2019年8月の読書記録

2019年09月11日(水) 15:23

本&映画の紹介

もう5ヶ月も日本に帰っていないので、我が家の紙本在庫が着々と減ってきて、なかなか手を出しにくかった重たい雰囲気の本ばかりが残る中から選んで読む……のもつらくて笑、電子書籍で小説を読むほうに逃げ気味な今日この頃。でも頑張って2冊は片付けました。どれかは言わないけど。

こんな夜更けにバナナかよ』は映画からのノベライズではなくて原作本のほうです。とても勉強になりました。小説は月村了衛祭りを締めくくる『』がやっぱり面白かったけど、ユーザー調査している人たちには『グレイ』もオススメ。



読んだ本の数:11
読んだページ数:3050
ナイス数:40

グレイ (集英社文庫)グレイ
いつ、なぜコレを買ったのかを思い出せないまま読み始めて「あれ?古いのか?」と思い刊行日をチェックしたら2014年。それほど古くないのに舞台は1980年代のバブル期。あの時代を2010年代になって振り返りながら描いているのかー、スゴイな……。「社会を調べるのは、イコール人間を知ることなんだ」と、北川はちょいちょい良いこと言ってるけど、ゲスな「小物」として終わってしもーた笑。そして見事な成長を遂げた波田が、その後、真っ黒い人生を歩むことになっていそうでコワイ。
読了日:08月04日 著者:堂場 瞬一


「自分たち事」のデザイン「自分たち事」のデザイン
未完の遺作第一弾。亡くなった著者を知る人たちが作り上げたオンデマンド出版です。自分事と他人事の間にある(はずの)自分たち事というとらえ方がこれからどんどん必要とされてくるであろうことを教えてくれる遺稿でした。想像力を鍛えれば創造力が養われるという思想には共感しかない。そして想像力を鍛えるにはSF小説いいですよね、そうですよね。函館や札幌で活躍されてきた著者に生前お会いできなかったことが悔やまれますが、本書の未完部分はこれからを生きるわたし達への宿題だと受け止めて、わたしももう少し頑張ろう。
読了日:08月07日 著者:渡辺 保史


叶えられた祈り叶えられた祈り
未完の遺作第二弾。当時、アメリカの上流社会にはびこっていた暗部を赤裸々に綴って仲間を失うことになったという問題作。たしかに、この人達スゴイな、いろんな意味で……と思う登場人物たちのオンパレードだった。庶民の知らない世界。『冷血』を書き上げた人だからと思って読むとなおさら、ひとつひとつの描写に生々しさを覚える。人間って、貪欲だなホント……というのが総合的な感想です。
読了日:08月09日 著者:トルーマン カポーティ


こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち (文春文庫 わ)こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち
障がいと書こうが障害と書こうがどっちでも良いじゃない?という著者の本心…がとても良い。わたしも前からそう思ってたので。ボランティアのひとりの言葉“「おかしい」のはひょっとしたら自分なのかもしれない、という視点も手放してはならない”というメタ認知の重要性を説くくだりがかなり響いた。それにしても、大泉洋が演じる鹿野さんを想像しながら読んだら、楽しくなってしまった。決して楽しい本ではないのだけど、鹿野さんは楽しく読むことを許してくれる人だと思う。笑ってんじゃねーよ!とか怒鳴られはするだろうけど。
読了日:08月11日 著者:渡辺 一史


槐 (光文社文庫)
月村了衛祭りをこの本で一旦締めようと決めて読みはじめてあっという間の読了。中坊たちのPTSDがまるでない感じに終わっているのがちょっと気になったけど、そんなことよりオレオレ詐欺の首謀者やら、その甘い汁を横取りしようとする中国連中やらが女教師にボコボコにされていくのが痛快すぎる。教頭先生の柔道の描写もしびれた。武道を極めた人の一直線な真面目さが子どもたちを救うことになって本当にうれしい。
読了日:08月16日 著者:月村 了衛


この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかたこの世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた
この本からの学びが生きるときが来るとしたら、まず地球が壊滅寸前という状態に立ち会うことになり、しかも少ない割合の生き残るほうに入らなければならなくて、そんな現実を直視し、猶予期間を生きのびるための根性を持ち合わせていないとならないというわけで、うーん、無理笑。役に立たないと思うので、死ぬほうに入れていただきたいと真剣に思いました。
読了日:08月18日 著者:ルイス ダートネル


PELLE och FRASSEPELLE och FRASSE
スウェーデン語の絵本です。アニメになって大ヒットした(らしき)Pelleくんとパン屋のオジサンFrasseの物語。色や動物の名詞がたくさん出てくるので良い勉強になりました。Frasseの弟が悪い顔すぎて笑った。
読了日:08月23日 著者:Jan Lööf


世界を動かすプロジェクトマネジメントの教科書 ~グローバルなチャレンジを成功させるOSの作り方世界を動かすプロジェクトマネジメントの教科書 ~グローバルなチャレンジを成功させるOSの作り方
きっちりやってくれるプロマネがいるかどうかで、ユーザー調査の成否も違ってくるから、海外案件手がける人にはぜひ読んでほしい内容だけど、対話型っていうのは好みが分かれるかもですね。それに、広田先輩のこの講義に対して小川くんと森さんがきちんと対価を払ったのかどうかが気になる。そこウヤムヤにしてほしくなかった笑。
読了日:08月24日 著者:佐藤 知一


Whatever You Think Think The OppositeWhatever You Think Think The Opposite
頭でっかちに考えすぎないで、楽しく柔軟に視点を変えるんだ。学校の成績なんか悪くたって気にするなー。スタート地点がはっきりしていてむしろ好都合じゃないか。ガッツリ完璧に準備が整ってからはじめるんじゃなくて、とっととはじめて進めながら修正していけば良いよ。と、深イイ格言のオンパレード。でも、わかってるけどなかなかそういう態度や考え方ってできるもんじゃないよね……とも思うのが多い。引退までカウントダウンのおばさんとしては、こんなカッコイイことのひとつやふたつを言えるようにならないとな……とか思って焦る笑。
読了日:08月25日 著者:Paul Arden


日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学 (光文社新書)日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学
とりあえず、口腔水流洗浄機ほしい笑。「におい」の改善が健康促進になるという考え方がとても良いけど、日本人がこんなに臭いと思われているというのは知らなかったし、知らないことがヤバイ。閉経後の女子は「オバサン臭く」ではなく「オヤジ臭く」なる可能性があるだと、なんだと? そろそろ他人事と言ってられない年齢に差し掛かっているからマジ焦る。よし、家族会議しよう。とその前に、旦那にもコレを読んでもらわないと。心穏やかに臭わない老後を生きるため、ともにガンバロウぞ。
読了日:08月27日 著者:桐村 里紗


The How to be British CollectionThe How to be British Collection
大昔に買った本ですが、来週ロンドンへ遊びに行く前の予習として再読。初版は2005年なので、15年近くも前の本だけれど、遠回しに嫌味なイギリス人らしさ笑が、本書の随所に描かれていました。あー、おもしろかった。イギリス人相手に失言しないように、気をつけて行ってきまーす。
読了日:08月31日 著者:Martyn Alexander Ford,Peter Christopher Legon