ホテルのドライヤー事情
2014年11月17日(月) 16:42
UXいろいろ, 日本発信四方山話, ヨーロッパ所々方々, 宮城, イギリス, モノ+コトの話HOW TO HANDLE A HAIR DRYER IN A HOTEL ROOM: Do you want a hair dryer in the rest room, or in the living room at a hotel? As dryers seem forever bulky and ugly, every hotel seems to puzzle about how to provide a dryer elegantly. The attached dryer on the wall of a rest room is the worst handling, I think, as I am forced to be there to dry my hair. I want to use it in a living room, but I hate it kept in a bag, because I am lazy enough to be bothered by the interaction with the bag every morning and night. The attached dryer on the wall turned out to be nice if the wall was the one in a closet and had a long electric cord which allowed me to use it even quite a far away from the closet with the door shut, standing or sitting didn’t matter, either. Well, dryer handling seems to be a common headache both in Japan and England, and let’s wait and see if we will have a tidal shift in the dryer design itself or the spatial design of hotels.
ホテルの一室。ヘアドライヤーは洗面所にあって欲しいですか? それとも居室にあって欲しいですか?
洗面所の壁にガッシリと備え付けられたドライヤーがもっとも嫌なタイプ(写真[1])。これだと絶対にその場所でしか使えないし、風量最大にしても弱弱しい風しか出てこなくてなかなか髪が乾かないってことも多い。電化製品の価格が下がり、旅行者のマナーもよくなって、と、そんな歴史が背景にあるのかどうかは定かではありませんが、今春利用した仙台のとあるビジネスホテルでは、小さな籠にのせたドライヤーを居室のデスクに置いてくれていました(写真[2])。これなら椅子に腰かけて、テレビをチラ見しながら髪を乾かすことができて楽ちんです。夏に再訪した仙台のもひとつ別のホテルでは、壁に備え付けのものに加えて、持ち運びのできるものも提供しちゃってました(写真[3])。一度取り付けてしまったドライヤーを壁からはがし取るのもそれはそれでコストがかかるし、いやしかしお客様からは、この備え付けのドライヤーに対する不満の声が寄せられるしってーことで(本当に寄せられたかどうかは知らんよ…)、思い切ってダブルドライヤーサービス展開中(笑)。居室で使いたい人は持って行って使ってね、と。
続いてロンドンのドライヤー事情です。まず一番使いにくかったのは、部屋にアートを持ち込んだがために何かと使いにくい面を生み出してしまっていたQbic Hotel。見た目は楽しいけどほぼなんの役にも立たないドレッサーの後ろの壁にぶら下がっている袋の中身がドライヤーでした(写真[4])。イカツイ見た目のドライヤーを隠すべく小洒落た袋に入れているホテル、ここに限らずけっこうありますけど、いちいちですねー、袋から出して使うの実に面倒なんですよ、実は…(私が横着で面倒くさがりなだけか?!)。連泊しているときとか、掃除のおばちゃんが丁寧に袋に戻してくれてたりなんかすると「出しっぱにしておいてくれればいいのに…」と必ず思う(…そんな女子は他にもたくさんいるはずだ!)。
春に利用したロンドン西部のとあるホテルのドライヤーは、デスクの引き出しにドドンと隠してありました(写真[5])。かなり大きな引き出しに中身はドライヤーオンリー。引き出しの奥に小さな穴があいていて、そこからコードがニョキっと出て、デスクの裏のコンセントに繋がっていました。つまり自分でプラグを差したり、抜いたりする必要がなく、引き出しから取り出せばすぐにドライヤーを使える状態がキープされているってことで、コレ便利。
夏に利用したロンドン中心部のホテルでは、洗面所にもデスクまわりにもドライヤーがなくて軽く探し回って見つけた場所はクローゼットの中! 洗面所の壁じゃなくて、クローゼットの中の壁に備え付け。移動不可。しかしこれがなにげとても使い勝手がよくて驚きの展開でした。クローゼットのドアには鏡がついていて、さらにドライヤーのコードがとっても長く、クローゼットのドアの下に空いている絶妙な隙間の下を這うようになっていました。つまりー、クローゼットのドアを閉めて、クローゼットの中の壁に備え付けられているドライヤーを使うことができるという寸法です。いやはやコレは本当に便利。扉の鏡は姿見サイズだったから、立って見ようが座って見ようが大丈夫。自分の好きな体勢でドライヤーをかけられました。ただし心理的には、使うことで熱を持つドライヤーを衣類でいっぱいのクローゼットの中に置き、扉を閉めることへの抵抗感が少しあったかな…。まー、そのくらいで火事になるようなことはないのだろうけど、気持ち悪さは拭えませんでした。
ということで、ドライヤーの扱いは日英ホテル共通の悩みと言えそうです。ドライヤーがいつまでたってもごっつくて無骨で場所をとって…と、多少の小型化を実現しつつも扱いにくい形のままだから悩みが尽きないんだな、きっと。ドライヤー自体のデザインが劇的に変わるのが先か、ホテルの対応に斬新な解決策がみられるようになるのが先か、楽しみに観察を続けることにしましょー。