UXとサービスについて

2015年12月24日(木) 17:37

UXいろいろ, 日本発信四方山話, 東京, モノ+コトの話, リサーチャーの知恵袋

DIFFERENCE BETWEEN UX AND SERVICE: I was very much satisfied with the summary of “what’s UX” by Mr. Ueno, but it reminded me of that I had been wondering the difference between UX design and service design for a little while. I now have another teacher, Mr. Sakata, who is leading a group, UX Tokyo. According to his blog, there are 2 different UXs to be considered when a service is designed or evaluated, UX of front stage and UX of back stage, and I now noticed almost all the UX researches I have been involved in are only caring about the front stage UXs. How can I expand my involvement into the back stage UX?

UXという言葉の語感については、上野さんのまとめでかなりスッキリしたのですが、なんとなくモヤっと残っていること。それは、UXとサービスの違い。サービスデザインの文脈で“UX”という言葉が出てきたときの解釈は?と、あまりサービスデザインにかかわったことのないユーザビリティ上がりのUXリサーチャーが抱える素朴な疑問です。

NYCで開催されたサービスデザインカンファレンスの中でも、UXデザインという言葉が登場することがあったりなかったり。そこ、どう線引きされているの? そもそも線引きが必要なの? そんな疑問をそのままにしてしまっていたという事実をUXまとめを聞いてて思い出しました。周辺の何人かに質問してみたけれど、すっきりする説明をしてくれる人はいなかった。ので、これを好機とGoogle先生にお伺いしましたところ、UX Tokyo主宰の坂田さんがとても分かりやすくまとめてくださっているページを発見です。

 

坂田さんのブログより抜粋引用

サービスをデザインしようとするときには、サービスの受け手となる顧客とサービス提供者やその組織という二種類のユーザーの存在を意識する必要があると。前者がフロントステージ、後者がバックステージ(写真上/坂田さんのブログより該当部分をキャプチャ)。顧客に見えるところと見えないところに別々のUXがあり、基本的には個別にUXをデザインする。もちろん繋がりを意識しながら。サービスをデザインするということは、フロントとバックの両方を視野に入れたデザインをするってことだー。すごくしっくりきました。私がこれまで請け負ってきたUXリサーチは、ほぼ100%フロントステージのUXを探るものだったということになる。バックステージのUXを意識した有識者インタビューとかもやったことあるけれど、その結果を報告するまでがわたしの仕事で、その先、そのリサーチ結果をどうこうというシーンにはお呼びがかからないので、バックステージのUXリサーチに関わったという感触が薄いんだな…。

優れたサービスデザインの例としてよく取り上げられるUberは、バックステージのユーザー(の一人)にあたるドライバーの存在が見えることと、そのドライバーと顧客とのインタラクションが1体1になることによって、本来は1対多として捉えられるサービス提供側の視点を簡素化して俯瞰できるから、サービスデザインとして理解しやすいという面もあるんですね、きっと。(サービス提供側はドライバー1人ではないので、本来はもっと複雑で多岐に渡るバックステージが存在するのだということは忘れないように…>自分)

坂田さんによれば、多くの場合、バックステージのUXを向上させることによって、フロントステージのUXにも良い影響が現れ、結果としてエンドユーザーが幸せになると。「素晴らしい体験は、素晴らしい組織からしか生まれない」とはなんたる名言。

ということで、モヤが晴れました。UXまとめのまとめの1からの流れで自分の学びをまとめるとしたら、“UX”と言う表現がどういう意味合いで使われているのかを確認するときには、この “U” が誰を指しているのか、他の “U” を考慮する必要はないのか、特にサービス回りのリサーチでは丁寧に確認する必要があるということだな。いやはや、一年の終わりに学びが山盛り。

あと、今の仕事の仕方を続ける限り、バックステージのUXリサーチや総合的なサービスデザインリサーチにはなかなか関われそうにない…という点を直視すべきか? 現状打破して新たな挑戦をするには…就職…だろうか?