何度も同じことで悩みたくない
2021年06月17日(木) 15:43
UXいろいろ, ヨーロッパ所々方々, スウェーデン, マチとヒトの観察- THINK DEEP, JUST ONCE IN A WHILE
- In terms of decorating the homes, lagom pushes Swedes towards practical items and aesthetic elements that make them happy. Not like foods or clothes, furniture is expensive. To buy it or not becomes pretty stressful consideration. Swedes want to be destressed basically, so they rather consider such an expensive shopping deeply, wishing for it's done only once in a while. The popularity of antique furniture proves it. I was not able to be a big fun of antiques, but bought a glass frog as a memory. It's a lagom shopping, isn't it?
今日は、スウェーデン人の行動規範「Lagom(ラーゴム)」に則った家具えらびについて。前回、前々回と合わせて「衣食住」の完成です。
暗くて長い冬を乗り越えなければならない土地柄なので、家の中を居心地の良い空間にするのは生き抜くために必定です。しかし、洋服や食べ物に比べると家具はどうしても値が張ります。その分、慎重に検討を重ねることになります。そして、その「慎重に検討を重ねる」という行為はまあまあ疲れるので、それは避けたい……と考えるのがLagomです。
つまり、洋服や食べ物のときには「考えなくて済むようにする」のがLagomに則った思考法と行動様式でしたが、家具に至っては「何度も同じことを考えなくて済むようにする」ために買うと決めたらガッツリ考え抜き、悩み抜いてから決断するのがLagomということになります。
ガッツリ考えるときの考え方は、こんな感じ。
- 毎日使うものは、実用的でストレスを感じさせないものでなければならない
- 実用的であるためには、シンプルで使いやすくなければならない
- 絶えず、かつ長く利用するものである以上、上質で耐久性の高い素材でつくられていなければならない
- 長く使い続けるということは、何度も繰り返し目にすることであり、見た目にも美しいものでなければならない
つまり、機能的であり、上質であり、美しいものでなければLagomじゃないということであり、それらが揃っていない買い物は、値段だけ見れば「程よい金額」だとしても決してLagomではないという判断になるわけです。家具にいたっては特に、じっくり時間をかけてLagomなものを選び、居心地の良いLagomな空間づくりを目指すのがスウェーデンスタイルです。
高価なアパレルブランドの「Re-use」商品は丈夫で長持ちする上質なものの証だと書きましたが、家具にもこれが当てはまります。大切に使われてきたお墨付きの家具を取り揃えるアンティークショップがたくさんあるのは、そこでLagomな買い物をしようとするスウェーデン人のニーズにぴったりはまるってことですね。
Lund(ルンド)の家から車で10分ほどのところに大人気のアンティークショップ↑があって、わたし達もたまに覗いていましたが、家具はとても手の出せるお値段ではなかったので、カエルの置物で手を打ってきました。
実用的ではないけれど、見た目に美しく、スウェーデンで過ごした日々を思い出させてくれる情緒的価値を持ったLagomな買い物……のはず。