2021年6月の読書記録
2021年07月02日(金) 14:43
本&映画の紹介6月はお勉強本が多め。セミナー用のスライドを作りながら復習したり、追加で勉強したりして、すこしずつ仕事モードが戻ってきた感じです。
わたしと似た感じの仕事をしている方には『情報を正しく選択するための認知バイアス事典』がオススメ。近ごろ「認知バイアス」流行ってますね。続々と刊行されてます。中でもこれは教科書としてすごくわかりやすくまとまっています。
そして、天狼院書店の店長さんにオススメいただいた『ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考』は職種に関係なく、働くすべての人が読むべき1冊かもしれません。読めば、いろいろなことが腑に落ちます。
小説は『愚行録』に期待していましたが、デビュー作『慟哭』には劣った印象。それよりも『果しなき流れの果に』がすごかった。自分の想像力が大したことなかったと思い知らせてくれる果てしなさ加減が半端ない物語でした。
読んだ本の数:12
読んだページ数:3291
ナイス数:164
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人間の記憶の仕組みをしっかり説明できるようになるための復習。本棚にあったので既読のはずですが、新鮮な学びが多かった。つまり一度読んだだけでは記憶に定着するところまではいきにくい難しい本ということになる。いや、わたしの記憶力のほうに問題がある可能性も捨てられない笑。小説などからも事例を引用していて個人的にはとても楽しめたけれど、記憶力テストはいまいちやる気にならなかった。記憶力がいまいちだという決定打を受け取る勇気がないのか、実験設計に納得がいかないのか。とりあえずマーカーつけたところを再復習しよう。
読了日:06月01日 著者:アルベルト オリヴェリオ
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アル中の自己チェックテストをやってみました。重篤問題飲酒群でした……。ってか、これをやってみようと思う時点でアウトなんだろうな笑。教養とは「学歴のことではなく、一人で時間をつぶせる技術のことである」とはうまいこと言う。老後、時間を持て余すようになったときにその「教養」がなければ酒浸り一直線の危険性があるので気をつけよう。病院のお風呂で出会ったヤクザとの対話が面白すぎた。たしかにヤクザは病気になったらあかん。池田さんが夜勤のときに綾瀬少年が亡くなるという切なすぎる展開から、まさかのハッピーエンド。
読了日:06月03日 著者:中島 らも
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スウェーデン人にとって何より大切な「LAGOM」について、日本でどう紹介されているのかを探るべく読んでみました。英国人である著者がスウェーデンへ移住して感じた戸惑いや生活を通じて得た学びが幅広く紹介されています。私からすると新たな学びは少なかった。それに、これだけ読んでLAGOMの本質が日本人に伝わるとも思えない。北欧幻想は強まりそうだけど。表紙にある“私にとって、ちょうどいい”が実に的を射たLAGOMの説明なのだけど、本文でそこがあまり強調されていないのが残念です。説明するのが難しいのはわかるけども。
読了日:06月06日 著者:ニキ ブラントマーク
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大学の授業で使うことが想定されているせいか、構成も内容もかなりわかりやすい。人間の認知バイアスにつけ込んで悪用することではなく、つけ込まれて騙されたり、誤った意思決定をしたりしないようにするための知恵の書として編まれているので、人生を豊かにするための教養書として社会人にも勧めやすい。最終的に物を言うのはメタ認知である…とは書いていないけど、そう読ませる終わり方になっているところにも共感しまくり。認知バイアスを勉強するなら、まずコレと言える一冊が見つかりました。
読了日:06月09日 著者:情報文化研究所,山﨑 紗紀子,宮代 こずゑ,菊池 由希子
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「個体として生き残り、種が繁栄するために行動する」という生命原則に則って生きるが故に我々は、いつか死ななければならないし、感情に流されがちになるし、目の前の事象に翻弄されやすい。それを踏まえて時間的視野を広げ、他者視点を意識し、正しく利他を捉え、科学的人間として対象を見られるようになろう。客観的な情報に頼るばかりでなく主観で行動できるようにもならないとならない。「点」ではなく「線」で考えよう。生まれてくるお子さんとともに生きる未来をしっかり見据えて、人類はまだまだ頑張れる!と鼓舞する著者が頼もしい。
読了日:06月11日 著者:高橋祥子
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『ニッポンの文学』からの抜粋6冊目。ものすごいSFなんだろうな…くらいの予備知識で読み始めたら恐竜スタートでいきなりよくわからん笑。現代を舞台にしている間にも読解に苦しむ場面が目白押しで、そうこうしている間に時間も空間もぶっ飛んで果てしないところまで行ってしまった。これまで「未来」という言葉で想像していた範囲があまりにもちっぽけだったことを知る読書となりました。未来を知ったら、過去を変えたくなるのかもしれないですね。そして人類は同じ過ちを繰り返すだけなのかもしれないけれど……。
読了日:06月13日 著者:小松 左京
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とある本屋による選書4/6冊目。ターシャおばあちゃんのお庭はアメリカはバーモント州です。勝手にイギリスのコッツウォルズあたりを想像していました笑。庭で咲いている花を摘んできて花瓶から溢れんばかりに生け、家中をお花でいっぱいにできるなんて羨ましすぎる。あちこちで草花が芽吹いて春の到来を知らせてくれるお庭、良いですよねー。そんな庭のある生活を知ってしまったので、日本でのマンション暮らしにどうやって緑を取り入れるかお悩み中です。
読了日:06月14日 著者:ターシャ テューダー
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スウェーデンとあたり前だけどかなり似てる。ただし、翌日の仕事までに11時間開けることや週に1度は35時間の休憩を取ることが法律で決められているなど細かな法規制には違いがある。コーヒー休憩も契約に含まれるとか笑。夏期休暇の日数はスウェーデンのほうが長いかな。いちばんの共通点は、何においてもあくせくしないことと、他国(特に日本)が羨むほど「自分たちが世界一」とは思っていないこと。どこの国にも良い面と悪い面があって、相性もある。日本が見習えるところと見習うべきではないところを分けて議論しないとですね。
読了日:06月20日 著者:堀内 都喜子
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宮村さんの話、長いなーと思ったんだ。「引っかかるのは、死んだ人を悪く言うこと」と言いながら止まらない彼女の話はかなり不快。しかし彼女に限らず、取材に答えるという体なのに、誰もがスラスラ淀みなく語り続けるのを読みながら、殺人事件の真相解明に向かってこその取材だよね?という先入観にやられていたことに気づくのはかなり後半。合間に出てくる「わたしとお兄ちゃんの会話」が視点を定めさせてくれない。今後、慶應出身者を見る目が変わってしまいそうでコワイです。とりあえず、庶民で良かった笑。
読了日:06月22日 著者:貫井 徳郎
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海外からは結局e-Taxを使えなくて(なぜならマイナンバーカードを返納したから)未だに「やよいの青色申告」を使い続けているのだが、今年度こそはe-Taxに移行するぞ!と誓いを立てて勉強をはじめました。で、復習読書。改めて、スキマ時間にスマホでポチポチ経費の入力とかするかなー、しないな!と思った笑。これからはじめて確定申告をしますという人がターゲット読者と思われるので、乗り換え組への親切な記述はほぼありません。とりあえずfreeeはないな……という意思決定にたどり着くための参考にはなりました。
読了日:06月25日 著者:村井 隆紘,藤井 浩平
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新居のトイレがやたらと広く本を並べられるレベルなので、今月からトイレで読書はじめました。その1冊目。この本はやはり素晴らしい。まず装丁が美しい。本文にも、内容に合わせた遊びが施されているので視覚的にも楽しめます。まずは写真をじっくり見て、そこから何を読み取れるかを推測し、ページを開いて解説を読むのを繰り返します。なるほどねーとか、そっちかいっ!とか、唸ったり突っ込んだりしながら、観察視点を盗みましょう。スマホのおかげでカメラは常時携行できてるはずだから、気になったらすかさず撮るというのをまず習慣化すべし。
読了日:06月27日 著者:菅 俊一
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とある本屋による選書5/6冊目。たまに読むと面白いのだけど決して自分では選ばない歴史モノ。日本史が苦手というかきちんと勉強した記憶がないので笑、雑賀孫市って誰ソレ?って感じでして、しかしなるほど戦国末期に信長や秀吉を唸らせた鉄砲傭兵集団というのがあったのね。孫市の名を継いだ三兄弟が互いに刃…ではなく銃を向けて闘う悲しい物語。しかし、「自分の首に価値はない」と言い切れる与右衛門が末弟重朝の傍らにいることを死を目前にして喜ぶ長兄義方の気持ちがうれしいラストでした。
読了日:06月29日 著者:谷津 矢車