光の館と夢の家

2014年09月24日(水) 16:09

UXいろいろ, 日本発信四方山話, 新潟, モノ+コトの話

HOUSE OF LIGHT & DREAM HOUSE: The next “art” for me to stay would probably be the House of Light produced by James Turrell, as I’m thrilled to imagine how the experience in the space with magically created light would be like. Another interesting art, which allows me to stay but not encourage much, is the Dream House produced by Marina Abramovic. The art is for guests to dream a dream, to share it with others, and to be a part of the art. It could be an interesting experience to have such an extraordinary night in what is called a coffin bed, but I would rather choose to stay at the House of Light.

 

[1] 光の館の屋根が開きます [2] 徐々に… [3] 徐々に…

次に泊まるとしたら間違いなく“光の館”になるだろう。光のアーティストとして名高いジェームズ・タレルのこの作品は、谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』から着想し、自らの光の作品をそれに融合させていくことで完成させた瞑想のためのゲストハウス。和室の中央にゴロリと横になり、ゆっくりと屋根が開いていくのを眺め(写真[1][2][3])、四角く切り取られた空をボケーッと見つめているうちに日が陰り、日没の幻想的な色の変化を楽しもうと思っていたのに眠りに落ちて、気がついたら頭上に星空が…みたいな体験を、今回は見学のみでできなかったから、いつか必ず宿泊して、泊まらないと見られない景色を愛で、空間を享受し、ご報告します。その日のために光の館の写真は少なめにしておくのです。

 

[4] 囲炉裏のある古民家が舞台 [5] 清めの部屋の浴槽には薬草 [6] 作家ご指定のパジャマです

もう一つの泊まれるアート作品は、旧ユーゴスラビア出身の女性アーティスト、マリーナ・アブラモヴィッチの作品で“夢の家”です。外観はいかにもな古民家。台所には囲炉裏があったりしてまったくもって期待どおり(写真[4])。“清めの部屋”と名付けられたお風呂場には銅製の浴槽に水晶の枕。薬草も浮かべられていて気持ちよさそうです(写真[5])。

 

[7] いざ、夢を見るための部屋へ [8] 棺桶で寝心地を確かめる連れ [9] 夢の本に夢を記してアートに参加

そうして身体を清めた後で夢を見るための支度をするのだそうです。“夢を見るためのスーツ”とか“作家指定の浴衣”とか、あちこちにいろいろな表現がなされていますが、見た目は気合いの入った寝袋に相違ありませんでした(写真[6])。ポケットに磁石を忍ばせて、より夢を見やすい状態をつくり、階段を昇っていざ“夢を見るための部屋”へ向かいます(写真[7])。そして“夢を見るための赤の部屋”で“夢を見るためのベッド(通称“棺桶”)”に入って寝心地を確認する連れの人(写真[8])。どうですか? 赤い光からパワーをいただくことはできましたか?

わたしも横になってみましたが、黒曜石の枕が高くて痛くて、絶対に眠れそうにありませんでした。でも中は意外と広かった。朝、目が覚めたら、見た夢をすぐに書き綴ることができるよう、“夢の本”が用意されています(写真[9])。そうして自分もアートの一部となる…的なコンセプト?! うーん、やはり私は光の館のほうにお世話になりたいと思いました(笑)。