2022年1月の読書記録

2022年02月03日(木) 17:04

本&映画の紹介

年明け早々に松本本箱へ行けたおかげで、楽勝の2桁スタートとなりました。

松本十二か月』や『ダンス・イン・ザ・ファーム 周防大島で坊主と農家と他いろいろ』のように、思い切って地方へ移住して、日々のアレコレを綴った本を出したい……。今がチャンスと思うのだが、旦那が勤め人の間は無理かな…………。それにしても、山口出身の旦那も周防大島には行ったことがないなんて、どうなのそれ? まーわたしも、北海道出身だけど利尻島にも礼文島にも奥尻島にも行ったことないから同じか笑。

反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」』と『思いがけず利他』を続けて読んで、心がすこし軽くなった気がしています。頑張りすぎずに、毎日を大切に過ごそうと思えるようになりました。

小説は、今年は電子書籍の積ん読を片付けることをノルマにしていまして、それに取りかかり始めましたが、いきなりテッド・チャンの『あなたの人生の物語』を選んだのは失敗だった。すーんごく疲れました笑。

年度末で仕事が忙しいけど、読書しながらいろいろ考える時間は大切な休憩時間でもあるので、毎月2桁の目標継続で今年もたくさん読みます!



読んだ本の数:14
読んだページ数:3427
ナイス数:78

反応しない練習  あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」
新年のスタートに最高でした。慢(自分の価値にこだわる心)、妄想(相手や自分に対する期待)、欲に発する執着などに対してつい反応する前に、まずは自分のそうした心の内をしっかり理解することが第一歩。つい反応せずに済むように「心の半分を前に、もう半分を後ろに使う」という方法論はユーザー調査で「メタ認知」を働かせるときの方法論にも繋がりそう。調査(仕事)でやっていることを日常生活にも取り入れればもっと自由に穏やかに生きていけるようになるのかもしれないぞ。つい反応してしまう相手とは距離を置く。これも大事。
読了日:01月03日 著者:草薙龍瞬

旅のない旅のない
無用之選書1/7冊目。未読の作家さんとの出会いをもたらしてくれました。帰る場所があってこその「旅」なんですよね。そんな表題作よりも『ボーイズ』が良かったです。「子供はやってこなかった」という想いには共感マックスでして、その前後の葛藤には身に覚えがありすぎて、「そしてうちにはボーイズもやってこなかった」とか思って楽しくコレを読めている自分は十分に幸せだなぁと思った。コロナ禍が現在進行形ではなく、過去のこととして描かれる物語に出会う日が待ち遠しいな。
読了日:01月04日 著者:上田 岳弘

焼き餃子と名画座: わたしの東京 味歩き焼き餃子と名画座: わたしの東京 味歩き
無用之選書2/7冊目。就寝前、ベッドで横になりながら読んでいたらお腹が鳴ってしまった笑。食に対する好みはそれぞれなので、勧められているものが必ずしも自分の口に合うとは限らない。こうした本やテレビで紹介された店は行列のできる店になっちゃうし。そしてこの本に限っては、著者のテリトリー(荻窪を起点とする感じ)と我が家のそれ(横須賀線沿線)が被らないのでどの店もアクセスが悪い。とか言いつつ、燕楽(新橋)でとんかつ、您好(幡ヶ谷)で水餃子、龍水楼(小川町)で羊のしゃぶしゃぶは食べたいぞ。
読了日:01月06日 著者:平松 洋子

ババアはツラいよ! 55歳からの「人生エベレスト期」サバイバルBOOKババアはツラいよ! 55歳からの「人生エベレスト期」サバイバルBOOK
松本へ向かう途中で衝動買いして、道中に一気読み。「ABBA」って「アドバンスト・ババア」の略だったのか(違う)。辛い話も明るく書いてくれているので楽しく読めるけど、あと5年強でこんな感じになるのか…と思うとため息も出る。あと、この人たちまあまあお金持っている人たちだから、庶民の参考になるところとならないところがあるよね。それも踏まえて、「客観的に今の自分の状況を眺めてみる」べし!みたいな的を射た指摘もあって、まったくの無駄ではないが、暇つぶしレベルでした。まぁ、構えず気楽に行こうってことで。
読了日:01月06日 著者:地曳 いく子,槇村 さとる

松本十二か月松本十二か月
松本本箱の客室にて借り読み。町を散策していて見かけた三九郎から始まったので親近感わきまくり。松本だるまにあめ市と続いて、1月の松本についてはかなりわかっちゃった気分です。夏にはたくさんのベリーが摘めて、秋にはりんごとキノコに彩られる……というのは、まるでスウェーデンではありませんか! 違いは、周囲を囲む山々。でも、冷え込むところはやっぱり一緒。美しい湖がたくさんあるのも似てるな。スウェーデンが恋しくなったら、松本へ来れば良いらしいぞ。
読了日:01月08日 著者:伊藤 まさこ

100年後あなたもわたしもいない日に100年後あなたもわたしもいない日に
松本本箱の客室にあって、縁を感じてしまった。なら買えよ!という感じだけど笑、詩とか短歌とかは苦手なのだ。学校教育の弊害だと思う。意味を、作者が込めた想いを行間から読まなければならないと勝手に思ってしまう。感じるままに受け止めれば良いと、頭ではわかっているのにね。で、改めてどの歌が一番刺さったかな〜と、パラパラした結果、「友達の定義について 話す午後 ゆっくり君が 友達になる」かな…って。久しぶりにあって、友達の定義について語り合いたい友の顔が浮かんだよ。ありがとう、土門さん。
読了日:01月08日 著者:土門蘭,寺田マユミ

スヌーピーの大好きって手をつないで歩くことスヌーピーの大好きって手をつないで歩くこと
松本本箱の客室にて借り読み。スヌーピーの翻訳って、谷川俊太郎さんだったんですね。知らなかった。「大好きってくすぐっちゃうこと」「大好きって軽く勝てると知ってて負けてあげること」「大好きって自分のお金で誰かにプレゼントを買っちゃうこと」「大好きって電話でのおしゃべり」「大好きっていろんな考えをおもしろがること」うんうん、そうそう。ところどころにアメリカっぽさが垣間見えるけど、根っこのところは万国共通。そう思わせてくれる締め。良い構成でしたー。もちろん訳も。
読了日:01月09日 著者:チャールズ・M・シュルツ

ファンベースなひとたち ファンと共に歩んだ企業10の成功ストーリーファンベースなひとたち ファンと共に歩んだ企業10の成功ストーリー
松本本箱の客室にて借り読み。もしや選書された本ではなく、オーナーが「ファンベースなひと」の一人として登場するからの配本なのではないか?とちょいと疑う(本箱にも売り物としてしっかり選書されてました。言いがかり。気をつけよう)。でも、里山十帖の事例のみファンベースとはちょっと違う気もするってのは感じた。が、掴みの読売巨人軍、締め直前のイケウチオーガニックとスープストックトーキョーの事例は学びの宝庫。著者の一人が言うように(聞き方としてはザ・誘導なのでダメだけど笑)社員自身がファンになるところが大事で、その入口を作れるかどうかが肝ですよね。あと今後は、社会価値(未来価値)を示せるかどうかですな。
読了日:01月09日 著者:佐藤尚之,津田匡保

弓を引く人弓を引く人
松本本箱にて借り読み。弓はとても難しかった。仲間に対する敬意が足りなかった。明確な意図を持てていなかった。複雑に考えるあまり集中できていなかった。心が乱れていた。愛が足りなかった。動きが本能的なものになるまでの稽古をしなかった。一瞬一瞬を大切にしていなかった。そしてなにより、続けなかった。代わりに、本当に情熱を注げるものを見つけ、弓と同じように取り組むべし。という教えの書。深い……。
読了日:01月09日 著者:パウロ・コエーリョ

あなたの人生の物語あなたの人生の物語
2022年のノルマ本1/25冊目。ヤハウェとの対話を夢見る人間の努力が実を結ばない結末にしばし呆然とする出だし。新薬の実験体が行き着く先は崩壊でした。ゼロの話は数学わからなすぎてお手上げ笑。表題作はとっつきやすそうな素振りからの難解な話。物理やめてー。そして命名師と名辞の物語へ。時代背景を未来とするか過去とするべきかで迷う。そうこうしているうちに天使降臨。それはハリケーンじゃないの?とか思いつつ、宗教絡みが意外にも理解しやすい。テクノロジーが差別問題を亡き者にできるかどうかという問いかけの物語で終わり。かなりがんばって読了。
読了日:01月17日 著者:テッド チャン

ダンス・イン・ザ・ファーム 周防大島で坊主と農家と他いろいろダンス・イン・ザ・ファーム 周防大島で坊主と農家と他いろいろ
津波警報が日本列島の太平洋側を覆っている地図を見て、やっぱり瀬戸内海は穏やかで良さそうだな…とか思いながら読んでいたら、独の貨物船が橋を壊して逃げる事件勃発。島は断水という悲劇に見舞われたってな展開で、やはり島暮らしはなんかあると大変!と、他人の生活を覗き見ながら一喜一憂する読書でした。田舎に引っ込みたい気持ちたくさんあるのだけど、読んでわかるとおり、住民が少なくなればなおさら社会性が必要で、行政の仕事や選挙の仕組みも見え過ぎるくらいになりストレスレベル上がりそう。でも周防大島は行ってみたい。
読了日:01月18日 著者:中村明珍

追憶のかけら追憶のかけら
物語の中で別の物語をたっぷり読まされるという(しかも旧字体)慣れない展開で、それを読破するまでが第一部というか、難所。しかも著者は自殺してしまうのでいろいろ「謎」のままに終わって歯がゆい。その謎をお人好しの主人公が追う羽目になる後半は、仕掛けと運に押し流されるように次々明らかとなる事実に驚きながら、しかし何度もひっくり返されるので、主人公と同じくらい「もう誰も信じられない」状態。涙が溢れるラストを信じて良いのかどうかも一瞬疑ってしまうくらい人間不信に陥る読書でした。貫井徳郎祭りはこれでしばしお休み。
読了日:01月23日 著者:貫井 徳郎

思いがけず利他思いがけず利他
ミシマ社が続く。意図せず仏教も続く。肩に重たく乗っかっていたモノというか、頭の中に居座っていた想いというかがすぅ~っと解き放たれるような読後感です。ひと様のためにと気張る必要なんかなくて、自分の弱さを受け止めて、自分の意思や力が及ばないことをこそあたりまえと捉え、日々の偶然に感謝して、毎日を精いっぱいに生きていれば、思いがけず利他的なふるまいもできるようになるのかもしれない。そこを目指すのではなく、思いがけず。そこが大事。秀逸なタイトルでありました。
読了日:01月26日 著者:中島岳志

ビジネスデザインのための行動経済学ノート バイアスとナッジでユーザーの心理と行動をデザインするビジネスデザインのための行動経済学ノート バイアスとナッジでユーザーの心理と行動をデザインする
ユーザーリサーチの文脈で参考になることも書いてあるかな~と期待して読んでみましたが、しっかりデザイナー向けの本でした。ユーザーリサーチをすることは随所で推奨していますが、そのときに認知バイアスを気にしてどうこういう話は少ない。人の認知バイアスを悪用してはならん!という注意がちょいちょい出てきて、まともなデザイナーさんであることがわかる。そして、巻末の参考文献リストがかなり良い。ユーザーのことを理解してからものづくりしたいよねっていう人は読んでおいて損はないと思います。
読了日:01月31日 著者:中島 亮太郎