トイレ? 行っトイレ!

2014年10月02日(木) 18:43

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TOILET!? HUMAN WASTE & EARTH’S FUTURE: Japanese toilets are known as a cutting edge of technology with full spirit of hospitality. Thanks to these innovations, the comfortable toilets have turned out to be taken as a given. As a result, we fail to reflect on the fundamental action of defecation and how to deal with it. This exhibition is to let us think what happens to our feces beyond the toilet, and talk openly about our feces and the future of the earth.

昨日バリウムと下剤を飲みました。おかげで普段よりもトイレのお世話になる回数が多いのだった。ということで、感慨ひとしお…日本科学未来館で開催されている『トイレ? 行っトイレ! ボクらのうんちと地球のみらい』へ行ってきました。今度の日曜日で終わってしまう企画展です。

 

[1] さーどのドアから入ろうか? [2] ネタバレ: どこから入っても一緒 [3] LIXILの“おもてなしの心”

トイレのドアを模した入り口が三つあり、どのドアから入ろうか…とまず悩みます(写真[1])。入ってビツクリ…会期残り少ないのでネタバレ書きますけども、どこから入っても同じ空間にあっさり到着します(写真[2])。日本が世界に誇る最先端トイレ(LIXILです)と展示の案内をしてくれるキャラクターたちの紹介やLIXILがトイレに込める“おもてなしの心(写真[3])”なんかが紹介されていました。

用を足した後の手洗いがどれほどの意味を持っているのか、便秘はどうして起こるのか、うんちはどうしてクサイのか、クサイ臭いには何の価値もないのか、そんな“うんち”にまつわる基本的な知識を習得するのがエリア1です。日本語でトイレのことを“便所”と言いますよね。それは文字どおり“お便りを受け取る所”というのが語源のようです。自分の身体が“うんち”という排泄物を使って、外からは見えない身体の中の調子を伝える“お便り”を届けてくれていると考えれば、自分の“うんち”の状態を日々確認することの大切さが分かってきます。という感じで、実に深イイ内容の展示が続きます。

 

[4] 江戸時代末期の染付便器 [5] 厠下駄は立ち位置を示す! [6] おおわだ保育園オープントイレ

エリア2では“トイレ”という空間のデザインについて考えます。江戸時代の末期に富裕層の自宅や旅館・料亭などのお客様用トイレとして使われていたとされる染付便器や厠下駄(写真[4][5])が興味深いです。特に厠下駄。なるべく床を汚すことのないように用を足してもらうための立ち位置を示すのが目的で、しかも跳ね返りが足に飛ぶのを避けるため、大便用の便器に添えるときにはつま先に覆いをつけるようになったという歴史を読んで、これは人間中心設計そのものではないかいっ!と、大先輩の偉業に感心しきりです。最近の事例としては、大阪府門真市にあるおおわだ保育園の“オープントイレ”が紹介されていました(写真[6])。現場の保育士を巻き込んだ“トイレ会議”を繰り返し、トイレの様子を撮影したビデオの観察検証を経て、プロトタイピングも行い…って、スゴイ本気のアプローチで作り上げられたトイレは、子ども達のおむつ放れを早め、保育士の作業効率を上げるなど多くの成果をあげているようです。

 

[7] 下水処理に関する年表 [8] うんちの帽子…辞退可 [9] さぁ、下水道の旅へ出発!

下水処理施設の必要性がどのように認められ、整備されてきたのかを年表(写真[7])と模型を通じて学んだ後、“うんちの帽子(写真[8])”をかぶって巨大な便器に飛び込み(滑り台になってます)、下水道の旅へ出発です(写真[9])。ちなみに、うんち帽子をかぶることは辞退できます(笑)。いや、それを辞退するくらいならば、滑り台そのものを子ども達へ譲って次の展示へショートカットしましょう。その先には、人間の排泄物に含まれている買えば高い希少資源“リン”についての解説やそれを回収して肥料をつくるための取り組みなどが紹介されていました。さらに、宇宙空間での排泄物の扱い方や貧困国のトイレ事情、そして東日本大震災のときのトイレ問題などへと展示の難易度うなぎ上り…。きっと子ども達は滑り台を滑り終えたところで力尽きるんだろうな…。その先の展示こそ食い入るように読めるくらいの中高生に期待したい(なにを?!)。