訪問調査のときの留意点その2

2014年12月12日(金) 17:05

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TIPS FOR HOME VISIT IN JAPAN (2): Some female researchers wear sandals with bare feet, as they find them the easiest to take off and put on at the door (or maybe just because it’s easy to travel around). From a Japanese point of view, entering a house with bare feet is a breach of manners. According to the cited website, Japanese in the old days got accustomed to wear white and clean tabi socks as a symbol of sanctitude. As we sometimes put food or place a cup of tea on a tatami floor, our feet that step on the same floor must be clean. Bare feet don’t give a positive impression about the cleanliness. That’s why I recommend researchers to wear clean socks when we visit homes in Japan. We should bring another pair of socks to change in case of need on a rainy day. A towel may be another item to prepare, and such a little attention to manners would make the research even more successful, I believe.

脱ぎ履きしやすい靴を履いてきてね!と事前に忠告すると、裸足にサンダルとかで来る女子リサーチャーがたまに現れる。これも困ります。ということで今日のお題は、靴下。

他人様のお宅にお邪魔するとき素足で行くのは失礼ですよ…と言われて育った記憶がはっきりとあるわけではありませんが、日本人的にはそれはあまりにも当たり前のことだといつの頃からか思っていて、ということはおそらく親がきちんと言い聞かせて育ててくれたのだろうから感謝しなければならんな…とか思いつつ、母に最近その理由を聞いてみたら「なんでだろうね?」と拍子抜けする回答でのけぞりました。

閑話休題。裸足にサンダルで来日したリサーチャーに「靴下はけ!」とつっこんだら「なぜ?」とつっこみ返されるかもしれないので、コレを機会にその理由を考えてみる。そもそも“靴下”なるものは昔の日本にはないわけで、裸足に下駄をつっかけて、そのままご近所訪問するのが普通の時代もあったはずです。靴下を履いていたとしても、その靴下が汚れていたり、あるいは靴の中がそもそも汚れていたら、結局他人様のお宅に汚れを持ち込むことになるのだから、どっちもどっちな感じもする。スッキリと腑に落ちるこのマナーの由来はいずこに…とあちこち調べてやっと、ゼクシィさんのページに辿り着きました。

“畳の上で食事をし、お茶を点ててきた日本では、清浄の象徴として室内では白い足袋を着用する習慣が生まれました。素足のまま訪問先に上がるのは清潔な印象を与えません”から、清潔なストッキングや靴下を履いてお邪魔するようにしましょうということのようです。習慣化したのがいつなのかまでは分かりませんが、とにもかくにも“清潔な装いで来たという印象を与えるため”、つまりお宅を訪問するためにきちんと身繕いしてきましたよ!ということを端的に示す目印として靴下着用は大事なのだ。と言えば分かってもらえるだろう。

ちなみに雨の日の訪問調査は加えて厄介になります。少し丈の短いズボンや膝下丈くらいのスカートを選び、裾が水はねで汚れてしまわないようにするとか、替えの靴下やタオルを鞄に忍ばせておくとか、私は準備を怠りません(自慢かよっ笑)。そういう心配りができるかどうかで、ラポール形成(イイ雰囲気作り…みたいな意味です、念のため)のスピードもクオリティも変わってきます。モデレーターだけが気を配るのではなく、訪問するチーム全体としてその辺の心づもりは事前に共有しておきたいですね。