2020年9月の読書記録
2020年10月12日(月) 16:59
本&映画の紹介病に臥せっていたときにすこしずつ読みかけていたものを軒並み読了して、9月も楽勝の2桁です。
今月の一押しは『宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み』です。納得のいく診断結果でした。宇宙兄弟のストーリーを知らなくても読めるように書いてくれているので、自分の強みがわからなくて迷っちゃってる人に超絶おすすめ。『菊と刀』をあわせて読むと、日本人としての自分も一緒に考えられます。
小説は、こっそり吉田修一祭りを開催中。シリーズ3冊まとめ買いしたったので、どしどし読めて楽しいです。2冊目から読んじゃったけど笑。
読んだ本の数:13
読んだページ数:3664
ナイス数:65

相手の心の状態を想定して行動を理解する「心の理論」、目標に合わせて注意や行動をコントロールする「実行機能」、そして自分の認知の傾向を認知する「メタ認知」の3本を柱に、子どもが社会生活を営むために必要と考えられる「心」がいかに発達するのか、大人はそれをどう支援できるのか、そんなむずかしい話をわかりやすく解説してくれている良書です。ずっと適当な説明で済ませていた笑「メタ認知」をあらためてしっかり勉強させてもらいました。ユーザー調査の文脈に落とし込んでうまく解説できるように、もうちょっと読み込みたい。
読了日:09月01日 著者:林 創

自己診断によると、”猛獣たち”を導く温和なリーダー、エディ・Jとほぼ同じ判定でした。受容性と弁別性が同点1位、保全性が2位。主人公ムッタともかなり近い。かなり「典型的な日本人」ということになるらしい。困ったときのためにできるだけ情報を集めておきたいと考えるコロコロムッタ状態は、日々読書に勤しんでいるわたしの姿そのものではないかぃ笑。簡単なことから一歩一歩階段を上がるように自信をつけながら学んでいくムッタの学び方もまんま一緒。頷きすぎて疲れる読書でした。そして宇宙兄弟を読みたくなる、かならず。
読了日:09月02日 著者:古野俊幸
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アメリカやアメリカ人についても対比としていろいろ説明されているが、現状とはずいぶん違う笑。同じように日本について語られるアレコレは書かれた当時にしてもちがうだろ?と思う面や、今は完全にちがう!と言い切れる側面が多々あるも、やはり来日経験のないアメリカ人が、敵国とその兵士について理解を深め、戦勝に寄与しようとしてまとめられたという事実には感嘆しかない。罪と恥、義務と義理など日本人でも説明に窮する感覚をわかりやすく説明する(多少のまちがいはあれど)著者と読める日本語にきっちり訳す訳者がともにスゴイ。
読了日:09月04日 著者:ルース・ベネディクト
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『失敗の本質』『菊と刀』そして本書で、日本と日本人を知るための勝手に三部作を読了。『菊と刀』で国家神道について触れられていて、それを説明できない自分を顧みての本書。正直、他にもたくさんの”新たな”学びがあってビツクリしたなーもう。神社はもともと「祭りがおこなわれる場所」というそもそもの話からわかってなかったとかもうアウトですね。神道のお葬式(神葬祭)があるのも知らなかった。神社で結婚式をあげたから、お葬式も神社にお願いしたいな(できればもうすこし先の話であってほしいけど)。
読了日:09月06日 著者:
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“自分自身を拠りどころとするためにも、真に「学ぶ」必要がある”と学生たちに教養課程の必要性を説き、“日本語、そこに秘められているすさまじい力を知”ることがロジックを鍛えるためには欠かせないと示し、交渉をうまく進めたければ“話すのではなく聞”くことのほうが大事で、非合理な相手は猿だと思え!と、躊躇なく力強く言い切りながら若者たちを鼓舞し続ける、ときに毒を吐きながら笑わせ、聞かせる腕も存分に使って行われた講義を受けた人たちが、8年後の今、30代になって日本を変えていってくれるのだろうと期待したい。
読了日:09月07日 著者:瀧本哲史
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マジメな学者先生の大真面目な研究をもとにした本気の科学本でした。『危険な読書』からの抜粋だもの、そうだよね。我が家の庭で聞く鳥たちの声のほとんどは地鳴きであって、歌にはあたらないことが判明。餌ほしさにやってきて「餌、ないぞコラァ」って言ってるのだから、自分の血を後世に残すために気合いを入れて歌うときとはぜんぜんちがうのコレ言われてみればあたり前。鳥も嫁の目を盗んで浮気するし、嫁のほうもあわよくばと別の相手を探すんですね。歌のレパートリーがあるというのも驚きでした。庭で録音、してみるかな……(たぶんしない)
読了日:09月09日 著者:石塚 徹
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神社の本からの流れでコレ。神道一筋である必要はないけれど、他宗教バリバリの人は候補にならないのはやはり暗黙の了解っぽい。それにしても、候補たくさんいらしたのですね。そしてみなさんご苦労されたのですね(いろんな意味で)。「小和田さんではだめなのでしょうか」と現天皇陛下がたびたび側近に漏らしていたという台詞が染みる。愛のある結婚であったことがふつうに嬉しい。外交官としてではなく、国の顔としての外交をできるお立場になられてからの苦労も多かったことでしょうが、これからこそが本番。お元気にがんばってほしい。
読了日:09月11日 著者:小田桐 誠

17歳の苦悩から読めば良いんだよね?と深く考えずにコレから読んでしまった笑。そのままいけば虐待されることが決まっている人生から救ってあげたと見せかけて、命がけで潜入し、冷徹に仕事をこなす傭兵を育てる組織が、ひっそり存在しそうなのがコワイ。でも人間だもの……、関わる人たちは懸命に生きようとする少年たちにどうしても寄り添い、彼らのために涙を流す。裏切る奴も出る。そして命がけで助けてくれる人も。勘の良い詩織ちゃんと鷹野が再会する日は来るのだろうか……。では、シリーズ第一巻を読むとしよう。
読了日:09月13日 著者:吉田 修一

まだiPhoneが世に出る前の著作。あとがきや解説でも触れられているが、ちょっと古かった。それでも、FBが動き出した頃、日本が2ちゃんねるやニコニコ動画に沸いていたこと、FBがミクシィほど普及する日は来ないと予想されていたこと、『恋空』への反応が割れはじめていたことなど、ほんの十数年前の実態とそれに対する見方をこうして概観できるのは貴重なことだと思う。変化のスピードは今後ますます上がっていくのだろうか?オバサンもうついていけてないんだけども笑。
読了日:09月16日 著者:濱野 智史
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はじめてのキノコ狩りへ向かう前の予習本。スウェーデンで人気のベリー(ブラックベリー、ラズベリー、リンゴンベリーなど)とキノコ(カリフラワーキノコ、アンズタケ、ポルチーニなど)の特徴と見分け方、森で見つかる時季などを教えてくれる子ども向けの入門書です。登場したモノの中で、翌日に行ったキノコ狩りで見つかったのはポルチーニだけでしたー笑。ベリーは時季が遅すぎた感じ。キノコはもっと北の湿った森へ行かないと収穫は難しいそうです。でも、アンズタケのシーズンはこれかららしいからまだチャンスはある。
読了日:09月18日 著者:Emma Jansson
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「あれほど晴れ着の似合わない娘もいなかった」とは、父親の台詞とは思えない笑。そんな娘は、自分を「醜女」と呼んだ相手と祝言をあげるんだから、やっぱりとても好きだったのか…。それともコレを逃すと次がない的な笑。いずれにしろ、堪忍旦那がデレデレのおじいちゃんになったところでハッピーエンド。江戸の町の人情物語でした。郁之助が眼を赤く潤ませながら梅助を抱きしめるところが一番、贋作の掛け軸の真意に気づいた桔梗屋の一件が二番、堪忍旦那がおしずの頬に平手打ちを喰らわすところが三番って感じかなー。時代小説おもしろい。
読了日:09月20日 著者:宇江佐 真理
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哲学についての本を英語で読むとか無謀な挑戦ですが、ジョークを下敷きにしてわかりやすく教えてくれるっていうので読んでみたら、哲学がわからなくてもジョークが笑える痛快な本でした。これらのジョークに笑えるということは背後にある哲学もわかっているってことになるのかもしれないけど、そこはわからなかったと正直に書いておこう笑。共感とはなんぞやを楽しく伝える方法と、メタなんちゃらの説明の仕方が手に入ったので、哲学はトンチンカンなままですが読んで良かったです。
読了日:09月26日 著者:Thomas Cathcart,Daniel Klein

田岡がいきなりピンチというか、足を引っ張るスタートで、そこを抜けるまでなかなか読み進められなかった。2作目を最初に読んだ弊害か? それはともかく、日本企業がぼんやりしているうちに中国にしてやられそうになる展開がふつうにありそうで笑ってられないけど笑える。研究者が、日本での処遇に不満たらたらであっさり祖国を裏切りそうになるという話もリアル。「幸せってのはゴールじゃなくて、毎日拾って集めてくもんなんだよ」とは今回出番も活躍も少なめのキムの言葉。意外と真理。とりあえず、誰も吹っ飛ばなくて良かった。次に行く。
読了日:09月27日 著者:吉田 修一