラッピングペーパー
無用之選書4/7冊目。写真集なので読んだうちに入らないけど、記録は残したいので登録。わたしももうすこし上手に写真を撮れるようになりたいなー。こうやってテーマを決めて、日常の何気ない風景を切り取っていく心と時間の余裕がほしい。気に入った写真は本から切り離して壁に飾ったり、包装紙として使ったりしてくださいな…という意味での「ラッピングペーパー」だそうです。そんな写真の楽しみ方があっても良いかもしれません。
読了日:03月03日 著者:奥川純一

観察力の鍛え方 一流のクリエイターは世界をどう見ているのか観察力の鍛え方 一流のクリエイターは世界をどう見ているのか
確証バイアスにご用心!という話を、セミナーではいつも強めにするのだけど、「編集者としての成功は強い確証バイアスのおかげ」と言える著者には強いメタ認知もあって、だからこういう本も書けるのだ。つまり観察がメタ認知を鍛えることになるって話な気がする。p139からの3ページに自分の認知バイアスを意識し、メタ認知を高めるための「自問自答のし方」がまとめられていてすごく参考になります。「あいまいの4象限」という捉え方もわかりやすい。けど、まだ深められそう。自分なりにもうすこし解釈を深めたいので近日再読決定しました。
読了日:03月05日 著者:佐渡島庸平

ガニメデの優しい巨人ガニメデの優しい巨人
2022年のノルマ本6/26冊目。異星人と出会い、地球に迎え入れ、互いに多くを学びあった末にお別れするまでの物語。「ルナリアンは皆、脳障害を持っていたのですか?」とは、驚異的な働きを見せる人工知能ゾラックが「戦争」とはなんぞや?を理解していく過程で発した問い。ドンパチをおっ始めた彼の国のトップに聞かせてやりたい。「他者の役に立ちたいという欲求がガニメアン社会では金銭欲に代わる動機づけである」とか、最近マイブームの「利他」の話と通じてしびれました。でも、生みの親が彼らだったとは!という衝撃的なラスト……。
読了日:03月12日 著者:ジェイムズ・P・ホーガン

DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルールDIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール
子どもの頃からの貯蓄好き。若い頃はある程度の額が貯まったら留学や旅行に費やして、思い返せば「若さ」があるからできたと思しき体験の数々を買うことも忘れなかった。仕事が軌道にのり、苦労なく貯蓄ができるようになってからは、貯めると使うを並行して進めてる。つまり、わたしはまあまあの優等生ってことで笑。何歳まで生きるかわからないから…と言いながら今もモリモリ貯金を続けてますが、そろそろ資産の取り崩しを考え始めても良い頃合いなのかぁ。とりあえず、何歳まで生きることになりそうかを教えてくれるアプリの導入決定ってことで。
読了日:03月13日 著者:ビル・パーキンス

世界の樹木をめぐる80の物語世界の樹木をめぐる80の物語
古来より人間がいかに木々に助けられてきたかを教えてくれる良書。生存の危機に瀕した状態にある木々も少なくなく、その原因の多くを作ったのも人間だということを思い知らせてくれる。生き残るために最適な状態を自ら創造してきた植物たちが、今後も生き続けられるように人間は気を配らなければならない。というか、せめて邪魔はするまい。ヤギがアルガンノキに登っている様子、モロッコで見逃しちゃったな笑。街を紫色に染めるジャカランダの木を見にアルゼンチンへ行きたいなー。コルクガシを守るために、コルク栓のワインを飲むようにしよう。
読了日:03月14日 著者:ジョナサン ドローリ

絵物語 古事記絵物語 古事記
淡路島への旅行を前に国生み神話の復習。わたし達が暮らす大地の生みの親がイザナキとイザナミ。最初に生まれたのが淡路島。黄泉の国から戻って禊をしたイザナキの左目から生まれでたのが高天の原を治めることになるアマテラス、鼻から生まれでたのが後にヤマタノオロチを退治することになるスサノオ。スサノオの子孫で兄弟にいじめられまくっていたのがオオナムヂ。黄泉の国からスサノオの娘を連れ帰り、オオクニヌシと名乗って葦原の中つ国を治める。その国を返せと言い出したアマテラス。最後に出した使いの者がタケミカヅチで、コイツが強い。策略めぐらすも惨敗して、オオクニヌシいよいよギブアップ。アマテラスの息子オシホミミがその息子ホノニニギに任を譲ると言い出す。孫かわいさにアマテラスも快諾。でも心配なのでと三種の神器、つまり八咫鏡(やたのかがみ)、草薙剣(くさなぎのつるぎ)、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)を授ける。中つ国に降りてから出会った山の神の娘を嫁にもらうホノニニギだが、くっついてきたブサイクな小姑を送り返して山の神の怒りを買う。以来、その子孫は短命になる。ってことで、ざっくり予習終了。淡路島、冒頭にしか出てこなかった笑。
読了日:03月16日 著者:富安 陽子

ケの美: あたりまえの日常に、宿るものケの美: あたりまえの日常に、宿るもの
ゼロ・ウェイストを追求する町、徳島県は上勝町の宿にて借り読み。ハレの日ではなくて、その対局にある「ケ」の美について、クリエイターとして生きる人たちが日々をふり返り、選んだ日用品を紹介しながら、想いを綴る連作エッセイのような佇まい。わたしの日常をさりげなく彩り続けてくれているモノがあるだろうか?と自問しながら読みました。上京する時に母が持たせてくれた木ベラとか、旅に出る時に必ず使う頂き物の風呂敷とかかなぁ。帰って、身の回りを見直してみたい。日常をこそ大事にしていこう。
読了日:03月19日 著者:佐藤 卓

ひとりよがりのものさしひとりよがりのものさし
ゼロ・ウェイストを追求する町、徳島県は上勝町の宿にて借り読み。骨董屋さんを営むご主人が、素朴に素直に誰がなんと言おうと良いと思う品々を紹介してくれます。なるほどそれは良いかもねと思うものだったり、いやそれは家族としてはごみでしょうと思うものだったり、いろいろです。読んで明らかに影響を受けて、くるくるショップへお宝を探しに行ってみたけどなにも見つからなかった笑。アンティークの範疇にあるモノがなかったのか、はたまたこちらの目が足りないのかわかりませんが、お宝探しはたぶんわたしには合ってないってことで。
読了日:03月20日 著者:坂田 和実

コロナの時代の僕らコロナの時代の僕ら
ゼロ・ウェイストを追求する町、徳島県は上勝町の宿にて借り読み。2020年の春、中国から飛び火(という表現が正しいかはさておき)してイタリアでコロナ禍がスタートしてまもない頃に出版されたものの翻訳。「すべてが終わった時、本当に僕たちは以前とまったく同じ世界を再現したいのだろうか」という言葉が刺さる。まさかその後2年経ってもまだコロナ禍が継続しているとは思ってなかったよね。そろそろこの先を考えていきたい。考えさせて欲しい。そのためのヒントが満載でした。
読了日:03月20日 著者:パオロ・ジョルダーノ,Paolo Giordano

巨人たちの星巨人たちの星
2022年のノルマ本7/26冊目。ゾラックですでに驚異的な人工知能だったのに、超頭脳ヴィザー登場で度肝を抜かれる。最近戦争をおっ始めた彼の国のおじさん、もしかしたらブローヒリオが地球に送り込んだジェヴレン人の工作員なんでないの?とか妄想しつつ、宇宙人との頭脳戦に決して引けを取らないハントがまだ39歳という設定にビビる(かなりどうでも良いところ笑)。そして悪い巨人たちは5万年前、まだミネルヴァが存在する時代に追い払われ、そして宇宙の歴史が繰り返される。という美しすぎる着地。
読了日:03月23日 著者:ジェイムズ・P・ホーガン

つづくをつくるつづくをつくる
ドリフのコントで志村けんや加藤茶がかぶっていた白い粉、龍角散なんですってよ!ふつうに小麦粉とかを想像していたけれど、舞台に立つ演者たちの喉に優しい龍角散だったとは驚き。そんな雑学(と呼んで良いものか笑)も手に入る一冊でした。とことんこだわって作り抜いた最初の想いと製品に自信を持って、時代に寄り添いつつも迎合せず、売り続けるための努力も惜しまず怠けない。共通するのはそういう姿勢のようです。とりあえず、HALの無水鍋、買っちゃおうかなー。
読了日:03月25日 著者:ナガオカケンメイ

たのしごとデザイン論 完全版 すべてのクリエイターが幸福に仕事をするための50+未来の方法論。たのしごとデザイン論 完全版 すべてのクリエイターが幸福に仕事をするための50+未来の方法論。
「良いアイデアは(中略)必要な材料のインプットがあってこそ」「(指示を出すときは)必ず理由とともに伝える癖をつけましょう」「提示された与件の理由を突き止め、先方の反応を確認」するのが最初の仕事、労働を売るのではなく「デザインという価値を売っている」と考え方を切り替えて、「お金に含まれない価値」も加味して仕事を受けるべきかどうか(あと見積も笑)を考えるべし……と、デザイナーに限らず一人前の社会人としてしっかり稼げるようになるための知恵と工夫と心構えが大きな字でわかりやすく列挙されてました。
読了日:03月27日 著者:カイシ トモヤ

いのちをむすぶいのちをむすぶ
無用之選書5/7冊目。救いを求めてやってくる人たちのための居場所「森のイスキア」をつくり、そこで毎日を大切に生きたおばあちゃんが残してくれたなにげない言葉の数々でした。若い頃は闘病生活が長く、大変な苦労をされたらしい。しかし、晩年の言葉の中にそれを感じさせるものはなく、生きていること、毎日食べられていることにあたり前に感謝して、森の中で豊かに過ごされていた様子。コンビニのおにぎりではなく、誰かが握ってくれたおにぎりを食べたいなぁって、久しぶりに思いました。
読了日:03月29日 著者:佐藤 初女

パリの日本人パリの日本人
無用之選書6/7冊目。明治から昭和初期にかけて、フランス留学を果たした人たちの記録。時勢的に相応の身分だったり生まれだったりする人たちばかり。彼の地で交流する相手も上流社交界に生きる煌びやかな人たちがほとんどで、あまり羨ましいとも思わないという笑。東久邇宮様が「画家のモネを介して知り合ったクレマンソー元首相」から、アメリカに外交でうまいこと戦争をふっかけるようにし向けられるけど絶対に負けるから堪えろ!と的確すぎるアドバイスをもらってたとか、面白い話が山盛りでした。
読了日:03月31日 著者:鹿島 茂