龍吟庵と智積院

2015年02月25日(水) 18:49

日本発信四方山話, 京都

TOFUKU-JI WITH RYUGIN-AN AND CHISYAKU-IN: I decided to visit only 2 temples this time, and chose Ryugin-an (located in Tofuku-ji temple) and Chisyaku-in. Ryugin-an is normally not open to the public, but it contains some beautiful dry gardens. One of the gardens is called Dragon garden, created in 1964, which is not old by Kyoto’s standards, but it chimes perfectly with the oldest remnants of architecture of the abbot’s chamber. Chisyaku-in is known as the temple with beautiful and valuable paintings on the walls or fusuma (sliding) doors. The paintings by Insho Domoto and Toshio Tabuchi were just amazing to me. Great mixture of traditional context and modern flavor of drawings. Kyoto is such a place where values traditions highly, but also accepts trends of the times flexibly, that’s why I have been fascinated.

京都まで行ったら神社仏閣のひとつや二つ…と言わず、足が棒になるまで見て回るのが普通の京都の楽しみ方かもしれませんが、前日の京都マラソンですでに足が棒になっている人が一緒だったので、今回は控え目に京都駅からほど近いところにある伏見稲荷大社、東福寺、そして智積院の三箇所を堪能するにとどめました。

そのうちの2箇所、東福寺と智積院は49回目の非公開文化財特別公開の中に名を連ねています。

 

[1] 龍吟庵の“龍の庭”その1 [2] 龍吟庵の“龍の庭”その2 [3] 東福寺本堂天井の龍

まず東福寺。紅葉の名所として有名な臨済宗のお寺です。以前、新緑の季節に訪れて、方丈の北庭にうっとりした場所。新緑も紅葉も期待できない真冬の東福寺が特別公開してくれているのは、現存最古の禅宗方丈建築とされる龍吟庵(りゅうぎんあん)です。方丈を囲む枯山水庭園は昭和39年12月の作庭。室町時代に建てられた方丈に比べると格段の新しさですね。龍が海中から黒雲に包まれ昇天する姿を石組で表現したとされる西庭ー龍の庭(写真[1][2])は圧巻でした。伝統に自由な発想をプラスして大胆に仕上げられた庭。室町の頃から方丈とともにありました…と言われたらあっさり信じてしまえる調和っぷり。東福寺の本堂の天井にも龍がいます(写真[3])から、龍つながりということで一緒に拝見しましょう。本堂の中には入れませんので、入り口のすき間から覗き見です。

 

[4] 智積院。拝観の入り口は別 [5] 僧がお急ぎでおられた… [6] 長谷川等伯“楓図”レプリカ

続いて真言宗智山派の総本山智積院(写真[4][5])。狙いは、特別公開されている宸殿(賓客をお迎えする建物)の襖に描かれた堂本印象画伯による“婦女喫茶図”です。撮影禁止なので写真はありません。お寺の襖絵はだいたいいつもこんな感じ…という先入観を完全に取っ払ってくれる斬新な絵です。モダンな装いで椅子に腰掛け、お喋りをしながらお茶を楽しむ女子会の様子が描かれていました。すごーい。ちなみに最後の写真は智積院収蔵の国宝、長谷川等伯の描いた“楓図”のレプリカです。本物も収蔵庫で見られます。加えて、講堂にある田渕俊夫画伯の襖絵(墨絵)も圧倒的な存在感で驚くこと必至。平成20年の奉納だというから重ねてビツクリです。

京都は、古い物を単にその古さで重み付けするのではなく、古きや伝統を重んじつつもその時代時代にあった良さを潔く受け入れる懐の深い町。その懐の深さに私はいつも魅了されるのでした。