コレはオレのだ!

2019年09月18日(水) 19:35

UXいろいろ, ヨーロッパ所々方々, Skåne, イギリス, スウェーデン, マチとヒトの観察, リサーチャーの知恵袋
SHARED, BUT THIS IS MINE!
At a bicycle-sharing station in London, I found a bicycle which saddle was facing to the opposite direction. The user might have set it that way to claim that this would be the one he or she would use on the way home. Interesting. The similar situation happens in the kick-scooters' case. Even though I find one where the traffic is brutal, I normally find another user around (like a pair of a father and a small son) was sending a silent message saying "don't take it away!" I just cannot take it away by imagining the little boy would be walking home instead. I now think it could be an interesting research theme.

約半年前に試しに使ってみた電動キックスクーターのVOIですが、こないだ用事があってMalmö(マルメ)に行ったときに、お犬様がおしっこをひっかけているのを目撃してしまいました笑。お犬様と飼い主が通り過ぎてから撮った証拠写真が[1]です。そうか……、ちょうど良い感じなのか(よくわからんが笑)。

そして、そういえば我が町Lund(ルンド)で最近VOIを見かけないなーと思ったら、撤退しておりました(写真[2])。Malmöではたくさん走っていたので奮闘しているようですが、自転車が幅を利かせるLundくらいの規模の町では成り立たないようです。VOIは、LIMEをはじめとする競合よりも価格がお安めなのが売りですが、それでもすこし距離を走ればバス料金のほうが安くなってしまうくらいには高コストの乗り物です。学生が多くて、その多くが自転車を所有しているLundでは、見合う需要がないことが実証されてしまったってことでしょうね、この撤退は。

[1] お犬様がオシッコしてた… [2] Lundからは撤退した模様 [3] コレはオレの!サドルで主張

London(ロンドン)では、キックスクーターよりもシェアバイクのほうがまだまだ隆盛という感じでした。そして、とあるステーションにキレイに並んだシェアバイクの中に一台、サドルが逆向きになっているものを発見(写真[3])。なるほどねー、こうやってなんとなく「コレはオレのだ」と主張しているに違いない。そんな権利はまったくないのだけど、他のユーザーがシェアバイクで帰ろうと思ったときに、いくつか並んでいるものの中から、敢えてコレを選ぶ人はいなくて、最後に残る一台となる可能性が上がるっていう算段なのかな? たしかにこうやって主張されると、選びにくい雰囲気はあります。

キックスクーターの場合も似たような“使いにくい”状況があります。どこでも乗り捨てができるからひょんなところに停まっていたりして「乗っちゃおうかな…」と思ってすこしあたりを見ますと、「コレに乗って帰るつもりですよもちろん!」という視線を送ってくる親子がいたりして、オバサンが乗っていっちゃったら、あの子が歩いて帰ることになるんだな……と思うと使えない笑。ちょっと交通の便が悪くて外れたところに行ったりするときにこそ真価を発揮するサービスでありつつ、帰りには使えないかもしれないというリスクを考えるとかえって使いにくく感じられるとかいう面もあります。

そういうわけでこのサービス、リサーチし甲斐のある奥の深い分野かもしれない。という発見。