2018年1月の読書記録

2018年02月07日(水) 18:53

本&映画の紹介

2018年の年初の10冊。なかなかのセレクションだと思う、我ながら。『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』は、これから子どもを産もうかという人は読まないほうが良いかも…と思うくらいに日本の将来を不安にさせる本。でも、『人間をお休みしてヤギになってみた結果』を読めば、なんだかんだ言っても楽しければいいかな~とか楽観的になれる。『「いい写真」はどうすれば撮れるのか? ~プロが機材やテクニック以前に考えること』は次のセミナーから推薦図書に加えちゃうこと決定。リサーチ勉強中の皆さんにオススメします。そんなわけで、今年も読むぞー。


読んだ本の数:10
読んだページ数:2560
ナイス数:96

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)
年初の一冊としては重かった…。憂鬱なスタートになってしまった笑。日本の未来は暗いというか、マズイ。少子高齢化を本当に長い目で真剣に見つめると、国の存続まで危うくなる日が、残念ながら遠からずやってくるということをきっちり思い知らせてくださる一冊でした。後半に示されている対策案はいずれも行政が動かないとどうしようもなさそうなものばかりでしたが、結構斬新な発想に溢れていて、どれでもいいから早く始めてくだされ、と思った。自分にできることは、もう子は産めないので、行政に迷惑をかけない婆ちゃんになることくらいか…。
読了日:01月02日 著者:河合 雅司


人間をお休みしてヤギになってみた結果 (新潮文庫)人間をお休みしてヤギになってみた結果 (新潮文庫)
「彼らには“エピソード記憶”がない…以下略」というおエライ先生のお言葉を聞き、「心の中で時間旅行ができるという能力が、僕達人間を計画性のある策略家にしてくれるものの、同時に悩ませ、そうして後悔させるのだ」と著者はヤギと人間との決定的な思考の違いにたどり着いた。この“思考”と題された第二章が実に良かった。笑える一冊と侮るなかれ。随所に学びの要素が潜んでいる。ちなみに、著者がスイスアルプスに呼ばれて旅立つのは残り1/4くらいまで読み進んだところ。細かいこといいから早くヤギになってくれ!と何度思ったことか笑。
読了日:01月03日 著者:トーマス トウェイツ


ヴァレンヌ逃亡 マリー・アントワネット 運命の24時間 (文春文庫)ヴァレンヌ逃亡 マリー・アントワネット 運命の24時間 (文春文庫)
子どもの頃、何度も何度も読んだベルばらで描かれていたヴァレンヌ逃亡のシーンをぼんやり思い出しながら、史実にもとづいて丁寧に描かれた中野京子さんのヴァレンヌ逃亡を読んだ。そういうことだったのかーと、感心しきり。ルイの決断力のなさにイラつくこともしきり。ひょんなところで現れる王としてのプライドと緊張感の足りない意思決定に、王妃はよく耐えたとしか言いようがない。王妹もさぞ気を揉んだことだろう。王が、フェルゼンに対する嫉妬を最後まで封印してくれていれば、歴史は違っただろうに。
読了日:01月05日 著者:中野 京子


「いい写真」はどうすれば撮れるのか? ~プロが機材やテクニック以前に考えること「いい写真」はどうすれば撮れるのか? ~プロが機材やテクニック以前に考えること
「いい写真の正解」を決めつけないこと。これは選択的注意に気をつけようという話。スポーツの魅力やルールを知ること。これは調査対象について事前に調べられることは調べておこうという話。人(被写体)とつながること。これはラポール形成の話。相手を尊重して距離感を測りながら撮影をするこのプロカメラマンさんは、インフォーマントへの敬意を忘れずにとインタビューに臨むわたし達リサーチャーの姿勢に通じます。被写体の目に映る景色、頭に浮かぶ想いなんかを想像しながら人を撮る練習を積めば、インタビューも上達するかも。
読了日:01月07日 著者:中西 祐介


ヤクザから聞いた話がおもしろすぎるんでマンガにしてみた (バンブーエッセイセレクション)ヤクザから聞いた話がおもしろすぎるんでマンガにしてみた (バンブーエッセイセレクション)
ゆとりヤクザか…。ゆとり世代はあっちこっちでひっくるめて“ゆとり”呼ばわりされて大変ですね。いつの時代にもそういう天然キャラはいただろうに。とそれはさておき、書いていいことと伏せなくちゃならないことの線引きがよくわからなかった。伏字にしてもバレバレな登場人物たくさんいるし。シャツからチラ見せするためだけに部分入れ墨とかありなんかー、ちょっとカッコ悪いぞ笑。とにもかくにも違う世界の様相を教えていただいて勉強になりました。これ以上のご縁は一生ないことを祈ります。
読了日:01月08日 著者:カツピロ


日本人のしぐさ 70 Japanese Gestures - No Language Communication (日英対訳)日本人のしぐさ 70 Japanese Gestures – No Language Communication (日英対訳)
NYCから来ている仕事仲間へプレゼントするのに先立ち再読。”かたじけない”と相撲取りのジェスチャーはちょっと意味違うよってところと、日本でだって他人を指さすのは失礼だよってところに注釈つけてプレゼントしてみましたところ、大ウケ。日本人クライアントとの打ち合わせで、アレやってみよう、コレ試してみようとか言いながら、ソワソワしてました。こっちも嬉しい!
読了日:01月13日 著者:ハミル・アキ


北欧スウェーデン式自分を大切にする生き方 心の病を抜け出した夫婦からのアドバイス27北欧スウェーデン式自分を大切にする生き方 心の病を抜け出した夫婦からのアドバイス27
もっとスウェーデンらしさとか、北欧ならではの内容を期待していたのですが、それっぽかったのは太陽光を浴びることがとても大事で、自然界にある色にはすべて意味があるってあたりくらいかな。他はお国はあまり関係なくて、現代人が陥りかねない鬱の落とし穴に落ちないようにこんな考え方しましょうね~って、助け合いましょうね~ってことだ。分かっちゃいるけどできなくなるのが鬱だから、罹ってから読んでもダメ。元気なうちに軽くさらっと読んでおきましょう、この手の本は。ちなみに私は元気です。今のところ…笑。
読了日:01月16日 著者:マッツ ビルマーク,スーサン ビルマーク


人は勘定より感情で決める ~直感のワナを味方に変える行動経済学7つのフレームワーク人は勘定より感情で決める ~直感のワナを味方に変える行動経済学7つのフレームワーク
10年近く前の本ですが、ヒトの本質はほとんど変わらないので、読んでいて違和感はなし。しかも読めば読むほど、タイトルうまいなぁーと感心する。時間割引のあたりはとても勉強になりました。最後に語られている“テクニックよりも「疑うマインド」と「客観視するしくみ」”は、UXリサーチのクオリティを上げるべく勉強している人たちに対して、私が機会あるごとに伝えていることと表現はちょっと違うけれどほとんど一緒。参考書籍の一つに入れても良いくらいの素敵な本に縁あって巡り合いました。
読了日:01月20日 著者:柏木 吉基


楽園のカンヴァス (新潮文庫)楽園のカンヴァス (新潮文庫)
MoMAへ行って、ルソーの『夢』とピカソの『アヴィニョンの娘たち』を見たいよぉ~。NYCに行くたびにMoMAへ行きそびれていることを思い出した。ルソーの『第22回アンデパンダン展への参加を呼びかける自由の女神』なんて東京にあるの?そうなの?見たいじゃないか。といった具合に、美術館で過ごす穏やかな週末とかを夢想させてくれる物語でした。いやウソ。あんたの嘘はとっくにバレてるだろ?と思いつつ、それはどうでもいくて、謎解きがじわじわ進むにつれてじわりと手に汗握る、スリリングな展開でした。かなりの読み応え。
読了日:01月21日 著者:原田 マハ


あなたの人生の科学(上)誕生・成長・出会い (ハヤカワ文庫NF)あなたの人生の科学(上)誕生・成長・出会い (ハヤカワ文庫NF)
ヒトの認知能力がいかにして形成されていくかを二人の主人公の物語として語り聞かせてくれる良書。しかし主人公の二人はなかなか出会わんね笑。上巻も終わろうかという12章まで行ってやっとです。“冒険期”に入って多くのことに挑戦していこうとする二人の人生が絡み合ってからの物語は下巻ですか、そうですか。上巻で一番響いたのは、想像する力は生半可なものではなくて、かつとても役に立つものだということ。幼少時のハロルドが発想の才に溢れていたのよね。その想像力が人生に生きるわけですかー。続きが楽しみ。
読了日:01月28日 著者:デイヴィッド・ブルックス