”家に帰るまでが遠足”

2017年11月03日(金) 18:57

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A PICNIC DOESN'T END TILL YOU GO HOME
This is a phrase to remind kids that they need to watch out for traffic especially after a day excursion trip as they are in a festive mood. This is also true, and could be a good clue what kind of information hotels should provide to their guests when they are leaving, I thought. The bus on the way back to the base of Hakone mountain turned out to be so packed for a certain reason, and I wanted to know that information at the timing of checkout, which was not provided. The assessment to a hotel tends to be made for dishes, hot springs, rooms and amenities, and staffs, but we unconsciously assess the overall experience including the way back traffic. When we are to offer a good service, we need to have a holistic view from the recipient's perspective.

最初に言った人が誰かは知りませんが、遠足で浮かれて帰ってきた子ども達に、気をつけて家まで帰るようにと諭す明言。うちに子どもはいませんが、油断しないようにと戒めるためにオッサンオバサン夫婦の会話にもちょいちょい登場します。

何の話かという言うと、NEST INN HAKONE から小田原駅まで向かう箱根登山バスが激混みだったという話。なんのこっちゃ…と思うでしょうが、まあ先をお読みください。

箱根のあの山道。クネクネの、箱根湯本までカーブの連続のあの道をバスで下りるというだけで結構憂鬱なのに、遅れることすでに20分くらいで現れたバスは超満員で、それなのに前乗り前降りという悪しきデザインの箱根登山バス。すでに超満員のところに乗り込んだ私は、バス停で停車するたびに、降りるお客さんを通すために出て、乗って、出て、乗ってを果たして何度繰り返したことか…。途中のアナウンスなどから推測するに、強風かなにかで箱根ロープウェイが運転を見合わせていた影響で、大涌谷観光を諦めて箱根湯本まで下ることを選択した観光客がどっとバスに回ってきたということらしい。宮ノ下あたりまで下ったところで、運転手さんが乗り込んで来ようとするお客さんに「ロープウェイが動き出したので次のバスが空いてます。次をお待ちいただけますか?」と言ってました。

そんなアナウンスを聞きながら、「小田原駅行きを待たずに、一個前の箱根湯本駅行きに乗ればよかった…」と思いつつ、「チェックアウトのときにこういう情報をくれると宿への評価が上がるな…」と思ったのです。宿への評価って、滞在中の食事だったり、温泉だったり、部屋の設えやアメニティだったり、そしてもちろんスタッフの対応だったり、滞在中のアレコレばかりになりがちだけれど、「家に帰るまでが遠足」理論からいくと、チェックアウトした後のアレコレも“エクスペリエンス”の一部になるわけで、お宿としては「家に帰るまで」を見越したサービスや情報の提供が結構大事よね、と。

NEST INN HAKONE のスタッフさん、アクセスの悪さは自覚していて、それでもここに来たいと言ってもらえる宿にするのが目標だと仰っていました。だとしたら、チェックアウトのとき、「バス停までカートでお送りしましょうか?」の一言以上に、ロープウェイの運行状況とそれに伴うバスの混雑予想が大事かもしれない。小田原から東海道線に乗りたかったから小田原行きにこだわって、箱根湯本駅行きの1本を見送って乗ったバスが超満員です。次に来るバスが事情もあって混んでいると分かっていれば、箱根湯本からロマンスカーで新宿へ向かう経路で帰京することも選択肢としてあり得た。

ちなみに行きは、始発の小田原駅で乗り込んで座って行けたし、そもそも空いていたので楽々だったから、「うち、アクセスが悪いのでね…」というスタッフさんに「全然楽勝でしたよ」と返したのは確かに私ですが、帰りは地獄でしたって話を伝えたい。伝えて、バスで来た客にはバスとロープウェイ情報を提供して、「家に帰るまでが遠足」理論に基づくエクスペリエンスデザインをお願いしたいという、長くなりましたがそういうお話でした。NEST INN HAKONE また行きたいけど、バスで行くとなると二の足踏むよ。