フランス窓にはカバー扉

2019年01月09日(水) 20:00

UXいろいろ, ヨーロッパ所々方々, フランス, マチとヒトの観察
WEATHERBOARDING ON WINDOWS IN FRANCE
It was a quick visit to Provence, because our sister-in-law and her son were about to leave La Tour-d'Aigues where they had lived for 2 years. I was so interested in visiting a house in south France. People are living in a stone-built house or apartment mostly, which could be pretty hot in summer (especially with the hot sun in Provence) and very cold in winter. The weatherboarding on windows looked standard and super necessary. That's a big difference from the houses in Sweden.

年明け早々にAix-en-Provence(エクス=アン=プロヴァンス。以下Aix)へ行ってきました。Aixから車で30分ほど行ったところにあるLa Tour-d’Aigues(ラ・トゥール=デーグ)という町(というか村?)に義妹と甥っ子が住んでいて、でも1月上旬に日本へ戻ることが決まっていて、この「今を逃すと一生行かずに終わる村」へ行ってみるチャンスを逃したくなかったのだった。セザンヌをこよなく愛するわけでも、L’OCCITANEの化粧品が大好物なわけでも、噴水めぐりを趣味としているわけでもなく、ただ南仏の片田舎ってどんな感じ?をチラ見したかっただけという不純な動機。

[1] こちらの2階が義妹の家 [2] 新緑が美しそうな景色 [3] 右奥に城跡が見えます

そして、南仏の山あいの村は明るかった。空が青くて、雲が白い。ベランダの向こうには、新緑がまぶしい季節を想像するだけでうっとりできる景色がありました。ちょっと前のめりに覗き込めば、村の中心部にあるお城(の跡)が見える(写真[3])ような環境での暮らしはスウェーデンのわたし達の暮らしとはずいぶんと違いそうです。どちらもあくせくする必要のない長閑な印象だけど、フランスの陽気さはスウェーデンにはないな。これは、昼間しっかり明るくなる時間が十分にあるせいではないかと予想。夏がしっかりたっぷり長くあるのも大きいかもしれない。妹尾河童さんが『河童が覗いたヨーロッパ』の中で窓のつくりを比較してヨーロッパ人の暮らし方を分析していらしたのを思い出して、あちこちで窓の様子を見てみたけれど、日本でいう“雨戸”のようなカバー扉を備えている家(写真[7][8][9])がほとんどで、これはおそらく防犯と、それ以上に夏の強い日差しを遮り、中に熱気がこもるのを防ぐべく古くから伝えられてきた様式なのではないかと思います。石造りの家だから。

[4] ラ・トゥール=デーグ城跡 [5] 村の真ん中の交差点 [6] 不動産屋の広告@Aix
[7] Aixの家々と窓の様子 [8] La Tour-d’Aiguesの家々 [9] Ansouisの家と窓

滞在中朝晩の意外過ぎる冷え込みを考えると、夏だけではなく、冬の間の防寒としても、カバー扉は重要なのかもしれない。半分以上焼け落ちたラ・トゥール=デーグ城(写真[4])を大事に保存していることや、義妹の暮らしていた家の様子からも、フランスの家々はおそらくかなり古くに建てられたものをあちこち補修保全しながら大切に使われているであろうことがわかります。そしてそれは、冷暖房費がかなりかかるということでもある。不動産屋の広告には必ずと言って良いほど、“Classe Énergie(エネルギークラス)”の棒グラフとその物件がどのクラスにあたるかを示す情報提示がありました(写真[6])。Aがもっとも熱効率が良くて、電気代を安く抑えられる物件ということのようです。フランスだけじゃなくて、EUが加盟国に対して義務づけている消費電力量表示らしい。スウェーデンでこうした表示を見かけないのはなんでかな? 今の家を借りる前にこんなグラフを目にしていたら、うちはたぶんEとかFとかになっていて、毎月の電気代金を見て驚くことのないよう心の準備ができていたかもしれないのに笑。

同じヨーロッパでも、こうしていろいろ違うのだよね。そんな違いをあちこち回って感じたい。ということで、今年もたくさん旅をするぞ宣言。