2017年7月の読書記録
2017年08月22日(火) 17:20
本&映画の紹介7月中盤、思いっきり体調を崩し、寝て起きてご飯食べて薬飲んでを繰り返す日が1週間近くあったので、その間にモリモリ読書が進みました。読書なんかしてるから回復が遅れたのかもしれません(笑)。なかなか良いバランスで読めました。特にオススメは、『きみは赤ちゃん』です。子育て頑張ってるお母さんや、子育て頑張ってくれた奥さまへの感謝の気持ちが薄れてきているご主人さまに読んでもらいたい。バッタ本はうわさ通りの良書です。一万円選書のラストを飾った『始祖鳥記』は、夢を忘れられないキラキラしたおじさんか、もしくは夢を見ることを忘れてしまった疲れたおじさんにも良いかもしれない(笑)。男の浪漫的な物語。
読んだ本の数:11
読んだページ数:3229
ナイス数:68
儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇 (講談社+α新書)
著者がどれほど日本を愛してくれていて、どれほど日本の今後を心配してくれていることか。恥ずかしながら認識できていないことや、間違って解釈していたことがあり、大切なことを教えていただいたという思いでいっぱいです。日本政府がいかに頓珍漢な対中対韓政策をとってきたか、われわれ日本国民がどれほど“平和ボケ”しているか、立ち止まって本当に冷静に考えないとならない。で、考えている間に、猪突猛進してくる中国とかにしてやられたりとか、ね。コワイ。くだらない議論ですったもんだしている場合じゃないです、国会議員の皆さん。
読了日:07月01日 著者:ケント・ギルバート
永い言い訳 (文春文庫)
事故で連れ合いを亡くす。子宝に恵まれなかった、いや、子どもを持つ人生を選ばなかった夫婦。サラリーマンでいることを諦めて夢を追うと決めた旦那を献身的に(そうとは見せずに)支えた妻が事故で、親友と共にこの世を去る。親友のほうの家庭が健気に懸命に生活を作っていこうとしている分、父親の辛さが前面に力強く描かれる分、対比として一人残された主人公の、本人は気づいていない物悲しさが浮かび上がります。どんな形で別れが訪れるか分からないから、毎日言いたいことを言い合って、仲良くしようぜ、ご主人様。
読了日:07月04日 著者:西川 美和
きみは赤ちゃん (文春文庫)
子を産み育てる道を選べなかった(選ばなかった…かな)自分にとってはすごくしみる実録でした。うちの旦那も、あべちゃん以上にステキなイクメンになってくれただろうな…と想像して少し後悔したり、でも著者以上に、産後クライシスにやられた私は旦那にあたっただろうな…だから、産まなくて良かったな…とホッとしてみたり、複雑。「私の無痛分娩どこいった?」的な叫びのあたりで吹き出しました。ゴメンナサイ。帝王切開を“切腹”と言い換える著者のセンスが気に入ったので小説も読んでみようと思いまする。
読了日:07月05日 著者:川上 未映子
谷川俊太郎の33の質問 (ちくま文庫)
札幌にできた俊カフェにて、お借りしての読了。絶版で手に入らなかったのだけど、気になっていた一冊です。#9 白という言葉からの連想、#17 理想的な朝の様子、#11 「やさしさ」の定義、#10 好きな匂い、#16 きらいな諺、といったあたりの質問が使えそう…(何に?笑) 。谷川さんがどんな意図で問いを立て、どうしてこの順序に並べたのか…を聞いてみたい。最後にご本人も問いに答えてくれています。問う側と答える側、立ち位置によって思うことも違っただろうな~。
読了日:07月05日 著者:谷川 俊太郎
絵ときデザイン史〈歴史が苦手な人、食わず嫌いの人も、これなら覚えられる! 画期的なデザイン史の本! 〉
絵がステキだったので、なんとなく衝動買い。ぼんやりとしか理解していなかったデザインの歴史を、さっぱり気軽に勉強させてくれる手頃な入門書。今後も別にデザイナーを目指すわけではないけれど、何事にも深イイ歴史があってこそ今があるってこと。知っておいて損はないと思うので、ノンデザイナーさんにはオススメ。デザイナーさんにとっては、知っていることしか書いてないんだと思う。知っていることしか書かれてないな、と思える人がデザイナーだと思う。うん。
読了日:07月07日 著者:石川 マサル,フレア
バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)
近いうちにあるわ、きっと、香川照之さんとのコラボが。ってか、もしかしてすでにコラボってるかな? でも、香川さんは「スゴイぜ」って言ってて、前野さんは「倒しに」行ってるもんな…。バッタに恋い焦がれる姿は重なる。緑のツナギを着た姿も重なる(笑)。研究者としてニッチなところを攻め続けた諦めない姿勢、現地の人たちとあっという間に心を通わせるコミュニケーション能力、死をも恐れぬ無鉄砲さ、そして失敗すれば食っていけないという現実から目を背けることのない勇気、どれも立派。これからも貪欲に研究を続けてほしいです。
読了日:07月09日 著者:前野ウルド浩太郎
インド人の謎 (星海社新書)
これだけあちこち旅行している割に、インドの地はまだ踏んだことがなく、一足先に行ってきた旦那が予定どおり?!にお腹を壊していたのを見たりもして、実は強く行きたい!とは思っていない国。本書を読んでも行きたい気持ちは盛り上がらなかったかな。しかしカースト制度の歴史と現状、ヒンドゥー教の内実、そこに生きる女性や貧困層の実態、インド人と動物との関わり方など、興味深い話が目白押しでした。未踏の地へ、いつか勇気を出して訪れる決意をしたときに再読したい。
読了日:07月11日 著者:拓 徹
残酷な王と悲しみの王妃 (集英社文庫)
もう一度マドリードのプラド美術館へ行き、ベラスケスの傑作『ラス・メニーナス』を見て、前回「お~、これがかの有名な…」と美術の教科書オサライ程度にしか鑑賞できなかったのを反省しながら鑑賞のやり直しをして、バルセロナにも足を伸ばしてピカソ美術館へ行き、ピカソの連作58点を見て、天才ピカソがお手本にしたベラスケスの凄さを目の当たりにしたいぞ! 11月マドリード開催の某学会への参加意欲を高めるための読書となりました。ほんと、近親相姦コワイし、かわいそうだから止めてあげて。国のトップに立つ人の嫁になるって地獄だ。
読了日:07月17日 著者:中野 京子
マジ文章書けないんだけど ~朝日新聞ベテラン校閲記者が教える一生モノの文章術~
「が」と「は」の違いをオサライしたくて買いましたー。さっくりオサライできて大助かり。しかも評判どおり、とても分かりやすかったです。後半で謎のおじさんが言っていた「文章を書くってことは、自分のことであれ何であれ、物事を客観的に観察するってことなんだ。そしてそれを基にストーリーを描けるかどうかなんだ」の件が、最近よく聞く“ブログを書くまでがワークショップ”の本質をついてくれてて助かる。“客観視”の重要さを、ちょうどうまいこと伝えたいと思ってたんだよね(と激しく個人的な話)。
読了日:07月20日 著者:前田 安正
始祖鳥記 (小学館文庫)
【一万円選書⑨】最後の一冊。読み始めてから2か月くらいかかってしまいました…。慣れない時代物はきつかった。第一部の前半、幸吉が捕えられるまでは物語の全容がまったく見えず、悪戦苦闘。二部になって塩の話になり、さらに手探りが続く。でも、幸吉が源太郎の船に乗ってからは、船上の描写が海上交通の命懸けの苦労をありありと見せてくれて、ページを繰る手が止まりません。幸吉が陸に戻ったときには、海の話が終わってしまう…と、筋と違うところを惜しんだりして笑。最後は無事に飛べて(着地も)良かったです。
読了日:07月20日 著者:飯嶋 和一
カリコリせんとや生まれけむ (幻冬舎文庫)
やはり天才は、苦手なことをしても人並み以上にやれてしまうのですね。まー、途中で一度逃げ出して、奥さまに書かせたりしますけど(笑)、それをやれてしまうハートの強さとそれをやってくれる奥さまを確保している事実もまた天才ゆえでしょう(そうか?)。ちょいちょい辛口まざってますが、もっとも辛辣なのは、水玉ばっかり描いてるあのアーティストを婆さん呼ばわりして、策士と言ってのけるあたり、遠慮のない毒が心地よく絡みついてきます。お子さんの将来が軽く心配ですが、奥さまの心痛も同じくらい心配です。大きなお世話ですね、はい。
読了日:07月29日 著者:会田 誠