工場の祭典五軒目~小由製作所

2014年10月20日(月) 17:00

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TRADITIONAL CRAFT MASTER CREATES TRADITIONAL NAILS: At the very end of my visit to the festival, I realized that I hadn’t visited few metalworking factories, even though the area is famous with it. To finalize, I chose a factory with a master of Japanese traditional nails. The master himself looked and sounded very frank, but it was amazed to find such solemn stillness among the big sound of metal working. I should plan to visit more metalworking factories next year to feel such magnificence.

紙器だったり、軍手だったり、箸だったり、金属加工業の工場がメインだというのに、我ながら訪問先のチョイスがニッチに寄りすぎている(笑)…ということで、最後の最後に、にいがた県央マイスターのいらっしゃる小由製作所を訪問して、和釘の製作を見せていただくことにしました。伊勢神宮の遷宮に際し、和釘製作を担当された小林由夫さんのおられる工場です。「どっから来た?」「歩いて回ってんの?」と気さくに声をかけてくださる素敵なお方でした。

 

[1] 炉からアツアツの鉄線を取り、 [2] 釘の頭をカンカン叩きます [3] 筒に入れてさらにガンガン
[4] 筒から出して足元にゴロン [5] 和釘は二人体制で作ります [6] 次は釘の軸部分をドンドン

高温に熱した鉄線を炉から取り出し(写真[1])、手に持った金槌で叩いて叩いて釘の頭の部分を作ります(写真[2])。その後、何やら専用の筒のようなものに軸部を差し入れ、また頭の部分を叩きまくります(写真[3])。なんかスゴイ手際でカンカンカンカン、叩きまくっていました。終わったら筒から出して、足元にゴロン(写真[4]…焦点あってなくてスミマセン)。おそらく、鉄が冷えるのを待ってから次の工程に移るのだと思います。見学に行ったときはお二人体制でした(写真[5])。奥が釘の頭を作っておられた(たぶん)マイスターご自身。手前はお弟子さん…かな? 釘の軸部分を叩くお役目を受けもちます。今度は、熱々になった軸の部分を機械でガンガンガンガン叩きます(写真[6])。釘ですから先を細くしなければなりません。叩くスピードや威力を少しずつ弱めながら、軸の形を整えているようでした。だいたいイイかな?というあたりで、完成品と見比べてジャッジをします(写真[7])。自分的に合格!となったものを脇の箱にどんどん積み上げていく流れ(写真[8])。一日に何本くらい作るのかな? 作業のお邪魔をしてはいけないと思って何も質問できなかったのは悔やまれますが、職人さんが黙々とカンカン鉄を叩き続ける工場は、すごい音が響き渡っているのに、なぜか凛とした静けさも感じられる、とても厳かな雰囲気でした。伝統の重み…かな。

ちなみに小由製作所では、和釘だけではなく、矢床(熱した鉄などをつかむための鉄製の工具)や喰切(釘の頭を落とすなどまさに“切る”ための工具)なども製作しているそうです(写真[9])。「こういうのね、うちで作ってるの。適当に見てって」とお弟子さんと思しき方もお声をかけてくださいました。女子が(おばさんだけど…)わざわざ歩いて見に来たってのが意外過ぎたんだろうな、きっと。鍛冶の工場、来年はもっと行くことにしようっと(来年も行くのか?!)。

 

[7] 完成品と見比べてジャッジ [8] 脇の箱にどんどん積み上げます [9] 矢床や喰切も作ってます