馬との共生と水系の維持
2015年01月22日(木) 12:03
UXいろいろ, 日本発信四方山話, 岩手, モノ+コトの話LIVE WITH HORSES AND KEEP BLESSINGS FROM MOUNTAINS: What the group of local youths in Tono is tackling is not only passing the horse-logging down the generations, but also creating a live-and-let-live system with horses and keeping the clear water from the mountains for those who live down the stream. It may sound a dreamy idea, but to me, the challenge looked steadily making strides forward. It is a big challenge, but their serious tackles have moved others to act, and I love to be involved in it somehow. I should start thinking of the way to support their challenge while enthusiasm lasts!
馬搬のお手伝いの前後に、馬との共生を目指す活動の中心的役割を担っている(と思われる)風土農園のIさんに取り組みの一部を紹介していただきました。
馬搬だけではなく、畑を耕す時季にはやはり馬の力を借りる “馬耕” を取り入れたり、馬糞は畑の堆肥にしたり、畑や田んぼには馬車で通ったり、ゆくゆくは子ども達が馬車で学校へも通えるようにしてあげたい!と、Iさんの話を東京で聞いていたら単なる夢物語にしか聞こえなかったかもしれません。でも、あっちに放牧場を整備中で、そこに通じる道を馬車が通れるようにしようと思ってるとか、あの建物を改築してゲストハウスにして、日帰り数時間の体験ではなく何泊か遠野の町に泊まり込んで暮らしを体験してもらえるようにする予定なんだとか、その資金はかくかくしかじかな感じで調達する目処をつけていてとか…現地で、現場を目の当たりにしながら聞く話はしっかりと現実味を帯びていて、着実にひとつひとつ積み重ねていくぞという気合いを感じさせるものでした。そして着実に前進している模様です。
馬搬で切り出した木材のみを使って建設中の厩舎も見せてもらいました(写真[3][4])。いろいろと事情があって建設途中となっているようですが、中には馬搬を担う馬が3頭すでに入厩していて、でも3頭どこでも出入り自由にするとあっちこっちエライことになるかもしれないのでってことで、現在は一箇所の馬房で仲良く暮らしてもらっているそうです(写真[5])。馬の飲み水は山から湧き水を引き込めるようにしてあって、キンキンに冷えた水が飲み放題(写真[6])。水道の水をバケツに汲んで運んで…なんて作業も軽減されるのでヒトにも馬にもありがたい自然の恵みを享受する仕組みです。
山からいただくこの “澄んだ水” を下流に暮らす人たちに澄んだままに届ける仕組みを守り、維持する気持ちも含めて後世に伝えることが、Iさんの大きな目標のひとつでもあるそうです。壮大だぁ~。でも彼は本気。すごい人に出会ってしまったのかもしれません。都会で呑気かつ自分本位に生活しているわたしが何かお手伝いできることはないだろうか…と、つられて本気で考えたくなる、関わった人が気持ち良く巻き込まれていく、巻き込まれてしまいたいと思わせる力を持つ、そんな方でした。わたしの気持ちが静まらないうちに、仕事ばっかりの日々になってしまう前に、リサーチャーとしての知識と経験で彼の取り組みを支援する方法を考えたい。