ななつ星~客室編

2017年06月26日(月) 17:03

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SWEET ROOM OF SEVEN STARS
The relaxing sofa transforms itself into a comfortable bed at night. The bedside window is longer vertically to promise a view even during lying around. There are 4 types of curtains prepared on the window, which allow you to select according to the solar position and the amount of sunshine. The windows are not able to be opened, maybe because it should prevent invasion. The door to the room is made of a big glass, too, with some designing patterns as a blinder. It is pretty important for the guests in the room not to forget about the possibility that someone could be behind the door or windows. The more relaxed we become, the easier to forget it, and we might get undressed to change into a different outfit. Need to be careful!

豪華寝台列車の旅でお食事の次に重要になってくるのは、客室の雰囲気や利便性です。寝台列車ですから、まずはベッド。乗車したときはソファとして設えられているものが夜にはベッドに変身します(写真[1][2])。ベッドに寝っ転がった状態でも車窓からの景色を楽しめるように、と奥側の窓はデスク脇のものよりも縦に長くなっているなど(写真[3])細かい配慮がありました。

[1] 客室にはソファが2台 [2] 夜にはベッドに変身します [3] ベッド側の窓が縦に長い

車窓からは九州の田園風景を楽しめます(写真[4][5])。が、意外とというか、このコースはというか(他のコース行ったことないから比べようがありませんが…)、窓の外に田園風景が続く時間はさほど長くありませんでした。普通にローカル線が走っている線路の上を行くわけだから、それはつまり所々に駅があるわけで、駅があるということはそこで乗降する人が周辺に住んでいるわけで、住宅街を眺めることになる時間もそれなりに長くなるということです。でも明け方、停車していた駅のホームにポツリポツリと人の姿が見えるようになっていくのをぼーっと見ているのはあまりできない体験だったかも。

[4] 車窓からの景色① [5] 車窓からの景色② [6] 明け方、人気のないホーム

窓には、簾、障子、レースカーテン、木の襖と4種類の目隠しが用意されていて、陽の光と相談しながら選んで使えるようになっていました(写真[7])。もちろん、車窓からの景色を全力で楽しみたいときには全開にします。窓そのものを開けることはできないようになっていました。少し開けて、風を楽しみたいような気もしますが、駅のホームに停車している時間も長いので、外からの侵入などを防ぐ意味で、窓の開閉はNGだったのかもしれません。あと、意外と窓が小さいのですよね…。全面窓でも良いくらいな気分ですが、それはコストの問題でしょうか? それとも三戸岡さんなりのこだわり…かな?

[7] 窓の目隠しは4重です [8] あちこちの組子が美しい [9] ドアは全面ガラス張り

客室の廊下側はガラス張りの扉になっていて、目隠しをしたいときは厚手のカーテンを引く作りです。組子と重ねてあったり、素敵な文様が磨り込まれていたりする(写真[9])ので廊下の様子はもろに見えるわけではありませんが、人が通れば視線は気になる。このちょっとの視線をなんとなく意識させるくらいの透け感が実は大事なのかもしれません。というのも、客室の閉鎖空間に慣れていくにつれて、ついうっかり着替えをしてしまいそうになるからです。リラックスすればするほど、窓や扉の向こう側に人がいる可能性があることを忘れます。おそらく、3泊4日ともなれば、一度や二度、あられもない姿を衆目にさらすという失態を犯してしまうことでしょう。1泊だったのでなんとか無事に終わりました(笑)。