2021年1月の読書記録

2021年02月05日(金) 19:03

本&映画の紹介

2021年も毎月2桁読書して、月ごとの読書記録をアップして、達成感に浸る一年にするのが目標です。1月中旬、すこし漫画を読みすぎてしまって後半焦ったけれど、なんとかキャッチアップして2桁達成しました。

オススメは、知人に教えてもらった『植物はそこまで知っている』です。どちらかと言うと旦那のほうがはまって一気読みしてましたが、庭のある一軒家暮らしをしてきたおかげで植物に対する興味も増しているようです。ラインナップからは数学に対する興味もわいているように見えるかもしれませんが気のせいです笑。

小説からは『キャプテンサンダーボルト』が一押し。売れっ子作家二人が力を合わせるとこんなスゴイのができ上がるらしい。しかも、コロナ禍の今にも通じるウイルス云々の物語だから読んでいて空恐ろしさも覚えますが、読み始めたら絶対に止まらないです。お試しを。



読んだ本の数:12
読んだページ数:3587
ナイス数:131

信長島の惨劇信長島の惨劇
今年1冊目がコレになってしまった笑。年末の時代物セレクトだったのに…。「どうやって史実に合わせるの?」とドキドキしながら読んで、最後にいろいろお披露目されるところで「それはズルいぞ」と何度も思ってしまった。そして史実に合わせるために蘭丸は死ななければならず、その理由がこじつけすぎてやっぱり信長はキライだ!とか思ってしまった笑。あと『影武者徳川家康』くらいの物語を期待して読み始めてしまったので、意外とサクッと終わりました。年をまたいだけどもね。
読了日:01月02日 著者:田中 啓文

ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(上)ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(上)
何事も相対的にしか評価できないから、つい「違い」や「差」に意識が行ってしまうが、見逃されがちな共通部分だってわたし達の遺伝子に書き込まれていて(「社会性一式」と呼ぶ)、それをしっかり理解し共有し活用できれば、善き社会をつくれるはずなのだというのが著者の持論。それを証明するためにさまざまなコミュニティの分析に挑むのが上巻。特にナンパ事故の生存者コミュニティに関するデータとその解釈が興味深いです。そんな環境に陥る不運に見舞われたとき、わたしは内にあるはずの社会性一式をはたして活用できるだろうか(自信はない)。
読了日:01月03日 著者:ニコラス・クリスタキス

スウェーデン館の謎スウェーデン館の謎
「スウェーデン」で検索したらまさかの小説ヒット笑。裏磐梯のあたり、帰国したらぜひ再訪したいと思ってるんですよー。スウェーデンと雰囲気が似てるから懐かしむにはもってこいです(って森と湖の組み合わせってだけだけど)。ルシアコンサートなどスウェーデンならではの話題も出てきておもしろかった。ただし、娘にくっついて行って、一緒に暮らしてしまうスウェーデン人父さんというのはおそらくかなり稀ですわ。そして、はるばる日本へ移り住み、子を失ったうえに罪まで背負うことになるとは……悲しすぎる。
読了日:01月06日 著者:有栖川 有栖

異端の数ゼロ――数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念異端の数ゼロ――数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念
苦しすぎる読書でした。数学も物理もチンプンカンプン笑。でも、ゼロ(と無限大)を認めることは、教会や時の君主との命をかけた闘いだったという歴史、人類が生きる物理世界を説明するために数学が根本的な役割を果たすという圧倒的な事実なんかはざっくり読み取れました。人間のほうを理解するための勉強に舵をきった若かりし頃の自分は正解だったなー(そっちも数学必要だけどさ)。学生のころ、数学大好きで得意だったつもりだけど、あれはただ計算してただけなんだなー(遠い目)。
読了日:01月09日 著者:チャールズ・サイフェ

キャプテンサンダーボルトキャプテンサンダーボルト
『ニッポンの文学』からの抜粋1冊目。相葉ちゃんとイノッチの冒険活劇だった(ちがう笑)。銀髪の怪人は吉川晃司かなー(勝手なイメージ)。とりあえず、そのへんのコピー機を気軽には使えなくなりそう。そんなことより、いつ命を落としてもおかしくない崖っぷち状態を、少年野球で培った知恵と根性で乗り越えていく様は見事な爽快感をもたらしてくれるものだった。命がけで闘った末にやっぱり借金まみれじゃカワイソウだぞ…と思っていたら、そこも見事に回収されて、凄腕作家が力を合わせるとこんなんなっちゃうんだーという感激に浸りました。
読了日:01月13日 著者:阿部 和重,伊坂 幸太郎

植物はそこまで知っている 感覚に満ちた世界に生きる植物たち植物はそこまで知っている 感覚に満ちた世界に生きる植物たち
衝撃的な面白さ。植物が春になると芽を出すとか、太陽に向かって伸びていくとか、そういうものだと学校で習ったことの裏にある原理というか、生い立ちというか、言われてみればなるほどそういうことだったのかぁー!の連続でした。光や色の微妙なちがいを把握し、周囲に漂う香りに反応し、むやみに触られれば態度を変える。過去に感染した病気や耐え忍んだ気候の記憶にもとづいて生理を修正する。地に根を張った状態で逃げ場はないのに、人間よりもずーっと長い時間を生きのびてきたのだから逞しいのは然り。植物をもっと尊敬しないとならんです。
読了日:01月16日 著者:ダニエル・チャモヴィッツ

Lagom: The Swedish Art of Balanced LivingLagom: The Swedish Art of Balanced Living
金曜日はとっとと仕事を切り上げて家族で団らんする。そのために豪華な食事の支度をするのはぜんぜんLagomじゃないから、タコスで済ませる。家に招くのは面倒だから外へピクニックに出かけよう。各自食べたいものを持ってくるべし。野山でベリーやキノコを取るときは、来年のことを考えて適度な量にしよう。自分で食べる野菜は自分で作れるとLagomだよね。洋服は良いものを選んで買うと長く使えるからめちゃくちゃLagomだぜ。無理せず適度に頑張る。それがLagom。少しずつ分かってきたけど、実践できてるかなー?
読了日:01月18日 著者:Linnea Dunne

数学の言葉で世界を見たら 父から娘に贈る数学数学の言葉で世界を見たら 父から娘に贈る数学
『異端の数ゼロ』がわからな過ぎて悔しかったので、これに挑戦。人間は引き算を自由にできるようにするために「数の世界をゼロや負の数に拡張した」とはなんとわかりやすい説明であろうか。学校でもこうして教えてくれれば良いのに。分数と連分数の誕生で暦を作れるようになり、べき乗や近似のおかげで大きな数字を恐れずに済むようになった。さらに対数を使って自然の法則を見破れるようになり……のあたりからほぼお手上げになったけれど、22歳で学位論文を仕上げ、72歳で最後の証明を成し遂げたガウスの偉人さっぷりはよくわかりました。
読了日:01月23日 著者:大栗博司

可笑しなホテル 世界のとっておきホテル24軒可笑しなホテル 世界のとっておきホテル24軒
コロナ禍で旅行を取り上げられたので、これを再読して妄想することにした。以前読んだときに泊まりたい!と思った中で今も変わらずそう思えるのは、ニュージーランドの木箱の宿くらいだな……。スウェーデンからアイスホテル、炭焼夫の小屋、湖上のお宿がランクインしてて、いずれも行こうと思えば行けたけど食指は動かなかった。どれもこれも「可笑しな」ホテルではあるけど私の望む「ステキな」ホテルではないなー。わたしが贅沢になっただけかもしれんが……。
読了日:01月24日 著者:ベティーナ・コバレブスキー

蜜蜂と遠雷蜜蜂と遠雷
『祝祭と予感』を読む前の予習。二度目にしても500頁超の長さに怯んだが、YouTubeで当該曲を流しながら休む間もなく優雅に読了しました。天才3人が高め合いながら成長していく物語の脇を固めるステージマネージャーや調律師、審査員たちに幼少時のピアノ教師など、この人たちの物語も読みたいなーなんて思いながら、コンクールを楽しみました。3人の恋の行方も気になるけれど、彼らのプロ人生も楽しみ。奨励賞の彼の食らいついてく人生もぜひ書いてあげてほしい。ということで、何が出るのかワクワクしながら『祝祭と予感』へ。
読了日:01月26日 著者:恩田 陸

タイツ男の非日常英会話タイツ男の非日常英会話
再読なのだけど、前回は記録してなかった模様。由来とともに覚えるとスルッと頭に入りやすいイディオムの数々をクイズ形式で紹介してくれる良書。イラストもカワイイので、サクサクッと何度も読み返して、イディオムもサラッと口をついて出てくるくらいにできると良いですね。学校でもこうやって教えてくれれば良いのに(というのを数学の本の感想にも書いたっけ笑)。
読了日:01月30日 著者:岡田 光世

同時通訳が頭の中で一瞬でやっている英訳術リプロセシング同時通訳が頭の中で一瞬でやっている英訳術リプロセシング
タイトルが小難しいのが残念。英訳や英会話の基本は、頭の中にある単語や表現だけを使って、言いたいことを伝えられるようになることなので、冒頭の解説にあるとおり「まずわかりやすい日本語にする」というのがとにかく大事。かしこまったり、カッコつけたりしている日本語をそのままカッコよく英語にしようとせず、「つまり言いたいことは……」をまず考えられるようになるのが最初の一歩。プロがスゴイのは、それが本当に一瞬というか、考えずにサラッとやってのけるところ。そんな通訳を目指して勉強していた頃があったっけな……(遠い目)。
読了日:01月31日 著者:田村 智子