ビジュアル思考のススメ

2021年10月05日(火) 11:55

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WAY TO VISUAL THINKING!
I have known the author for a long time. We once had a business trip together to conduct a user research in London. At a debrief, she wrote what she understood and didn't, which facilitated the discussion further and deeper. It could have been the first step to this complete book of visual thinking. Visualization doesn't equal to picture drawing, it means externalization of thinking. If you (and I) don't feel comfortable at drawing, you can use texts, of course. I created the summary of my speech with a combination of 2 methods introduced in the book.

献本いただきました。ずいぶんと前だけど……。

著者とは、わたしがユーザー調査の仕事をするようになった頃からのながーいお付き合いです。

7年前、著者と一緒にイギリス出張しました。学校を訪問してとある調査をする仕事だったのですが、関係者が集まって行うふり返りで、彼女が自分の気づいたことや確認したいことを模造紙にガンガン書き出すってのをやっていました。彼女の理解が曖昧な部分がみるみる顕になり、その場で確認をはさみ、レポーティングの構想を練っていく様子を目の当たりにして、「この人とは頭の使い方が違うんだなぁ……」と思ったことがぼんやりと蘇ってきました。あのときすでに、この『ビジュアル思考大全』へと続く積み重ねが始まっていたのかもしれません。

ところで、「ビジュアル」という言葉から「絵」を連想してしまっている人はいないでしょうか? なにを隠そうわたしも、この本のタイトルを見たときに「あー、お絵描きのススメか……関係ないな」と思ってしまっていました。そうして思考停止すると、この本の価値を読み誤ります。「ビジュアル思考」は「外化しながら考える」ということであって「お絵描きしながら考える」ではありません。外化の形は絵に限らないから。文字だってひとつの外化の形なわけで、本書の中に “絵にしにくければ「文字」で書けば良いんだよ” と言ってくれている部分があって「ハッ!」としました。わたしがお絵描き嫌いなのを知っている著者が、まるでわたしに向かって囁いてくれているような気すらしました笑。

ふんふん言いながら読むだけでは彼女の想いを受け止めたことにならない気がしたので、9月末に自ら実施したセミナーの要約を「スピーチサマリー」と「お皿グラレコ」の合体版でつくってみました。

似顔絵は旦那に描いてもらったんだけど、最初「どこのオッサンだよっ!」みたいな絵にされて笑、ダメ出しして、何度かのチャレンジの後の最終版は無難すぎる絵になってしまいましたとさ。

ユーザー調査の結果を分析するときに「テーブルクロス」や「役割ドーナツ」を使ってみたり、ビジネスインタビューのときに「360度探索」をしてみたり、わたしの仕事に活かせそうな手法もあるから使ってみよっかなーと思ってます。すこしで良いから絵も入れられるようになりたいね。いつの日か。