森の墓地へ

2019年06月01日(土) 16:48

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TO THE WOODLAND CEMETERY
The procedure of the Stockholm marathon registration was just inefficient, and I got sick of complaining about that sort of thing in Sweden. I felt I needed to calm down, and decided to go to the UNESCO World Heritage site Skogskyrkogården (the Woodland Cemetery) as the first thing in Stockholm (even before the marathon). There were no graves in sight right after getting into the site, but just saw a big granite cross ahead and vast woodland around. New green leaves looked so beautiful, which perfectly match with the concept that in death all people go back to the wood.

スウェーデンの首都 Stockholm(ストックホルム)へやって来ました。電車で。4.5時間電車の旅についてはまた別に書くとして、到着後すぐにマラソンの受付に行って、毎年のこととは思えない手際と段取りの悪さに毒を吐きすぎて心を落ち着ける必要を感じたので、翌朝一番に Skogskyrkogårde(スコーグスシュルコゴーデン)へ行ってみました。日本語では「森の墓地」と呼ばれるようです。

「人は死ぬと森へ帰る」というスウェーデン人の死生観を如実に表す場所として世界的に有名なこの墓地は1994年にユネスコの世界遺産に登録されました。敷地内の自然が織りなす景色も建物もすべてが巧みに計算され、設計されているそうですが、手がけたのはスウェーデンが誇る二人の建築家 Gunnar Asplund(グンナール・アスプルンド)とSigurd Lewerentz(シーグルド・レヴェンツ)です。

[1] 目に飛び込んでくる十字架 [2] 仰々しい銅像はこれっきり [3] 針葉樹も新緑になりつつ

スウェーデンではじめての春を迎えて、草や木が芽吹く勢いや力強さ、それに負けまいと活動を活発にしていく鳥や小動物たちを間近に見られることのすばらしさを感じる今日この頃です。だからなおさら、太陽の光を受けて鮮やかに輝く新芽たちがまぶしい森の中に、広々と優雅に横たわっているであろう死者のみなさんが羨ましくすら思えるほどでした。「人は死ぬと森へ帰る」ってなるほどそのまんまじゃないかココは!って。

[4] 七井戸の小道の奥に礼拝堂 [5] 瞑想の丘へ [6] 十字架を見納めに

お墓に花を植えにきている人がいたり、椅子を持ち込んでお墓の中の人とおしゃべりをしているらしきおじいちゃんがいたり、バードウォッチングをしているおばあちゃん組がいたり、そこは墓地であり、森でもある、森の墓地でした。