“暮らし”に足りない物

2015年02月24日(火) 18:59

UXいろいろ, 日本発信四方山話, 栃木, 京都, モノ+コトの話

SOMETHING MISSING IN THE EXPERIENCE: Machiya Residence Inn is a new type of accommodation, where you can rent out an entire machiya (traditional townhouse) all to yourself, and it was really nice to have a washing machine (especially after a marathon event) and full kitchen equipments to have (or feel) “living” experience. The unfortunate thing is that consumable supplies like plastic food wrap, paper towels, or seasoning agents are not at all offered in spite of such a full line up of cooking equipments. Buying a bottle of soy sauce or salt/pepper is a tiny outgo and they are easy to find nearby, but it’s gonna be such a waste for a few days. I remember Nikko Inn, where we enjoyed having a similar experience a few years ago in Nikko, provided a set of seasonings, which can be a fine example to follow.

町家一棟貸しというお宿を提供してくれるのは町家レジデンスインです。都市化が進み、取り壊されて数を減らすばかりだった町家を後世に残すという大きな目標のもと、旅館業許可を取得し、宿泊施設として町家を生まれ変わらせてくれています。

 

[1] チェックインは古ビルの一室 [2] 暗証番号式玄関錠を採用 [3] キッチン回りは一見充実…

観光客に貸し出される町家は京都市内に点在しています。通常のホテルのようにフロントでチェックインという訳にはいきません。チェックインは、京都駅から歩いて5分ほどのところにある古いビルの一室で行われます(写真[1])。本当にここでイイのだろうか?と思わせる佇まい。たぶん誰もが思う。外国人観光客がよくここまで辿り着くものだと感心すらしてしまいました。

ここで宿の鍵を受け取るものだと思い込んでいましたが、入り口には暗証番号式玄関錠が使われていました(写真[2])。なるほどです。おかげで、外出時に鍵を携帯したり、チェックアウトのために再度オフィスを訪れるといった手間や、何より鍵を紛失して宿に迷惑をかけるという心配がなくなってかなり便利です。でも、チェックインのときに、他のお客さんが後ろにいるにもかかわらず、口頭で暗証番号を伝えるのはセキュリティ的にNGではないかと思う。宿の名前と番号を覚えておけば、簡単に侵入できてしまいますから。という話を、係のお姉さんには指摘してあげたので、今後は改善される…はず。

当の町家暮らしは、昨日ご紹介したとおり寒くて死ぬかと思った…というのが正直なところですが、お風呂とトイレが別だったり、洗濯機や冷蔵庫、電子レンジなんかが備え付けてあったり、何より嬉しかったのは台所の蛇口が浄水機能付きだったことです。すぐ脇にある電気ケトルへ直接、水を足してお湯を沸かすことができました。便利この上ありません。

一方で残念だったのは、これだけキッチン回りが充実(写真[3])しているにもかかわらず、サランラップやキッチンペーパーといった便利な消耗品が装備されていなかったこと。引き出し漏れなくあけて確認しましたが、ありませんでした。ちょっと買ってきたお惣菜やお漬け物を冷蔵庫に入れておきたいと思ったときに困る。と思ってよくよく思い返したら、調味料類もなかったな。鍋やらフライパンやらしっかり準備してくれてますが、ちょっとやそっとでは使い切れない醤油とか塩胡椒とかは宿泊客が自分で準備するのが前提なのね。うーーーん。2泊とか3泊とかは想定してないのかな? それにしても、調味料を買って使い切るほどの連泊というのもあり得ない感じがする。2011年の夏にお世話になった日光インでは、調味料セットの貸し出しや食料品・日常品の販売をしてましたよー。すぐ近くにスーパーやコンビニのある京都と、近所は見渡す限りの田園という日光とをそのまま比較して評価するのは不公平かもしれませんが、京都での時間を“暮らし”として味わってもらうことがコンセプトなら、もう少しサービスを見直しても良いかもしれません。何なら手伝いますが(笑)。