狭くても機能的な部屋

2021年04月06日(火) 18:47

UXいろいろ, 日本発信四方山話, 東京, 泊まるコトコロ
SMALL BUT VERY EFFECTIVE ROOM
The room which I had stayed for the 3-day-quarantine was pretty small as I expected, but surprisingly very effectively designed. All 3 suitcases could be stored under the bed, there were many hooks on the wall though there's no closet, and the head board of the bed had just enough space to hold a smartphone and a bottle of water in relief. Though the desk was relatively small, but the chair was well designed with wheels and a hand grip to move it smoothly even on the carpet. Best of all, the rounded edge of the desk! When you stand up to head to the toilet or the door, you would easily hit your body against the desk's corner edge which could hurt and annoying if it's repeated. This design could be based on a great research on how guests move around in the room.

行政からの要請により、新型コロナウイルス無症状者及び軽症者、ならびに海外からの入国者・帰国者の待機施設として一棟丸ごと貸し出されているもののうちのひとつ、アパホテル&リゾート両国タワーにて強制隔離期間を過ごしました。提供される食事があまりにもな感じだったので、正直しんどい3泊4日でしたが、アパホテルの部屋自体は実はとても機能的で感動するレベルでした。

まず、海外から来る旅行者の多くが携えているであろうスーツケースをベッドの下にすっぽりと収納できるようになっていました。ご覧のとおり、大中小3個のスーツケースを入れてもまだ余裕があるレベル↓。

一個であれば、開いた状態で入れて出し入れできるでしょうから引き出しのように使えるのではないかと思います。さらに、衣類を収納するためのクローゼットを配置するスペースを節約すべく、壁面にはたくさんのフックが設置されていました↓。写真はありませんが、ユニットバスの中もタオルを4本も引っかけられるようになっていました。

ベッドのヘッドボードには幅を持たせて、リモコンのような小物を置けるようになっていますが、両端はすこし膨らみを持たせるデザインになっていて、飲み物やスマホを置いても落ちる心配がないように配慮されています↓。

デスクはコンパクトで↑すこし油断すると溢れんばかりになってしまいますが、引き出しや冷蔵庫の上の空間などを使えば小物もかなり収まります。気が利いているのは椅子。キャスターをつけてカーペットの上でも動かしやすくするだけでなく、上端部分に穴をあけてくれているので、手を置けば自然と指が引っかかり椅子を引き出しやすくなっています↓。

そしてもっとも感動したのは、デスクのアールです↑。椅子から立ち上がり、トイレへ行こうと右前方へ向かおうとすると、このデスクの角に身体があたることが多いはずです。そうすると、刺さるほどではなくてもちょっと痛い。何度も続けばイラっともするはずです。そんな不快な印象を植え付けずに済むように最初から丸めておく。滞在客が部屋の中でどう動くかを考え、配慮した素晴らしいデザインです。スウェーデンはMalmö(マルメ)で滞在していたオシャレホテルのエッジの利いた階段で足首を負傷し、まさかの流血!に涙したのがほんの1週間前のことだったので、このデスクのアールには本当に感動しました笑。

このとおり、悪くないどころかかなり機能的なお部屋でした。この「わざと狭く作っている」という部屋を有するアパホテルとその創業者家族の歴史が分かる本を2冊も置いてくれていて↓、トップ2人の顔を嫌でも思い出させてくれるところもアパホテル。

もちろん、2冊とも読みましたとも笑。