Lagom – 土曜日は飴ちゃんの日

2021年06月10日(木) 14:13

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LEARN "MY LAGOM" FROM LÖRDAGSGODIS
Swedes need "Fika" a few times a day. If they don't know their own "Lagom," they would be overweight easily. I have wondered how they learn their own Lagom, and now guess "Lördagsgodis" could be a key. According to a book, in the mid-20th, the Swedish Medical Board advised Swedes to eat sweets just once a week, because a direct relationship between sweets and tooth decay was uncovered. This created a tradition that let children accept candies only once a week and learn the self-discipline. How interesting!

スウェーデン人が大事にする「Fika(フィーカ)」については、日本でもよく知られるようになりましたね。でも、「カフェに入ってコーヒーを飲むこと」がFikaだと勘違いしている日本人が多いのではないでしょうか? それはただの休憩でFikaではありません。

Fikaは、仕事をサボる口実では決してなくて(ホントかなぁー笑)、時間に追われている自分の心と身体に休息をあげてバランスを取り戻すための儀式です。コーヒーとシナモンロールを(他の甘いものでも可)、気張らずにおしゃべりできる友人や同僚と一緒に楽しむのがFikaで、同じことをひとりでやるのはFikaではありません。

職場などでは、Fikaの時間が1日に2~3回あるらしいです。三度の飯とは別に毎日3回Fikaをして甘いものを食べれば、ふつうは太ります。ところが、ある年のOECDの調査によると、英国成人の肥満率24.7%に対して、スウェーデン成人の肥満率はわずか11.8%だったそうです。スウェーデン人はたしかにガタイが大きいですが、極端に太っている人は少ないです。ここにはおそらくLagomが効いています。ほどほどの自制心がなければ、日に数回のFikaを毎日つづけて太らないわけがない! そうならない程度のLagomなFikaを楽しめるように、彼らは自分のLagomを把握しているということになります。

それを果たしてどうやって身につけるのか? 秘密は「Lördagsgodis(土曜日は飴ちゃんの日)」と呼ばれる習慣にありそう。

スウェーデンのスーパーマーケットには、こんな感じ↓の「飴ちゃんコーナー」があります。

子どもたちはここで、その週の土曜日に自分が食べられる分だけの飴ちゃんを買います。スウェーデンの子どもたちが飴ちゃんを食べられるのは「土曜日」だけです。1940年代に甘いものが虫歯の原因になっているのかどうかを調べる実験が行われ、その事実が確認されたため、スウェーデン政府は国民に対して「甘いものを食べるのは週に一度に制限するように!」というお触れを出したのだそうです。マジかー笑。

親にしてみれば、子どもに自制心を学ばせる良い口実になったのでしょう。出費も抑えられますしね。それがいつの間にか「Lördagsgodis(土曜日は飴ちゃんの日)」という言葉を生み、社会に浸透し、現在に至ると。なぜ土曜日が選ばれたのかはわかりませんが、週末が来るのを心待ちにする子どもたちの気持ちはわかります。

そしてそれが、「自分にとってのほどほど加減」つまり「自分にとってのLagom」を学ぶことにつながっているのでしょう。