レポートは分かりやすく

2015年08月19日(水) 19:25

UXいろいろ, 日本発信四方山話, 東京, リサーチャーの知恵袋

REPORT NEEDS TO BE EASY TO UNDERSTAND: I have created a lot of research reports lately. I clearly remember that my late supervisor for my master’s degree gently questioned me whether the graph was easy to understand, when I shared my thesis with a default excel graph (which was ugly and hard to read the data, to be honest). As a usability specialist, the report I create always needs to be easy to understand. That’s what I learned from that conversation with her, which has been one of the most important principles for my reporting.

今年はやたらとレポートを書いています。ユーザビリティテストやインタビューのモデレーターだけという仕事が去年の前半は盛りだくさんだったのですが、去年の後半から今年にかけてはレポートまでお願いしますと言われることが多い。リサーチ業界バブってます。稼ぎ時、稼ぎ時。

そこで今日は、レポートを書くときに私がどれほど努力をしているかという自慢話(笑)。

私はデザイナーではないので“美しい”スライド作りを目指すと破綻すると思っています。カッコイクきめるのも無理。でも、他者と共有することを目的として作る以上は“分かりやすい”スライドを作らなければならない。ユーザビリティ屋としてそれは最低限の責任だと思っています。あ、レポートはいつもだいたいパワーポイントで作るのです。だからスライド。

その昔、修士論文を書いていたとき、Excelを使って描いたグラフをそのまま何も手を加えずに論文に載せていたら、恩師が一言、優しい声色で仰いました。「そのグラフって、分かりやすいのかしら?」と。「そのままじゃ分かりにくいって、貴女は分かっているはずよね?」という言外の意味が先生のお顔にはっきり表れていたことを今も鮮明に思い出します。他の学生も同じようにExcelのデフォルトグラフをそのまま使っていたにもかかわらず、その指導は私に対してしかなされなかった。「なんで私だけ…」と思った確かに。締め切りが迫る中、まさかのデータ追加を求められて、「もうグラフの色なんてどうでもいいじゃんか…」とか言わなかった(というか言えなかった)けど思ってました、正直な話。でもあのとき、先生がくださった指導は、どんなドキュメントを作るときにも決して疎かにできない大切な指針として私の心に刻まれています。

ユーザビリティ屋は、他人が作ったモノに対してダメ出しをすることになる場合の多い仕事。分かりにくい、使いにくいところを指摘して、より分かりやすく、使いやすくするためにはどこをどう直せばいいかを考えてもらうためのドキュメントがレポートです。そのレポートが分かりにくかったら、読む人はそこに書いてあることをどう受けとめれば良いものか戸惑うに違いありません。もしかしたら腹が立ちさえするかもしれない。ユーザーの声を真摯に受けとめてもらうためには、レポートで手抜きできないのです。しちゃダメです。

レポートまでひっくるめたお仕事の依頼を受けると、テンプレートとしてとか、参考資料としてとかいう位置づけで前回調査のレポートや類似調査のレポートを見せていただくことがあります。そしてそれらの大半が読みにくくて、分かりにくい。それじゃダメだと思うのですよ>同業者の皆さん。でも相手がクライアントという場合も多く、いつもダメ出しできないままに終わるんですよね…。亡き恩師のように、優しい声色で、しかし確固たる強さでダメ出しできる大人になる。当面の目標はコレってことで。