UX王子のUXデザイン概論
2018年05月18日(金) 17:09
UXいろいろ, 日本発信四方山話, 愛知, イベントの話, リサーチャーの知恵袋- RELEARN THE VIEW OF UX DESIGN
- It was a nice opportunity to relearn the outline of UX and UXD by a leading scholar in the Japanese field of UX. I would create a new slide to explain the gap in the UX definition among people with different background and focus based on what I learned here. It was also interesting to have an overview of the attendees in an objective fashion. To grasp the variety at the front would be a key to reconstruct the lecture, which could be pretty tough, though.
「ブログを書くまでがワークショップ」…でしたっけ? とかいう格言が流行っているらしいので、とりあえず私も書いてみる。でも視点がおかしいので笑、注意してお読みください。
安藤王子のUXデザイン概論、さすがに事例が豊富で分かりやすく、なるほどここでそういう事例を使って説明するのか!と随所で頷きました。特に、UX白書の期間モデルのところでされていた話はとても参考になりました。営業担当者の言うUXは「予期的UX」、UIデザイナーの指すUXは「瞬間的UX」、HCD専門家が唱えるUXは「エピソード的UX」、マーケティング担当者が意味するUXは「累積的UX」という具合にそれぞれのフォーカスが異なる可能性があるという話。これを踏まえておけば、クライアントとの(あるいはクライアントの中での)対話で「UX」の定義がうまく噛み合わない理由や背景が浮彫になるし、ユーザーの反応を捉えるためのリサーチ設計もしやすくなる! クライアントの立場に応じて、どこに焦点をあてて「UX」と言っているのかを突き止められれば、リサーチの焦点がおのずと見つかるし、その焦点で十分かどうかという議論にも展開させやすくなる。…という話をするためのスライドを近々作ろう!ってことに自分の中でなりまして、これは大きな収穫です。
それにしても王子、意外と品のないお言葉づかいをされたりするのですね、と思うシーンがしばしば。そういうギャップに女子がワーキャー言ったりするわけですね。わたしは、常に毒舌なのが良くないんだわ、きっと。どうすれば意外性を出せるのか? 時おり優しい言葉をかけたりすればよいのだろうか? いや、そもそもワーキャー言われたいのか>自分。
そんなことより、王子が「概論ニーズはあるのか?」みたいなことを呟いていましたが、今回の受講者はどんな人たちだったのかを(頼まれていもいないのに)概観してみる。
まず純粋にUX概論を学びに来ている人。たぶん5割くらい。何をどうやって学び始めれば良いのか分からないという人や、王子の教科書を読んだら、ボリュームはスゴイし、読んだだけでは理解できた気がしないんだけど、次はどうしたらいいの?という感じの迷える子羊たち。彼らにとっては、ネクストステップが提示されることが大切になるだろうから、今回の講座のように「次はぜひ連続セミナーへ」という流れは悪くない。悪くないけど、たぶん次のステップが連続セミナーになると、少しハードルが高いのではないでしょうか。そんなこんなで「今年の名古屋は連続セミナーのみなんですか?」という質問が出たと思われる。
今回のセミナーのメインターゲットは、UX概論を復習的に聞いて、まさに次は連続セミナーを受けて、自分の業務に生かす道を真剣に模索しようとする本気モードに移行中の人たち。後半、連続セミナー受講を検討中の人?と問われて手を挙げた人たちですね。半分はいなかった気がします。たぶん4割くらい。もちろん、連続セミナーの受講を検討するかどうかは、自身の学びの段階以外にも考慮しなければならない事情があるだろうから完全一致とはいかないかもしれませんが。この人たちにとっては、安藤さんが随所で「連続セミナーではKA法を使うとおっしゃてました!」といった感じで、連続セミナーを受講するとここをもっと具体的に学べるらしいですよ…と言っていて、うまいこと背中を押された感のある人は結構いるのではないでしょうか。主催者の意図にも配慮して、ちょいちょい営業トークを挟んでいくあたり(自分の本もさんざんオススメしていたが笑)もさすが王子ですことよ。
他に何人か紛れ込んでいたのは、私もここに分類されますけれど、どう教えてあげたら伝わりやすくなるかを模索している人たち。残りの1割。所属している組織の中で、啓蒙活動を頑張っていたり、頑張りたいと思っている人たちがここに当てはまりますかね。安藤さんの話にヒントや拠り所を求めていて、それをしっかりと提供する概論だったと思います、はい。
順にペルソナ1、2、3とすれば、今回の内容に100%満足したのは2だけで、1の中からどのくらい連続セミナーに手を挙げる人が出てくるかがポイントですね。1と3の中には、連続セミナーの営業はいらないからもっと王子の話を聞かせてや~、という人が少なからずいたでしょうし。でもStep 0という位置づけでの場だから、文句言うほうが間違ってるとも思う。それに、3がそれなりの数まじってくるということは、そういうニーズもあるということなので、メインターゲットを3に絞ったセミナーみたいなのも、王子がやるならニーズがあるのではないだろうか、と思ったりなんかしました。
受講者の期待がいろいろだから、応えるほう(主催者&講演者)も考えなくちゃならないこと多くて大変なんだよな…。全員に満足してもらおうとするのがそもそも間違いなのかな? そこまでは頑張らなくていいのかな? とりあえず今年は、11月まで講義をする予定がないので、少しじっくりとUXリサーチセミナーの内容を吟味してブラッシュアップすることにしよう。受講者のペルソナをざっくり冒頭で掴んで、それぞれのニーズを予測して、必要に応じて喋りを追加したり、端折ったりってできるようになるといいですけどねー。王子、そういうところも上手だったしな。見習って、もう少し頑張ってみますかねー。