2020年3月の読書記録
2020年04月06日(月) 17:06
本&映画の紹介積読本そっちのけで、2月に日本で買ってきたものを続々と読んでしまいました。前半ゆるすぎる笑。
新型コロナウイルスのおかげで「旅」を取り上げられたのを機に「旅」のなんたるかを考えるべく選んだ3冊……『旅の効用: 人はなぜ移動するのか』『熱源』『ガリヴァー旅行記』はどれもとても良かった。1冊目の著者ペール アンデション(スウェーデン人)が言うとおり「いつでも戻れる安全な母国があるからこそ旅に出られる」のだということを実感する日々です。
コロナに関係なく田舎でひきこもり生活を送っているのに、たまに出かけた町でウイルスとか拾ったら笑えないので、いつもどおりひきこもり+読書の生活を満喫したいと思います。それがふつうに楽しい。
読んだ本の数:11
読んだページ数:2295
ナイス数:86
園芸はじめました
「超初心者の」っていうのが見事に我が家の状況に合っていた。小さな庭のあるステキな家に引っ越したのを機に、せっかくだから庭をなんとかしよう!と思い立ったところがまさに同じ。大きなちがいは、こちらスウェーデンにいるというところだけど、ま、超初心者に必要な知識はきっと同じだ、そんな本はスウェーデンでは手に入らないからコレで勉強しよう。まず宿根草とグラウンドカバープランツだな、うちは。あと、来冬に向けてクリスマスローズを手に入れられないものかと企んでる。がんばろー。
読了日:03月01日 著者:あらい のりこ
北欧スウェーデン 暮らしの中のかわいい民芸
信じてもらえないと思うけど、手芸の得意な子どもだったのだ笑。だからスウェーデンの美しい手工芸品を見ると「あー、自分でも作ってみたい!」と思うのだけど、大人になる途中でセンスをどこかに落っことしてきてしまったような気がするのと、いきなり手工芸なんかをはじめたら心を病んでいると思われるのではないかと思って心配です笑。とりあえず南スウェーデンの情報がたくさんあってありがたい。まずは近所から、すこしずつ攻めてみます。ダーラナも行きたいよー。
読了日:03月01日 著者:明知直子
笑ってる場合かヒゲ 水曜どうでしょう的思考 (2)
藤やんホント良いこと言ってるんだ。新人に「先々のことを考えろ」と言ったって無理だよとか、老化現象を自覚(メタ認知のことだ)しないと不機嫌なオヤジになっちゃうよとか、未知の領域に挑んでこそプロだとか、舞台上でトロンボーン(=おなら)を鳴らして共演者を笑かしまくっている人とは思えない。とりあえず、どうでしょう最新作の録画をし逃したことに気づいてしまってもうどうしようもないけど(ん?スウェーデンでどうやって録画するんだ?笑)、辛いときに笑いで何度も救ってくれたどうでしょうは一生応援しています。
読了日:03月07日 著者:藤村忠寿
パラダイス山元の飛行機のある暮らし―――年間最多搭乗1022回「ヒコーキの中の人」が贈る空の過ごし方
「旅客保安サービス施設利用料」を毎回520円も払っていたとは知らなんだー。ならばユーザーとしてモノを申してアレコレ改善したい。でも、コペンハーゲン空港の保安検査場はまあまあよくできてるから、変えるなら成田だ。という感じで新たな学びもありましたが、総論としては著者のちょっといっちゃってる趣味の話を聞かせてもらいつつ、次の自分の旅を夢想して引きこもりの鬱憤を晴らすという感じでした。わたしも一回くらいはファーストクラスで飛んでみたいなー。でももったいなすぎて一睡もできなそう笑。庶民!
読了日:03月08日 著者:パラダイス山元
旅の効用: 人はなぜ移動するのか
「人種差別と外国人排斥は(中略)故郷以外の世界を知らない経験不足が原因」と著者が言うとおりだと思う。井の中の蛙で終わるか、ちがう価値観を知るために旅に出るか、そのちがいは大きい。わざわざ行かずとも別世界を知る方法はあるけれど、知識だけでなく経験とセットで内に取り込めばこそ得られるなにかがある…はずだと信じて旅に出る…という御託は使い古された感があるけれど、結局そういうことなのだと思う。これまた著者が言うとおり、いつでも戻れる安全な母国があるからこそ旅に出られる。やっぱり旅に出られることは贅沢の証。
読了日:03月15日 著者:ペール アンデション
熱源
「学校が、アイヌを滅ぼすのかもしれない」というヤヨマネクフの心の声が実に深い。教えられるままに吸収するのではなく、受け取った学びを自分の頭で咀嚼しなおす力をこそ身に着けなければならない。そこまで教えてくれる教師が必要だし、そういう視点を得るところまでが基礎教育のあるべき姿だということを教えてくれる物語でした。凄腕の女兵士の脳裏に焼き付いたイペカラの弾く琴の音はさぞ美しいのだろうな……。聞いてみたい。
読了日:03月18日 著者:川越 宗一
えんとつ町のプペル
ひょんな好機を得て借り読み。美しい絵本でありました。物語もたしかになかなか含蓄ある。心臓を受け取り損ねた病人がきっとどこかにいるはずなのが多少気になったけど笑、プペルのおかげで満点の星空を間近に見られた上に、お父さんが嘘つきではないことを確信することができたルビッチは、おまけに大切な友を得ました。見た目やニオイで人を判断すべきではないこと、わかっていてもニオイはキツイけども笑、子どもたちにはそこしっかり学んでほしいところですね。
読了日:03月19日 著者:にしの あきひろ
Happy by Design: A Guide to Architecture and Mental Wellbeing
人が多くの時間を過ごすことになる家や職場のデザインをするときの注意点がずらり簡潔にまとめられていました。自然光、安心感を与える環境や使う人がコントロールできる余地、自然とのふれあい、見た目の美しさや身体を動かせる空間の存在など、いずれも納得感の高い話でしたが、最後にこれらを網羅した家のデザイン案があって、それがお金持ちにしか叶わないデザインだったのですこしガツカリした笑。制約(予算を含む)のある中でこれらを実現するところこそがプロの腕の見せどころってことでしょうか。
読了日:03月23日 著者:Ben Channon
SAGAN
Lund図書館で借り読み。森に散歩に行った少女が狼に出くわして、うまいこと逃げおおせたと思ったら、狼が頭数増やしてきて、意外にも小さなウサギヒーロー登場で意味不明の展開へ。森、狼、ウサギ、苺のケーキと、スウェーデンっぽさ全開の絵本でした。「赤ずきんちゃん」と「不思議の国のアリス」を足して2で割って今っぽく仕上げた感じ…という謳い文句どおりだったかな。スウェーデン語レベルがちょうど良かった。
読了日:03月25日 著者:Sanna Borell
En familj är en familj är en familj
Lund図書館で借り読み2冊め。いろいろな家族の形があって、どんな家族もステキな家族だってことを教えてくれる絵本です。おばあちゃんと暮らしていたり、別々に暮らす両親のところを行ったり来たりしている子がいたり、二人のお父さんを持つ子がいたり、多様な家族の形が受け入れられているスウェーデン社会の今の姿を知ることのできる絵本です。
読了日:03月25日 著者:Sara O’Leary
ガリヴァー旅行記
『危険な読書』からの選抜3冊目。小人の国リリパットでは巨人として、巨人の国ブロブディンナグでは小人として、空に浮かぶラピュータでは賢者として、馬が統治するフウイヌムでは愚者として他者と対峙するガリヴァーの物語は、すべてが「比較」のうえに成り立つことを教えてくれます。人間が生物の頂点にいるという奢りに対する痛烈な批判が、最後のフウイヌムで馬たちに罵られるあたりで全開に。そこで「馬」なのがいかにもイギリス。それにしても海で遭難し過ぎだぞ>ガリヴァー。そして、よくもまぁ無事に帰れるものだ笑。
読了日:03月27日 著者:スウィフト