2019年10月の読書記録

2019年11月27日(水) 20:32

本&映画の紹介

1ヶ月超におよぶ日本出張の間、それはもうたくさん読書ができると楽しみにしていたのだけど、前半戦の10月下旬は仕事が予想以上に忙しくなってしまって3冊しか読了できなかった……。しかも調査前の予習本が2冊も含まれている。とりあえず今、わたしは糖尿病網膜症についてやたらと詳しい笑。

そんなことよりおすすめ本ですが、藤原伊織祭りから『シリウスの道』は外せません。ちょっと時代が古いのだけど、デカイ会社が抱える問題総出演で、そういう意味でも楽しめます。大好きな小田島さんのシリーズ『人生の諸問題 五十路越え』は予想どおりに楽しめましたが、ヤマザキマリさんの『男子観察録』は良い意味で期待とちがう良書であった。いずれにしても、売れる本を書く人はやっぱり地頭が良いんだな……というか、お生まれが違うのですね……という結論にならざるを得ない感じだった。追いつけないから、追わない。


読んだ本の数:10
読んだページ数:2355
ナイス数:57

人生の諸問題 五十路越え人生の諸問題 五十路越え
五十路どころか、還暦を過ぎとるやないかいっ!と思いつつ、世代的にも、生まれ的にも、地アタマ的にもぜんぜん追いつかないのに笑えて仕方がない。街頭インタビューを受けてる人やいきおいツイッターしてる人はおっちょこちょい笑。ユーミンは「苗場をあんなにしちゃった女」だし。口が悪くて小気味いい。「だって学術的じゃないもん。雑談的だもん」は言い得て妙でした。大学の講師料は「マクドナルドよりは高いけど、キャバクラのお姉ちゃんよりはだんぜん安い」のホント。そんな前時代的なアレコレ世直ししてから引退してほしいお二人です。
読了日:10月01日 著者:小田嶋隆,岡 康道,清野由美


目の病気がよくわかる本 緑内障・白内障・加齢黄斑変性と網膜の病気 (健康ライブラリーイラスト版)目の病気がよくわかる本 緑内障・白内障・加齢黄斑変性と網膜の病気
10月下旬の調査案件に先がけての予習。図解が多くてわかりやすいけど、目玉に施術する様子の絵とか、うげー、コワイよぉ~。とりあえず緑内障と白内障と加齢黄斑変性がざっくりわかりました。自覚するのがすごくむずかしそうなだーというのも。わたしはまだ初期の老眼程度だけれど、これからどんどんこういう病気を気にかけて生活しなければならなくなっていくのだな…。切ない笑。
読了日:10月02日 著者:大鹿哲郎(監修)


シリウスの道 上 (文春文庫)シリウスの道 上
浅井志郎と吾兵衛が出てきてビツクリして息をするのを一瞬忘れてしまった……。『テロリストのパラソル』からこれに流れてきたのだけど、正解か? なにか飛ばしてるか? だれかおせーて。しかし、これはこれ単独で、大手広告代理店の内情がわかったりしておもしろい。コンペで下手に質問できないとか、ふつうに勉強になってしまったりとかも笑。社内の人間関係が面倒なのはどこも一緒ですが、部長がめちゃ良い女っぽいのは時代の最先端か? しかしそこで恋愛絡んでくるところはありきたりかな。とりあえず下巻はロングフライトのお供に決定。
読了日:10月04日 著者:藤原 伊織


直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN
「知覚力」のあたりはわたしの得意分野にも通じるので、その伝え方も含めてすごく勉強になった。“学生時代の成績は「生き残れるかどうか」とはほとんど関係ない”という正論ありつつ、“開成高校や東大法学部”の出身であることがシレっと(しかしおそらく意図的に)書かれていたりもして、すこしカチンっときたよ笑。乱暴にまとめますと、妄想を信じる気持ちと周囲を巻き込む社交性と行動する勇気と挫けない心を総動員してがんばってこーってことかな。あと、描く力も大事かなー。苦手なヤツばっかりだぃ笑。
読了日:10月06日 著者:佐宗 邦威


返品のない月曜日―ボクの取次日記 (ちくま文庫)返品のない月曜日―ボクの取次日記
東京堂書店の限定復刊をたまたま発見して購入したのは半年も前のことですが、内容はさらに30年前のものです。30年かけて変わったこと、変わらないこといろいろありますね。これからの30年で、本を取り巻く環境がどんな風に変わっていくのかを想像するヒントにもなりそうな一冊でした。日刊まるすニュースは、センスがあるんだか無いんだかよくわからない独特のテイストが一周回ってイカしたデザインに見えてくる不思議笑。
読了日:10月07日 著者:井狩 春男


SOS: What you can do to reduce climate change – simple actions that make a differenceSOS: What you can do to reduce climate change – simple actions that make a difference
無理にガンバルことを推奨したりはせず、意味のあることでできそうなことを少しずつやるがいいよ!と背中を押してくれます。本を読むなら電子書籍のほうが紙が無駄にならなくて……と考えがちだけど、電子書籍を読むための電気のほうがむしろ問題だから!とか、冷静に考えれば納得がいくけど、うっかり間違った知識を持ってしまっていること意外とあることに気づかされました。肉もいきなりなんでもNGは大変だから、メタンガス排出しまくる牛のお肉から減らしていこう!とかね。サクッと読める本なのでサステナビリティ導入にオススメ。
読了日:10月10日 著者:Seth Wynes


Historiebok för barn : från vikingarna till Gustav Vasa Historiebok för barn : från vikingarna till Gustav Vasa
スウェーデンの子ども向けに書かれた歴史絵本シリーズから、ヴァイキングがスカンジナビアを闊歩していた時代からGustav Vasaが国を治めるようになるまで。Gustavはみんなに愛されていたことがよくわかりました。裏切り者もいたけれど……。内容もさることながら、最初から最後までポンチ絵が半端ないポンチで笑えます。特に冒頭に出てくるスカンジナビアの地図がポンチ過ぎて、これなら私にも描けるぞ!と思った。子どもたちにもそう感じてもらうためのわざとのポンチなのかもしれない。深い笑。
読了日:10月13日 著者:Birgitta Ahlberg


シリウスの道 下 (文春文庫)シリウスの道 下
日本へ向かう機内で一気読み。それにしても広告代理店は大変だなー。ま、広告代理店に限らず、デカイ会社にはつきものの問題なのかもしれないけど。最後にズタボロにされる客先の社長みたいなトボケタトップや経営陣、出る杭を打つことしか考えないボチボチ偉くなっちゃったオジサンに苦労させられる実働部隊、セクハラ被害を表にできないまま苦労する女子社員、あれ?今も変わってないんじゃね笑という永久不滅的な人害の数々が紹介される物語でした。またしても幼馴染の裏切りじゃなくてホント良かったよ。みんな幸せになってー。
読了日:10月16日 著者:藤原 伊織


あなたの隣にある危機 糖尿病網膜症 早期受診で失明を防ぐあなたの隣にある危機 糖尿病網膜症 早期受診で失明を防ぐ
二回読んだので2冊分ね笑。一昔前、とあるキー局のワイドショーでその姿を見ないことはなかったレポーターの東海林のり子さんがご主人の糖尿病網膜症といかに闘ってきたかという話です。仕事で必要に迫られて、焦って本を探してコレに出会いました。ありがたい出会いでした。とてもわかりやすく「糖尿病網膜症とはなんぞや」を教えてもらえたおかげで仕事を乗りきれましたー。こういう地道な準備も大事なんだよねー。そして、糖尿病の人は絶対に眼科にもかかったほうがいーよ!を声を大にして言いたい今日この頃です。
読了日:10月23日 著者:右田 雅義,東海林 のり子


男子観察録 (幻冬舎文庫)男子観察録
「“留学”という理念の真髄が、空海という人物の中にはっきりと見えてくる」そうだ。ヤマザキマリさんが、空海に持つ尊敬の念を、私は彼女に持つ。自分が小物で浅はかで、ぜんぜん勉強が足りなくて、努力して苦労したつもりだったけどそれほどでもなかったことを思い知らせてくれる戒めの書であった。なーんて、そんな重たい本じゃなくて、笑いながら読める本なのだけど、とにかく綴られている日本語が美しいなぁ〜、ステキだなあーなどと、そんな風にも感じるところのある良書でした。
読了日:10月27日 著者:ヤマザキ マリ