訪問調査のときの留意点その1

2014年12月11日(木) 15:31

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TIPS FOR HOME VISIT IN JAPAN (1): As you may know, Japanese take our shoes off at the door. Very many foreign researchers know the fact, and are ready to cope with the culture. Some of them, however, find it hard to actually take their shoes off, because they come with shoes with shoelaces or knee-high boots. Some researchers, who once took time trying to take their shoes off at the door, think, think, and think, and then try to solve the unfavorable situation by taking their shoes off outside the entrance. No! Don’t do that. We take our shoes off because we want to keep a clean house or to make it easier to clean up the house. We always show our respect for the research participants who welcome us at home, means we cannot be rude to them. Please pick up shoelace-less shoes as I always do. This is also true for those who are willing to visit temples in Japan.

外国からいらしたリサーチャーを伴って、日本のユーザーさん宅を訪問する調査を今年はたくさん実施しました。どんな商品やサービスを企画・開発するにしても、リアルな利用状況を知ってて作るのと、知らずに作るのとでは結果に大きな差が生まれます。それが分かっているからこそ、わざわざ日本に飛んできてまで訪問調査をする。素敵です。わたしの仕事にも繋がって有り難いかぎり(笑)。

そして今日から何回かに分けて、そんな海外から日本にやってくるリサーチャーの皆さんに気にかけて欲しいこと、気づいて欲しいことを書いてみようと思うのでした。栄えある第一回目のお題は、靴です。

日本では、靴を脱いで家にあがるらしいぞ…というのは、さすがにバッチリ知られていて、皆さんその心づもりは満タンで来日されるご様子です。しかし靴を脱いで家にあがる生活を体験したことがない彼らの想像力は、それがどのくらい面倒なことなのかまでは及んでいない場合がほとんど。もしかしたらまず、想像以上にこぢんまりとした玄関に驚くのかもしれません。そんな限られたスペースで上手に靴を脱ぎ、上り框に足を置く日本人リサーチャー(=わたし)の華麗な靴さばき(外国人の目には華麗に映っているに違いない笑)に感銘を受けつつもすんなりと真似ることのできない外国人リサーチャーたちは、玄関先でのもたつきをなんとかしようと考える。考えた結果、多くの人が辿り着く解決策が、玄関の外で脱いじゃう!ってやつです(笑)。ちが~う。お願いだからそれはやめてー。

何のために靴を脱いで家にあがるのかを考えて欲しい。リサーチャーなんだから、行動の背景にある理由を考えよう。外の汚れを内に持ち込みたくないから上がり口で靴を脱ぐのです。玄関先での数秒とはいえ、外で地面につけた足をそのままに“お邪魔します”は日本人的にはない。自分の家ならあるけど(あるのかぃ!)、調査にご協力いただくお宅ではあってはならない振る舞いです。

 

[1] 靴を脱ぐの急ぎすぎです [2] 外国人の脱いだ靴はどれ? [3] 脱ぎ履き容易な靴で調査へ

一枚目の写真は日光東照宮で見かけた早く靴を脱ぎ過ぎちゃってる観光客の皆さん(写真[1]右奥)。同じ写真の左端、然るべき場所で靴を脱ぎ、外の地べたに足をつけることなく上がり框に足を置けているのは生粋の日本人。旦那であります。やはり子どもの頃からそれが当たり前としてきたことは身体に染みついています。京都のとあるお寺さんの上がり口を見たときには、日本人と外国人との差が歴然としていて驚きつつも笑えました(写真[2])。

最後の写真は、訪問調査用にと私が大事にしている靴たちです。時間ぎりぎりで走ることになっても大丈夫で、かつ脱ぎ履き簡単で、かつある程度フォーマルな装いにも合う感じ。靴紐を解かないと脱げないスニーカーとか(写真[3]手前から三足目の靴紐は“ゴム”なので脱ぎ履き簡単です)、どう考えても脱ぎ履きに時間を要するロングブーツとかは訪問調査には不向きですから控えましょうー。