屋外で過ごそう週間

2021年02月09日(火) 17:32

UXいろいろ, ヨーロッパ所々方々, Skåne, スウェーデン, マチとヒトの観察
LET'S GO OUT EVEN IN WINTER!
In the 1940s, the Swedish government seized upon the opportunity to introduce a heating conservation initiative, and a mandatory school break was introduced. By the 1960s, the idea has expanded to all Swedes who had been promoted to spend time outside even in winter. In this coldest winter ever since we moved into, there is no surprise for us to find a Swedish mother is skating with her baby in a stroller among very many skaters on a frozen lake.

北海道でも、氷に穴をあけてワカサギ釣りとかしますもんね。スウェーデンの釣りキチ達も、湖が凍ったくらいで釣りは諦めないようです。

アイスドリルで氷に穴をあけて釣りを楽しむ人々

手動のアイスドリルであけた穴に釣り糸を垂らし、何かかかるのをじっと待つ釣りキチ達の姿を目撃しました↑。

マイスケート靴でスケートを楽しむ人々

同じ湖の別のエリアには、スケートを楽しむ人たち↑。

凍った湖へ繰り出した人々。すごい人出!

さらにその帰り道、車窓を眺めていたら、大量に人が集まっている場所に出くわしてビツクリ↑。凍ったFinjasjön(フィンヤ湖)の湖畔でBBQしたり、スケート滑ったり、アイスホッケーしたりして、それはもうみんな楽しそうでした!

ベビーカーを押しながらスケートするとか考えたことなかったわ笑

ベビーカーを押しながらスケートを楽しむお母さんがいるのには軽く驚いたけど笑、こうして赤ちゃんのうちから寒い冬でも外に出て、ヒンヤリ美味しい空気を吸うことが多くのスウェーデン人にとってはあたり前のことのようです。こうした習慣を持つようになった背景には1940年代にまで遡る政府の仕掛けがありました。

2月後半から3月上旬にかけて(今年は2/15~3/1らしいです)、冷え込みがもっとも厳しくなる時期に子どもたちは「Sportlov」と呼ばれる冬休みを取ります。1925年にある団体が子どもたちを外へ連れ出して冬でも自然に触れる機会を持たせようとしたのが始まりで、1940年代に政府がこの慣習を利用して、学校を強制的に休みにしました。ねらいは暖房費の節約です。当時は「Kokslov」と呼ばれていたらしい。「Koks」は「コークス」のことです。ただ学校を休みにするだけでは、家庭での燃料消費が増えるだけなので、あわせて屋外で過ごすことを推奨し、親も一緒に過ごせるように学校のみならず職場にも休暇を推奨するよう働きかけ、いつの間にかシレッと名称を「Sportlov」に変更して、「冬でも屋外で過ごそう週間」みたいな形に落ち着いてきたらしいです。

日本に置き換えると、家族みんなで休みを取って……という意味では「ゴールデンウィーク」が近いですが、暖房費節約という仕掛け的には「クールビズ」がまんま夏バージョンって感じですね。クールビズの始まりが2005年なので、スタートに半世紀の開きがあるところはデカイです。