Lagom – チケットシステム

2021年06月08日(火) 13:24

UXいろいろ, ヨーロッパ所々方々, スウェーデン, マチとヒトの観察
LAGOM - NUMBERED QUEUING SYSTEM
Swedes, the same as Japanese, wants to complete a task efficiently. When you enter a store, bank, deli, or fish corner in a super market, chances are there's numbered queuing system. That's not new to us, but from a Japanese perspective, we take a ticket when we decide to buy something. Swedes take a ticket first, then consider to buy something or not. For Swedes, getting the numbered ticket means to destress, knowing they're in the queue with no worry about someone jumping in. The service provider also feels less stress as he/she doesn't need to care who's next. In Japan, I picked up a ticket at an administrative office before preparing documents to submit as I would have done in Sweden, and the teller frowned. Oops!

スウェーデン人の行動規範「Lagom(ラーゴム)」についての考察第2回です。

スウェーデンで暮らすようになると、まず慣れなければならないのがチケットシステムです。日本でも行政や銀行の窓口で「番号札」を取りますよね? スウェーデンでは小売店も含めて至るところにこのチケットシステムが導入されています。スーパーマーケットの中に併設されている郵便窓口↓も、肉屋も魚屋も、しっかりと列をつくるスペースを確保しにくい場所で順番待ちが生まれると想定されるありとあらゆる場所にチケットマシンがあります。

待ち時間を短くして必要な手続きや仕事をすんなり終わらせたいと思うのはスウェーデン人も同じです。チケットマシンがあるだけで安心して待てるというのがスウェーデン人にとってはとてもLagom。待つことが前提にあるのは愉快ではないけれど、そうとわかっていれば心の準備ができるし、予定も立てやすくなる。他の客に割り込みされることを心配するストレスもなくなるし、順番が来ればサービスを受けられるという証でもあるので飛ばされる心配をするストレスもなくなる。とにかく「ストレスを最小化」するために最善策を取ろうとするのがLagomですから、チケットマシンの存在はかなり理にかなっています。サービスを提供する側も「次はどのお客さんだっけ?」というのを覚える必要がないからストレスレベルが下がりますよね? サービスを提供する側と受け取る側の双方にとってのLagomな解決策がチケットシステムです。

ただし、チケットマシンは入り口を入ってすぐのところに設置されている場合が多く、それを見逃したり、取り逃したりして先に買いたいものを物色してから「さて、チケットはどこだ?」と探すのでは遅れを取ります。わたしのほうが絶対に先に入店していたことをお店の人も、他のお客さんも気づいているのに、チケットの番号が優先されるという、絶対的な力を持つのがこのチケットシステムです。しかも、その存在はスウェーデン社会にとって極めてあたり前の存在なので、だれも教えてくれません。スウェーデン人は、聞かれれば親切に教えてくれるけれど、聞かれなければ自分から声をかけて助けてあげるようなことはしません。相手にとってのLagomを重んじて、自分からしゃしゃり出るようなことは誰もしないのがLagomに則った程よい振る舞いです。

なので、慣れない新参者や外国人観光客の目にはとても不親切に映ります。

また、「買うかどうかまだ決まっていないのにチケットを取る」のは、日本人の感覚では遠慮したくなりますが、スウェーデン人としては「チケットを取り、順番を確保してストレスレベルを下げてから買うかどうかを考える」のが当然にしてLagom。これに慣れるまではしばらくかかりました。そして、慣れた頃に日本へ戻り、行政の窓口で書類を揃える前に番号札を取って怒られる……みたいな笑。同じチケットシステムでも、文化によってちがうものです。