2019年1月の読書記録

2019年02月04日(月) 22:14

本&映画の紹介

1月から14冊も読んでしまって、快調な滑り出し。月に1冊の英語本もまずは達成。その『Lagom: The Swedish Secret of Living Well』は、さらさら読める本だったけれど、スウェーデン人にとってのLagomをきっちり理解できたかと言われれば自信がなく、近いうちに再読かな…と思っている。手っ取り早くスウェーデン人ってどんな?を知りたければ、日本語になっている『限りなく完璧に近い人々 なぜ北欧の暮らしは世界一幸せなのか?』はオススメです。北欧5か国が国別に紹介されているので、気になるところだけ読むという手もあるし。

小説は『橋を渡る』が断トツでオススメ。3/4はウザイ現在のどこにでもありそうな物語だけれど、最後の1/4ですごいワクワクさせてくれる。騙されたと思って読んでみてー。



読んだ本の数:14
読んだページ数:4063
ナイス数:71

限りなく完璧に近い人々 なぜ北欧の暮らしは世界一幸せなのか?限りなく完璧に近い人々 なぜ北欧の暮らしは世界一幸せなのか?
スウェーデンで迎えた新年を飾るにふさわしい一冊。昨夏原著を読んだので再読みたいなものだけど、いろいろ再確認できました。デンマーク人の獣姦の話とか、英語で読んだときはまったく理解できなかったけど、本当だったのか…。英国人のきわどかったり、わかりにくかったりするジョークまですごくいい感じに訳されていて、訳者もスゴイです。世界一幸せな国に暮らしていると世界中に思われているデンマーク人の調査への回答は歪んでるよねきっと、という著者の意見に賛成です。スウェーデン人のあれこれはこれからじわじわ検証していくことにする。
読了日:01月06日 著者:マイケル・ブース


復興の書店 (小学館文庫)復興の書店 (小学館文庫)
東日本大震災直後の書店と書店員と、そして本を求める読者の話。食料や水と同じように、場合によってはそれ以上に「本」を求める気持ち、そんな人たちに本を届けたいと思う気持ちがたくさん綴られていました。被災経験がないので薄っぺらく聞こえるかもしれないけれど、避難所での憂鬱な時間を読書で埋めたいと思う気持ちはとてもよくわかる。わくわくする小説を読んで、物語の世界にどっぷり浸かりたいと、自分ならきっと思う。一軒でも多くの本屋ががんばって残ってほしい。
読了日:01月07日 著者:稲泉 連


インビジブル・インフルエンス 決断させる力インビジブル・インフルエンス 決断させる力
「きょうだいがいることで、模倣と差別化の両方が促進される」とさ。だよねー。やはり兄弟姉妹の存在は貴重だった。人は、あらゆる局面で周囲からの影響を受ける。真似て安全な道を選ぶもよし、別の道をとって冒険するもよし、両方ねらう欲張りもあり。それを踏まえて、どうモチベーションを与えるか、維持させるかってところが肝心だよねという話。オーパワーが出てきて驚いたけど、そういえば東電の「電気家計簿」はその後どうなったかな? この流れで『影響力の武器』へ行きたい。
読了日:01月11日 著者:ジョーナ・バーガー


3度めの北欧 スウェーデン西海岸、空とカフェの日々3度めの北欧 スウェーデン西海岸、空とカフェの日々
クラフトビール屋の紹介が多くて助かるなー。我が町Lundも紹介されているぞ!と思って買ってワクワクしたけど、街の規模からいって当たり前だけど、めちゃ少しだけだった笑。季節は夏…かぁ。旅行先として紹介するなら、まー、これも当たり前だけど、冬の良さだってある!……はず。なんなら私が紹介できるように、もう少し冬の町へ出かけよう。と思いつつ、あー、春が待ち遠しい、と読んでいて思いましたとさ。
読了日:01月12日 著者:森 百合子


橋を渡る橋を渡る
章立てと章タイトルが絶妙。春、夏、秋、そして冬……と、季節は順番に巡っていくのだ信じて欠片も疑っていなかった読者を、冬に入ったところで強烈にぶっ飛ばしてくれる展開。甥っ子とはいえ他人の子どもを預かるのはやっぱり大変だな。とりあえず明良浮気してんじゃねー。篤子はウザイな。友だちになれないタイプだ。謙一郎いいヤツじゃないかーって、それがまさかの殺人かよ。どいつもこいつも……だ。しっかし、なんでこいつらの人生読まされてんの?と、秋まで結構イラつく展開が実に効果的だった。まさかのSF。かなり好きかも。
読了日:01月13日 著者:吉田 修一


ソロー『森の生活』を漫画で読むソロー『森の生活』を漫画で読む
「わたしが教員の仕事をしたのは、人々のためではなく、単に生計を立てるためで、それが失敗の元だった」とソロー先生は仰いました。やはり教育というのは、見返りを、ましてや金銭をを目的としてはならない職業なのだということですね。刺さります。ちなみに先の台詞は漫画には出てきません。つまり、普通はそこじゃない、もっと深イイお言葉に魅せられるのであろう。蚊の羽音が時間によって違うのを聞き分けてしまうとかスゴイぞ。って、それも漫画に出てこない笑。良いのです。自分に響く言葉を見つければ良いのです。
読了日:01月14日 著者:ヘンリー・デイヴィッド・ソロー,ジョン・ポーセリノ


Lagom: The Swedish Secret of Living WellLagom: The Swedish Secret of Living Well
多すぎず少なすぎず、適度で程よい感じ。「LAGOM」という単語の意味はそういうことなんだけれど、この極めて抽象的で感覚的な言葉を食生活だったり、仕事やビジネスシーンだったり、お金と向き合う場面だったり、社交だったり、生活の中のさまざまな面と掛け合わせて考えると、つまりこういうことでっせと説明してくれています。こことあそこが矛盾するなーとか思う部分もあって、一度通読したくらいではLAGOMの本質をつかむのは難しいというのが本気の感想。スウェーデンで暮らす間に、これをしっかり説明できるようになりたい。
読了日:01月15日 著者:Lola A. Akerstrom


こわいもの知らずの病理学講義こわいもの知らずの病理学講義
毛髪に不自由を抱えておられる笑という病理学の先生が、素人患者たちにもわかるように、かみ砕いて、小話をはさんで飽きさせないよう配慮しながら、ヒトの身体について解説してくれている本。結論から言って、やはり難しかった。それに、なぜコレを買おうと思ったのか思い出せない笑。でも、「がんは運である」に到達したときに、だよねやっぱり!と思えたので、大事なところは拾えたのではないかと思う。久しぶりにかなり頑張って読了した系。
読了日:01月18日 著者:仲野徹


100均フリーダム100均フリーダム
ただただ笑える本の代表格として人に紹介しようと出して来たら、読まずに本棚へ戻すなんてもったいない!と思い、読み始めたら、またしても腹がよじれて、涙が止まらなくなって大変なことになった笑。「ぞんざいな創作姿勢となおざりな商品管理体制が見事に融合」した「熊キーホルダー」が今回とくに心に刺さりました。暗い日々がつづくスウェーデンで、わたしは「100均ヒーリング」を求めているのかもしれない。ちょいちょい引っ張り出してきて読むことにしよう。いや、本棚に戻さず、PCの脇に常置することにする。
読了日:01月18日 著者:内海 慶一


ファミレスファミレス
2段組で約400ページ…長いなぁ、表紙かわいいけどなーとかいう感じですこし躊躇していたのだけど、読み始めたら止まらなかった。おじさん達と世代が被るんだなやはり笑。うちには子どもがいないので一博と桜子夫婦がいちばん近いが、うん、どんな理由があっても別居は無しにしようと思った。おかげさまで。どこの家庭にもそれぞれの悩みがあると思うけど、とりあえずドンのばあちゃんと父ちゃんが最悪すぎて、そんな家庭問題にまで立ち向かわなければならない教師という職業の大変さに涙した。ドンがイイ男に育ちそうで楽しみ(そこかぃ笑)。
読了日:01月19日 著者:重松 清


北欧 木の家具と建築の知恵: 北欧デザインのルーツはここにあった北欧 木の家具と建築の知恵: 北欧デザインのルーツはここにあった
ノルウェーのスターブ教会で見かけた龍の彫物はヴァイキングの守り神だったのか。草屋根は、土による断熱効果に加えて、芝草の根っこが絡まり合うことで土が流れ落ちるのを防いでもらうという仕掛け。そこまでは想像できなかったー。スウェーデンからは家具の紹介が多かった。春になったら野外博物館へ行って、そのあたりを中心に観察してみよ。
読了日:01月21日 著者:長谷川 清之


ジュエリーの世界史 (新潮文庫)ジュエリーの世界史 (新潮文庫)
ジュエリーにはまったくと言っていいほど興味がない。なので「宝石が嫌いな女性はいない」と言い切る著者にすこし反論したいような気がしたけど、ただの一度も関心を持ったことがないか?と問われれば、若い頃に多少はね、と思い出すことがないわけでもない。結局、ジュエリーに数十万をかけるなら、そのお金で旅行に行きたい…とかいう感じで旅行が勝ったんだな、きっと。ルイ・カルティエの功績、ダイヤモンドの価格を押し上げたデビアス社の戦略、成金のアメリカって感じで勉強になりました。リサーチに先立つ予習おわり。肝心のB社は出てこなかったけど笑。
読了日:01月26日 著者:山口 遼


読書する人だけがたどり着ける場所 (SB新書)読書する人だけがたどり着ける場所 (SB新書)
コミュニケーション能力の根底にある「認識力」。それ、わたしが言いたかったこと笑。インターネットの浅瀬をウロウロして拾った情報だけで分かった気にならず、少なくとも3回くらいは飛んで潜って知識を深めよ、と。そして、その潜る力は読書によって養われる、と。「著者の目」でモノゴトを見るべし、というくだりにも頷きすぎて首が疲れた。リサーチの腕を磨きたいなら読書、特に小説を読むべしという持論の援護射撃ガンガンきて、個人的にはとてもうれしくなる読書でした。
読了日:01月30日 著者:齋藤 孝


白い部屋で月の歌を (角川ホラー文庫)白い部屋で月の歌を (角川ホラー文庫)
憑坐(よりまし)って言うのか…。ふーん。箱根本箱でとある作家さんオススメの小説として紹介されていたモノ。ホラー小説だったのか…と、読み始めて気づく。霊とかあんまり信じてないので、あまり入り込めなかった表題作とは違い、二作目の「鉄柱」のほうは、どこかに実在しても驚かないかもしれないと思うリアリティ。満足死、なるほどそんなニーズは実はあるかもしれない。しかし、主人公の嫁は満足死ではなくて当て付け死っぽいところが深い。満足死の是非を考えさせられる結末でしたわ。
読了日:01月31日 著者:朱川 湊人